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「ウスターソース類」の分類と特徴

ウスターソース類

ウスターソース」「中濃ソース」「濃厚ソース」は、
いずれもウスターソース類に分類される

これらは、原材料には大きな違いはない

原材料

トマト、玉ねぎ、リンゴ、ニンジン
酢、糖類、食塩、香辛料 など

 


【ウスターソース】

• 野菜と果実が少なく、やや辛口
サラリとした口当たり


【中濃ソース】

• ウスターソースと濃厚ソースの中間
• 口当たりも味わいも中間


【濃厚ソース】

• 野菜と果実が多く、マイルドな味わい
トロリとした口当たり
• とんかつソースは主に濃厚ソースに分類される


 

関東・東日本など

主に「中濃ソース」が使われる

関西・西日本など

「ウスターソース」「濃厚ソース」が使われ、
中濃ソースが使われることはほとんどない

 

 

 

ソース

「ソース」とは液体調味料の総称

醤油、マヨネーズ、ケチャップなどもソースの一種

 

一般的な認識

日本で一般的に「ソース」といえば、
「ウスターソース」「中濃ソース」「とんかつソース」
などのソースをイメージする場合がほとんど

これらのソースは「ウスターソース類」と呼ばれ、
「ウスターソース類の日本農林規格」にて定義されている

 

 

 

ウスターソース類の日本農林規格

ウスターソース類

次に掲げるもので、
茶色又は茶黒色をした液体調味料

1)野菜若しくは果実の
搾汁、煮出汁、ピュレ又はこれらを濃縮したものに
砂糖類、食酢、食塩及び香辛料を加え調製したもの

2)1にでん粉、調味料等を加えて調製したもの

(「第2条」より抜粋)

 

ウスターソース類の分類

【ウスターソース】
粘度が0.2[Pa・s]未満のもの

【中濃ソース】
粘度が0.2[Pa・s]以上、2.0[Pa・s]未満のもの

【濃厚ソース】
粘度が2.0[Pa・s]以上のもの

(「第2条」より抜粋)

 

※Pa・s(パスカル秒)は粘度をしめす単位で、
液体の流動に対する抵抗の大きさを表す
(高ければ高いほど粘り気がある)

 

 

 

ウスターソース類の特徴・使用例

ウスターソース

とろみが低くさらりとしており、やや辛口なものが多い

主に関西など西日本で愛用されている

使用例

関西では主に串かつやフライなどに用いられ、
料理の隠し味として使用することもある

 

 

中濃ソース

ウスターソースと濃厚ソースの
中間程度のとろみや味わい

関東など東日本ではよく使用されるが、
関西では認知度が低い

使用例

揚げ物にかけたり、料理の隠し味にも使用されたりする

東日本の家庭では、
とんかつ、フライ、目玉焼き、お好み焼きなどで
ソースを使う場合には「中濃ソース」が使われる
(家にあるソースは中濃ソースのみという家庭も多い)

 

 

濃厚ソース

果実や野菜を多く使用し、
とろみが高くトロリとしており、
濃厚な味わいで、甘みが感じられる

とんかつソースは主に濃厚ソースに分類される

使用例

市販されている
「お好み焼きソース、焼きそばソース、たこ焼きソース」
といったものは、濃厚ソースに分類されるものが多い

 

 

 

歴史

ウスターソースは、
イギリスのウスターシャー地方が発祥とされる

その由来には諸説あるが以下など

偶然出来上がった説

19世紀初頭にイギリスのウスターシャーの主婦が、
食材の余りを調味料とともに入れ保存したところ、
時間をかけて熟成されソースになった

インドのソースを再現した説

19世紀半ば、インドに出向いていたイギリスの総督が
現地で食べたソースを気に入り、
故郷のウスターシャーに帰ってから再現させたもの

 

世界初の販売会社

世界初のウスターソースのメーカーは、
「リーペリン社(Lea & Perrins)」とされる

リーペリンブランドのソースは、
現在でも元祖ウスターソースとして世界中で販売

原材料は、
食酢、タマリンド、タマネギ、ニンニク、アンチョビ、
糖類、塩、香辛料 など

 

日本におけるウスターソース類

江戸時代後期頃には伝来していたともされるが、
本格的に導入され始めたのは19世紀末の明治時代

老舗のソースメーカーである神戸の阪神ソースでは、
創業者が1885年に業務用として開発販売したソースを
最初の国産ウスターソースであるとしている

1900年代頃から様々なソースメーカーが誕生したが、
その頃は、粘度の低いウスターソースのみであった

濃厚ソース

粘度の高いとんかつソース(濃厚ソース)は、
神戸の「道満食品工業株式会社(現:オリバーソース)
によって、終戦直後の1948年に発売開始

濃厚ソース自体は1928年にはすでに、東京の
「月兎(げっと)ソース」が販売していたともされる

中濃ソース

「キッコーマン醤油株式会社」が1964年に発売開始

 

関西の粉もん文化と中濃ソース

関西では、ウスターソースの使用に加えて、
濃厚ソースをお好み焼きやたこ焼きなどに
かける文化になっていった

その文化が深く根付いたことから
関東で中濃ソースが誕生しても、
関西など西日本には広がらなかったとされる

 

 

 

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