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【鶏卵】殻の色の違い、黄身の色の違い

卵殻の色

鶏卵の殻は、
「白いもの」や「茶や赤っぽいもの」がある

• 白い卵     ➝「白玉(白卵)」
• 茶や赤っぽい卵 ➝「赤玉(赤卵)」
などと、それぞれ呼ばれたりする

これらの卵殻の色の違いは、
「鶏の種類(鶏種)」の違いによるもの

 

 

羽毛の色と卵の色

• 茶色い羽毛の鶏の多くは「赤卵」を産む
• 白色の羽毛の鶏の多くは「白卵」を産む
ということはあるが、必ずしもその通りでない

茶色い羽毛でも「白卵」を産む鶏種はいる
白い羽毛でも「赤卵」を産む鶏種はいる

卵殻の色は鶏の品種に固有のものであり、
羽毛の色と必ずしも一致しない

 

 

卵と鶏の種類

白卵を産む鶏

白色レグホン、ジュリア、ジュリアライトなど

これらの鶏種は、小柄であったり、
少ない飼料で多くの卵を産み続けるものが多い

ケージ飼いの場合が多く、飼育羽数も多い

 

赤卵を産む鶏

ボリスブラウン、ロードアイランド、
名古屋コーチン、白色プリマスロックなど

これらの鶏種は、
もともと食べるための肉鶏であることが多く、
体が大きく、多くの飼料が必要であったりする

平飼いである場合が多く、
白卵を産む鶏種に比べて産卵量が少ない

 

そのほか

• サクラ色の卵を産む「ソニア」
• 薄い青・青緑色の卵を産む「アローカナ」

 

 

栄養価の違い

赤卵の方が栄養価が高いと思われがちだが、
卵殻の色の違いによる栄養価の違いはない

単純に卵殻の色が濃いから栄養価が高い、
薄いから栄養価が少ないということではない

栄養価の差は、与える飼料の違いであったり、
鶏種それぞれが持つ性質による

 

 

価格の違い

市場では白卵に比べて、赤卵の方が
価格が高い場合が多かったりする

これは、赤卵を産む鶏種の多くの
以下の様な特徴によるものと考えられる

• 飼料(えさ)の摂取量が多い
• 産卵量が少ない
• 平飼いで飼育している

 

特殊卵

特殊卵として、ブランド名を用いた卵などを
生産する際に用いられるのは主に「赤卵」
(見た目に高級感を感じやすいため)

赤卵を産む鶏種に、
通常よりも上質な飼料を与えたり、
優れた環境で飼育することで特殊卵を生産する

これが、
「赤卵=高級品」「赤卵=栄養価が高い」
というイメージにもつながっていると考えられる

 

 

色の変化

環境による変化

白卵の場合は、大きな色の変化はないが、
赤卵の場合は、環境によって濃淡が変化する

• 暗い場所で生活する時間が多い鶏➝「濃い色」
• 明るい場所で生活する時間が多い鶏➝「薄い色」

これは、外敵から卵を守る目的のために、
目立たせず、卵が見つかりにくいように、
環境に合わせて濃淡が変化していると考えられる

 

年齢による変化

歳をとってきた鶏の産む「赤玉」は、
色が薄くなる傾向がみられる

鶏の年齢とともに色素の着色性が低下し、
卵殻色があせていく

 

 

卵殻の色素

卵殻とクチクラ(殻の表面を覆う膜の層)には、
色素「プロトポルフィリン」が含まれている

褐色や淡紅色の卵(赤卵)ほど、
この「プロトポルフィリン」の含有量が多い

「プロトポルフィリン」は、
鶏の品種や系統によるもので、飼料とは関係ない

 

卵殻に色がつくタイミング

鶏の体内で卵殻が形成されるとき、
および産卵時にクチクラが分泌されるときに、
この色素により殻が赤くなる

赤卵の卵殻を割ってみると、内側は白いが、
これは、卵殻が形成されていく最後の段階で
色素が沈着して赤卵になることを意味する

 

青色色素

アロウカナに代表される青色卵の色素は、
胆汁色素のビリベルジンであると言われる

プロトポルフィリンは卵殻の表面に限られるのに対し、
この色素は卵殻全層に存在する

 

 

 

卵黄の色

鶏卵における卵黄の色は、
薄いクリーム色から濃いオレンジ色まで様々

これは、与える飼料による影響であり、
同じ鶏でも飼料を変えることで卵黄の色は変わる

例えば、飼料に赤い色素のものを混ぜると、
卵黄の色が、より濃いオレンジ色になる

 

 

濃淡と栄養成分

卵黄の色は、濃い目の方が好まれる傾向にあり、
濃い目の方が栄養成分が高いと思われがちだが、
卵黄の濃淡はあまり栄養価には関係がない

色が濃い方が消費者に人気があるため、
飼料によって色を濃くしている生産者が多い

 

 

飼料(えさ)

鶏の飼料の主となるものは「トウモロコシ」
そのため、一般的には黄色の卵黄が多い

• 黄色を濃くする場合➝「乾燥アルファルファ」
• 赤色を濃くする場合➝「パプリカ」
などが、飼料に配合して用いられたりする

「米」や「小麦」を与えた場合は、卵黄の色は薄くなる

 

 

そのほかの卵黄の色

与える飼料によって、
基本的には、どんな色にすることもできる
(緑や黒にすることも可能)

例えば、
黒い色素の飼料を与え続ければ卵黄も黒くなる

 

 

色素沈着のしくみ

脂溶性(油に溶ける性質)の色素を鶏に与えると、
それが卵黄に移行して着色される

その色素をエサに混ぜて、給餌し始めてから
卵黄の色に完全に反映されるには約10日かかる

 

一般的な卵の場合

色素の大部分はカロテノイド系の脂溶性色素

飼料に含まれるカロテノイドが、
卵黄へ移行する量で濃さが変化する

【飼料米】
カロテノイド含量が少ない➝卵黄が薄くなる

【トウモロコシ】
カロテノイド含量が多い➝卵黄が濃くなる

 

 

 

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