片栗粉(かたくりこ)
精製したデンプンのことで、
主に調理用粉・菓子材料などとして利用する
元来は、その名の通り、日本の山野に自生する
ユリ科の「カタクリ」の茎からとったデンプン
ただし現在、市販されている製品の多くは、
「じゃがいも」のデンプンが用いられている
(名称はそのまま「片栗粉」)
補足
じゃがいものデンプンを用いているため
「馬鈴薯デンプン」とも呼ばれる
(馬鈴薯とはじゃがいものこと)
じゃがいもが用いられる理由
自生するカタクリの減少
そして明治以降、北海道の開拓などによって
じゃがいもが大量栽培されるようになったことで、
じゃがいものデンプンが用いられるようになった
じゃがいものデンプンは、
カタクリのデンプンと同じような性質をもつ
特徴
加熱するとおよそ60℃前後の温度で
無色透明になり、とろみが得られる
無色透明になるので、食材の色合いを損なわない
温度が下がると粘度は低下するので、
温かいうちに食べるあんかけ料理などに適す
(加熱を続けた場合も粘度が落ちる)
用例
• 揚げ物の衣(調理用粉)
• 麺類
料理のとろみづけ
主に中華料理などのとろみづけ、
あんかけ料理などに用いられる
調理中の熱い料理に直接加えると、
すぐに糊化してダマになるため、
水に溶かし「水溶き片栗粉」にして加える
片栗粉と水の分量は1:1もしくは1:2などで、
あらかじめしっかり溶いておくことが重要
しっかり加熱するとなめらかなとろみとなる
主な料理
• 天津飯
• 麻婆豆腐
• 酢豚
など
揚げ物の衣(調理用粉)
片栗粉を用いた揚げ物はカリッと揚がり、
サクサクした小麦粉の衣とは食感が異なる
時間がたってもべたつく度合いが少ない
片栗粉を使った揚げ物は白っぽく仕上がる
(小麦粉の場合は、きつね色に仕上がる)
主な料理
• 竜田揚げ
• から揚げ
など
麺類
片栗粉で製造した麺
(一般的な麺類は小麦を用いることが多い)
白く透き通った麺で、強いコシが特徴
主な用例
• 片栗粉麺
• でんぷんうどん
など
ダマ
「ダマ」とは、一部だけが糊化すること
ダマになる原因
• 片栗粉をきちんと水に溶かしていない
• 沸騰しているところに、一気に加えている
• 加えたあと、しっかり混ぜていない
予防のポイント
• いったん、火を止めてから加える
• 少しずつ流し入れる
• 混ぜながら加える