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「餅」は硬くなるが、「大福」は硬くなりにくい

餅が柔化・硬化するしくみ

餅の柔化・硬化には、
餅を構成する要素「でんぷん」が関係する

熱を加えるなど餅を加工することによって
「でんぷん」の状態が変わり、
やわらかくなったりかたくなったりする

でんぷん

ブドウ糖(分子)が結びついたもの

餅の加工と柔化・硬化

生のもち米

生のもち米のでんぷん
分子同士がしっかりと結びついているため硬い

蒸した餅

もち米に水を加えて加熱すると、
でんぷんの内部に水分が入り込む

それによって分子がバラバラになり
結びついていた結晶構造に隙間ができ
柔らかくなる(でんぷんの「糊化」)

時間経過後の餅

糊化したでんぷんは、時間経過とともに
冷えたり、水分を失うことで硬くなる
(でんぷんの「老化」)

バラバラになっていた分子が再び結びつき
結晶構造の隙間が小さくなっていくため

餅の再加熱調理

硬くなった餅も内部は水分を含んだまま

これを煮たり焼いたりして、再加熱すると、
でんぷんが再度「糊化」して、柔らかくなる

内部に保持されている水分が少なくなると、
再加熱しても再び柔らかくならなくなる

餅を硬くしない方法

糖を加える

糖は水分を保持しやすい性質がある

加熱した餅に糖を入れて混ぜると
糖が水分を引き寄せ、保持するので、
でんぷんの「老化」を防ぐことが出来る

これによって、時間が経っても乾燥せず、
冷めても柔らかい状態が続く

求肥

糖を加えた餅を「求肥(ぎゅうひ)」と呼ぶ

大福には主に求肥が用いられている

求肥の主な製造方法

餅を粉にした「餅粉」に糖分を混ぜ、水を加えて加熱

餅に対する糖の割合を増やすことで
柔らかさが保たれる時間は長くなる

糖の量を増やすほどに甘みが増すが、
甘味の弱い糖分なら甘さを抑えられる
(トレハロースなど)

酵素を加える

でんぷん分解酵素(アミラーゼなど)」を加え
でんぷんを分解し、老化しにくくする

水にさらす

(つ)きたての餅は高温で水分も多いが、
時間が経つと水分が飛び、硬くなる

搗きたての餅を水中で伸ばして熱を逃がし
水分が飛ばないようにすると、
水分を保ったまま冷め、しばらく硬くならない

大福

大福は、
「大福餅(だいふくもち)」の略称

餅を薄く伸ばした皮で、
小豆の餡(あん)を包んだ和菓子

皮の部分は一般的に求肥を用いる

江戸中期頃にその形や腹持ちが良いことから
「腹太餅(はらぶともち)」と称され、さらに
「大腹餅」→「大福餅」と変化したとされる

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