うなぎの蒲焼
【関東】
• 背開き
• 白焼き(素焼き)、蒸す
• 竹串を使う
• 頭を落としてから焼く
【関西】
• 腹開き
• 蒸さない
• 金串を使う
• 頭をつけたまま焼き最後に落とす
うなぎの蒲焼(関東)
関東は「背開き」が主流
①. うなぎを背開きにさばく
②. 竹串を打って素焼き、蒸す
③. タレをつけて焼く
背開きに捌く
うなぎを背側から開き、
頭、背びれ、尾びれを取り除く
背開きにすることで身崩れがしにくくなり、
じっくりと火を通すことができる
(腹部分の脂をじっくりと焼き落す事ができる)
竹串を打って素焼き、蒸す
竹串を打って素焼きにし、素焼きした後に蒸す
蒸すことは、不用の脂を除き、
やわらかくするために不可欠
タレをつけて焼く
蒸して柔らかくした後、タレを付けて焼き上げる
うなぎの蒲焼(関西)
関西は「腹開き」が主流
①. うなぎを腹開きにさばく
②. 金串を打ってタレをつけて焼く
(蒸さない)
腹開きにさばく
うなぎを腹から開く
(背びれ、尾びれ、頭は付いたまま)
金串を打って焼く
金串を刺しタレをかけながら付け焼きし、
焼き上がった後に頭などを落とす
(蒸さない)
蒸さずに焼くため、焼きの工程が長く、
ひっくり返す頻度が関東流より極端に多い
(蒸さずに、焼きの技術でうなぎを柔らかくする)
さばき方
腹開き
開いた皮の部分が内側へ丸まり硬くなり、
それを防ぐためには相当な腕が必要
(包丁さばきに長けていないとできない)
背開き
背びれが取りやすい、うなぎがおとなしくなる
など、腹開きより調理しやすいといわれる
さばき方の違い
関東は「背開き」、関西は「腹開き」
この違いが生まれた由来には以下などの説がある
• 効率重視
• 身崩れ防止
• 江戸は「武士」、大阪は「商人」
料理人の腕
江戸の町では外食のニーズは高かったが、
飲食店自体は熟練した料理人が不足していたとされる
その結果、関西と関東で違いが生まれたとされる
関西
料理人は包丁さばきに長けており「腹開き」が主流
関東
料理人の腕が追いつかず「背開き」が主流
効率重視
江戸の町では外食のニーズが高かった
➝効率を上げるために「背開き」にした
腹開きに比べると、背開きは背びれを取りやすく、
うなぎがおとなしくなるのでさばきやすい
➝江戸では簡単に出来る方の「背開き」が普及した
江戸は「武士」、大阪は「商人」
関東
江戸には武士が多く、武士道を重んじた人々は
「腹開き」は切腹を意味する物として好まなかった
➝「背中側」からさばく文化が根付いた
関西
人付き合いを重要視する大阪商人の
「腹を割って話す」という思いが反映された
➝「腹側」からさばく文化が根付いた
蒸す・蒸さない
蒸す・蒸さないの調理法の違いができた理由は、
「うなぎの質」が関係すると考えられる
• 関東のうなぎは脂が多い(?)
関東のうなぎは泥臭かった(?)
関東
水流が緩やかで、水が濁りやすく、
うなぎも泥臭かったと考えられる
➝蒸す工程を入れることで泥臭さを抜いた
関西
周りが海や山が近く、水が濁らないので、
うなぎは泥臭くなかったと考えられる
➝蒸す工程を必要としなかった
関東のうなぎは脂が多い(?)
関東
水流が緩やか、うなぎの動きも緩やかで、
脂のりが良かったと考えられる
➝蒸すことで余分な脂を落としていた
関西
比較的急な水流で、その環境で育ったうなぎは、
関東のうなぎ程の脂のりはなかったと考えられる
➝蒸す工程を必要としなかった
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