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「イワシ」の特徴・種類・加工品

イワシ(鰯・鰮)

日本を含む世界各地で漁獲される海水魚

日本でイワシといえば、以下の3種

• ニシン科の「マイワシ」
• ニシン科の「ウルメイワシ」
• カタクチイワシ科の「カタクチイワシ」

 

イワシの特徴

• 海水魚で、沿岸性の回遊魚
• 遊泳能力が高く、群れで行動する
• 全長は成魚で10cm~30cmほど
• 背が青く、腹が白い、赤身の青魚
• 旬は6~10月とされるが、1年を通して漁獲される

 

 

 

イワシの種類(3種)

マイワシ(ニシン科)

生態

• 日本全域の沿岸に分布

• 春から夏には北上、秋から冬には南下する
(回遊せず、一部の地域に留まるものもいる)

• 1~3年で成熟し、寿命は3~5年ほど
(なかには7、8年ほど生きる個体もいる)

 

身体の特徴

• 体に黒い斑点が並ぶ
(個体によって斑点数が異なり、全く無いものもいる)

• 20cmくらいまでの個体が多い
(30cmほどに達する個体もいる)

 

 

ウルメイワシ(ニシン科)

生態

• 温暖な水域に分布
(南日本に多く分布)

• 春から夏には北上、秋から冬には南下する
(夏は北海道沿岸に群れが見られる)

• 1~2年で成熟し、寿命は2~3年ほど

 

身体の特徴

• イワシ類としては脂が少ない
(干物に向く)

• 目が大きい
(潤んだように見える)

• 20~30cmくらいの比較的大型種
(40cmほどに達する個体もいる)

 

 

カタクチイワシ(カタクチイワシ科)

生態

• 日本全域の沿岸に分布

• 半年~1年で成熟し、寿命は2~3年ほど

 

身体の特徴

• 口先が前に出て、上顎(うわあご)が長い

• 10~15cmほどの小型種
(大きくても18cmほど)

 

 

 

イワシの英語表現


「マイワシ=sardine(サーディン)」

sardineは日本では通常「イワシ」と訳される

 


「カタクチイワシ=anchovy(アンチョビ)」

anchovyはプランクトンを食べる小魚などのことだが、
日本では通常「カタクチイワシ」と訳される

 


「ウルメイワシ=round herring(ラウンドヘリング)」

なお、単なる「herring」はニシン属のことを表す

 


 

 

 

イワシの語源

語源には諸説あるが、主なものは以下の通り

弱し(よわし)

陸に揚げるとすぐに弱って腐りやすいことや、
他の魚に捕食されるため「弱し」から変化した名称
(漢字の「鰯」は、これが由来ともされる)

卑し(いやし)

貴族の食べ物ではない「卑しい魚」という捉え方や
大量に獲れたことから高級魚ではないという意で
「卑し」から変化した名称

 

 

 

イワシの加工品・食品

イワシは鮮魚としても食すことはできるが、
水揚げ後は傷みやすいので、流通が多いのは、
「干物、練り物、缶詰」などの加工品

 

調理法と加工品

【生・鮮魚・調理】
刺身、生しらす、釜揚げしらす(※)

【塩漬け】
塩いわし、オイルサーディン、アンチョビ

【干す(開かない)】
丸干し、めざし、塩干し、田作り

【干す(開き)】
開き干し、みりん干し(桜干し)

【茹でた後干す】
煮干し(いりこ)、しらす干し、ちりめん

 

(※)「しらす」は、主に体に色素がない稚魚の総称
(特に「カタクチイワシ」の稚魚を言うことが多い)

 

 

生・鮮魚・調理

生・鮮魚・調理(成魚:魚介類)

• 鮮魚そのまま
(刺身、マリネ、カルパッチョなど)

• 調理
(塩焼き、フライ、天ぷら、テリーヌなど)

生しらす(稚魚:しらす)

しらすを洗浄しただけのもの

釜あげしらす(稚魚:しらす)

しらすを茹でたもの
(水分率は90%程度)

 

 

塩漬け

塩いわし(成魚:マイワシ)

塩漬けされた「マイワシ」を
そのまま焼いたり、手開きしてフライなどにする

オイルサーディン(小ぶりな成魚:イワシ)

小ぶりなイワシの頭と内臓を取り除き、
数時間ほど軽く塩漬けにし、植物油などで煮込んだもの

アンチョビ(成魚:カタクチイワシ)

カタクチイワシを塩漬けにし、
半年以上発酵・熟成させたもの(非加熱)

 

 

干す(開かない)

素干し(成魚・稚魚:魚介類)

洗ってそのまま乾燥したもの

丸干し(成魚・稚魚:魚介類)

洗って開かずにそのまま乾燥したもの

めざし(成魚:魚類)

一晩塩漬けし、目に竹串などを通して
数尾ずつ連ねて乾燥したもの

塩干し(成魚・稚魚:魚介類)

塩漬けして乾燥したもの
• 開かずにそのまま塩漬け乾燥するもの➝「丸干し」
• 開いて塩漬け乾燥するもの➝「開干し」

田作り・ごまめ(幼魚:カタクチイワシ)

カタクチイワシ(幼魚)を干して乾燥したもの
また、それを砂糖・醤油・みりんであめ煮にしたもの

 

 

干す(開き)

開き干し(成魚:魚介類)

開いて塩につけて乾燥したもの
(焼き上がりが早く、内臓がないので食べやすい)

みりん干し・桜干し(成魚:魚介類)

頭、内臓を取り除いて開き、
みりんなど調味液に漬けてから乾燥させたもの

 

 

茹でた後干す

煮干し・いりこ(小魚:魚介類)

小魚を煮てから乾燥したもので、
主にダシを取るために使われる
(日本農林規格の定義では水分率18%以下)

しらす干し(稚魚:しらす)

しらすを茹でた後に少し乾燥したもの
(水分率は70%程度)

ちりめんじゃこ(稚魚:しらす)

しらすを茹でた後に、
天日などでじっくり干して乾燥したもの
(水分率55%以下)

かえりちりめん(幼魚:かえり)

「しらす」より、もう少し成長した「かえり」を
「ちりめんじゃこ」と同じ製法で加工したもの

 

 

 

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