魚の「赤身」と「白身」の違い
基本的には「赤い身」か「白い身」の見た目の違い
ただし、
見た目だけで判断するのは難しい場合もあるので、
「赤い色素たんぱく質」の含有量の多さで分類される
(ミオグロビン、ヘモグロビンなどの含有量)
【赤身の魚】
身の色が赤い魚のこと
(アジ、イワシ、サンマ、サバ、カツオ、マグロなど)
これらは回遊魚であり、
泳ぎ続ける持久力が必要で、筋肉に大量の酸素が必要
➝その役割を果たすのが、ミオグロビンやヘモグロビン
これら赤い色素たんぱく質を多く含むので、身が赤い
【白身の魚】
身の色が白い魚のこと
(タイ、ヒラメ、タラ、フグ、カレイなど)
これらの魚は、回遊することなく一定の場所に留まる
(泳ぎ続けるための持久力は必要としない)
赤い色素たんぱく質をほとんど含まないので、身が白い
赤身の魚
身(筋肉)の部分が赤く見える魚のこと
赤身の魚は回遊魚(常に泳ぎ回っている魚)であり、
その性質のため、筋肉は大量の酸素を必要とする
そのため、酸素を効率よく取り入れ・消費するために
赤い色素タンパク質が豊富に含まれ、赤身である
【赤い色素タンパク質】
•「ミオグロビン」…筋肉色素タンパク質
•「ヘモグロビン」…血液色素タンパク質
赤身の魚の種類
回遊魚は、その生態から
「近海性回遊魚」と「遠洋性回遊魚」に分類される
主な近海性回遊魚
アジ、サンマ、サバ、イワシ、サワラ、ブリ
など
主に群れを作って、
敵から身を守るために常に泳ぎ続ける回遊魚
補足
熱を加えられると身が白っぽくなる魚もいる
(白身のようであるが、「赤身」に分類される)
薄いピンク色の身が多い魚は、
刺身などでは白身として扱われることもある
(ブリやハマチなど)
主な遠洋性回遊魚
マグロ、カツオなど
広い海域を泳ぎ回る回遊魚
赤身の魚の栄養・調理法
近海性回遊魚
栄養
• 脂肪分が高く、旨味が強い
• 「DHA」や「EPA」などが多く含まれる
主な調理法
【刺身】
脂が乗っている
【塩焼き】
脂を落とし、あっさりと調理
【煮魚】
味噌煮など
遠洋性回遊魚
栄養
• 脂肪分が高く、旨味が強い
• 鉄分を多く含む
主な調理法
【刺身】
脂分が多く味が濃厚
【タタキ】
火を通すと固くなるのでタタキにする
白身の魚
身の部分(筋肉)が白く見える魚のこと
白身の魚は回遊せず、一定の場所に留まる事が多いので、
「ミオグロビン、ヘモグロビン」をあまり必要としない
(色素タンパク質の量が少なく、白身である)
敵から逃げたり、獲物を捕まえる時以外には
あまり泳がず、持久力よりも瞬発力を重視する
(海底でじっとしていたり、あまり動かない魚が多い)
白身の魚の種類
主な白身の魚
タイ、ヒラメ、カレイ、タラ、フグ、スズキ、キス
など
身が赤い白身の魚
鮭、マス など
オレンジやピンクなど、身が赤っぽいため
赤身だと考えてしまうが、白身の魚に分類される
(ヘモグロビンとミオグロビンが少ないため)
身が赤い理由
これらの魚の身を赤くしている要因は、
「アスタキサンチン」という色素
アスタキサンチンを含んだプランクトン、小魚などを
エサとして摂取することで蓄えられ、身が赤く染まる
アスタキサンチンは、カロテノイド色素の一種
(カロテノイド色素は、カニやエビにも含まれる色素)
白身の魚の栄養・調理法
栄養
高タンパク、低脂肪で淡泊な味わい
主な調理法
【刺身】
身が締まってしっかりした歯ごたえ
【カルパッチョ】
淡泊な味なので、刺身にソースをかける
【焼く・煮る・鍋物】
火を通しても身がふっくらしている
【ムニエル・ソテー】
脂が少ないので、バターやオイルを使う
青魚
青魚は身の色による分類ではなく、
背中の部分が青い濃い色をしている魚を指す
(「青物」や「光り物」とも呼ばれる)
一般的には、「赤身の魚」のうち近海性回遊魚の
比較的小型で大量に漁獲される大衆魚を指すことが多い
青魚の種類
代表的な魚は、
アジ、サバ、サンマ、イワシなど
マグロやカツオなどは、あまり「青魚」とは呼ばれない
青魚の栄養
DHAやEPAが多いが、鮮度の低下が早い
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