「かまぼこ」板の役割、かまぼこの特徴

かまぼこ（蒲鉾）の板

かまぼこの板は、通称「空板（からいた)」と呼ばれる

板の主な役割とされるものは次の通り

板はかまぼこの余計な水分を吸収したり、
失われた水分を補給する吸湿・保湿効果がある

この水分調整により品質が保たれ、保存性が高められる

かまぼこに使うすり身は柔らかいので、
形を整えやすく、崩れないように板を用いている

板の木の香りによって魚臭を抑える

板に用いる木材は一般的に「モミ、シラベ」など

白っぽくて、節が少なく、
熱による反りなどの変形も少なく、
耐久性、調湿性、抗菌性などに優れたものが適している

高級品の場合、｢杉」が使われていたりする

一般的には、｢半月型の板かまぼこ」を指す

魚のすり身を加工した、
練り製品の総称とされることもある

鮮魚ならほとんどの種類から作ることができ、
魚の種類によって、食感や風味にそれぞれ特徴が出る

魚をすり身に加工したものは、
それぞれ以下などの名称で呼ばれる
（広義では、すべて「かまぼこ」）

【かまぼこ】…板に半月型に整えて蒸したもの

【竹輪（ちくわ)】…筒状にして焼いたもの

【さつま揚げ】…平べったい形状に整えて揚げたもの

【はんぺん・つみれ】…茹でたもの

白身魚を中心として数10種以上が使用されている

• スケトウダラ
• イトヨリダイ
• エソ
• マイワシ

など

もともと蒲鉾は、
竹や小枝のまわりに魚のすり身をなすりつけ、
焼いて食べるものであったとされる

この形状が名称の由来とされ、以下などの説がある

その形が蒲（がま）の穂に似ていたことから
｢蒲穂子（がまほこ)」といわれ、
それが変化して「かまぼこ」になった

その形が武器の「鉾（ほこ)」の形を思わせることから
「蒲鉾」になった

ちなみに、
この蒲鉾から竹を抜き去ると「竹輪」の形になる

鈴木たね子/辻雅司農林統計出版 2014年11月