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「じゃがいも(potato)」の品種、用途、有害成分などについて

じゃがいも(potato)

ナス科ナス属の多年草の植物
その地下の茎の部分(塊茎)を食用にする
(地上にミニトマトのような形の有毒な実がなる)

日本では北海道が最大の生産地(全体の約8割)
そのほか、長崎県、鹿児島県、茨城県など

主なものは春に植え、夏~秋にかけて収穫される

じゃがいもは「馬鈴薯(ばれいしょ)」とも呼ばれる

 

 

 

品種

主な品種は、
男爵」「メークイン」「新じゃがいも」など

 

 

男爵(だんしゃく)

• 粉質で、ほくほくした食感
• デンプンを多く含む
• 煮くずれしやすい
• 丸い形、くぼみが深くゴツゴツで皮がむきにくい

主な用例

ポテトサラダ、コロッケ、マッシュポテトなど
(煮物、煮込み料理にはあまり向かない)

備考

男爵は、川田龍吉男爵が外国から導入した
「アイリッシュ・コブラー」という品種

 

 

メークイン

• 粘質で、滑らかな口あたり
• でんぷん価は低い
• 煮崩れしにくい
• 細長い形で表面は滑らかで、皮がむきやすい

主な用例

カレー、シチュー、おでん、グラタンなど
(煮物、炒め物、長時間煮込む料理などに向く)

 

 

新じゃがいも

• 春先に収穫される品種
• 水分を多く含んでおり、軟らかい
• 新じゃがいものほとんどは九州地方で栽培
• 小粒で皮が薄く、皮のまま調理できる
(皮ごと食べることができる)

主な用例

フライドポテト、素揚げ、じゃがバターなど

 

 

 

じゃがいもの用例

主に料理や加工食品として利用されるが、
デンプン原料や蒸留酒の原料としても利用される

料理

肉じゃが、粉吹き芋、ポテトサラダ、コロッケ
カレー、シチュー、おでん、グラタンなどの具

加工食品

フライドポテト、ハッシュドポテト、
マッシュポテト、スナック菓子など

デンプン原料

片栗粉として流通している粉末の原料
(片栗粉は本来、カタクリのデンプンの粉)

蒸留酒の原料

じゃがいも焼酎など

 

 

 

芽の有毒成分

じゃがいもの発芽した「芽」は、
ソラニンなどの有毒成分を含んでいる

「芽」以外にも、
日光に当たって緑化した部分も
ソラニンなどの有毒成分が含まれる

家庭菜園などで作られた未熟で小さいものは、
特に多く含んでいる場合がある

人体への影響

ソラニンなどの有毒成分を摂取すると、
頭痛、下痢、吐き気、腹痛などの症状が出たりする

 

 

 

じゃがいもの保存

発芽を抑えるようにするには、
5℃程度で通気性の良い冷暗所で保存する
(長期間の保存が可能になる)

日光の当たる場所や温度の高い所に保存すると
発芽、腐敗しやすくなる

 

貯蔵中の発芽抑制

収穫後2か月~3ヶ月は休眠期であり発芽しないが、
貯蔵期間をのばす様々な方法がとられる

低温貯蔵

3℃~10℃の低温で貯蔵することにより発芽を防ぐ
一般的な方法

CA貯蔵

貯蔵空間の気体の組成・湿度・温度を制御して貯蔵する
(8ヵ月~10ヵ月の長期貯蔵が可能)

発芽防止剤

薬品(クロロプロファム)によって発芽を抑制する

日本では除草剤として登録されている農薬で、
じゃがいもの発芽防止としての使用は許可されていない

海外の主要じゃがいも生産国においては、
加工用じゃがいもに普通に使用されている

 

 

 

起源

原産地は、南米のペルーやボリビア付近
標高3000~4000mのアンデス山岳地帯の耕地とされ、
紀元前から食されていたとも言われる

16世紀頃にスペイン人が本国に持ち帰ったことで
ヨーロッパに伝わったとされる

 

日本への伝来

諸説あるが、1600年前後にオランダ船によって
長崎に渡来し伝わったとされる

明治時代になると、
北海道で本格的に栽培が行われるようになる

 

 

 

語源

インドネシアのジャガトラ(ジャカルタ)港を
貿易拠点としていたオランダ船によって伝播したことから
「ジャガトライモ」→「ジャガイモ」となったとされる

そのほか、以下などの説もある

• ジャワ島の芋の意味の「ジャワイモ」が変化したもの
• 「御助芋(ごじょいも)」が変化したもの
(天保の大飢饉で餓死を免れたことから呼称)

 

馬鈴薯

じゃがいもの別称に「馬鈴薯(ばれいしょ)」がある

一説には、じゃがいもの形が馬の首に付ける鈴の形に
似ていることから命名されたとされる

中国での呼び名の一つに同じ漢字があるが、
中国名が導入されたものなのか、
日本で命名されたものなのかは明らかでない

 

 

 

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