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【醤油】「丸大豆醤油」は大豆そのものを用いてつくった醤油

丸大豆醤油

大豆そのものを用いてつくった醤油のこと

大豆から油分を抜く前の
丸のままの大豆を原料としてつくられる
(丸大豆という大豆の品種があるわけではない)

 

補足

市販されている多くの醤油は、
あらかじめ油分を抜いた「脱脂加工大豆」を用いている
(国内生産の醤油のうち約8割)

脱脂加工大豆を用いた醤油と区別するため、
「丸大豆」という名称が用いられている
(脱脂加工大豆に対し、丸のままの大豆で「丸大豆」)

 

大豆の種類

丸大豆

そのままの大豆

脱脂大豆

大豆から、油分を取り除いたもの

脱脂加工大豆

脱脂大豆を醤油作りに適した状態に加工したもの
(平べったい形状などにしたもの)

 

 

 

大豆油と醤油製造

醤油は、その製造過程において、
最終的に大豆から出た油分を取り除く

この油分をあらかじめ取り除いた醤油の製造法が
脱脂加工大豆を用いた製造法

現代の一般的な大量生産品の醤油の多くは、
脱脂加工大豆を用いた製造法が用いられている

 

 

 

「丸大豆醤油」と「一般的な醤油」の違い

これらの違いは、大豆中の油分を
製造過程で取り除くか、あらかじめ取り除いておくか
(いずれの醤油も最終的には油分が抜かれる)

処理の手間を考えた場合は、
あらかじめ油分を抜いている方が扱いやすい

この製造法の違いにより、主に「風味」に差が出る
• 「丸大豆」を用いた醤油はまろやか
• 「脱脂加工大豆」を用いた醤油はスッキリ

 

 

丸大豆醤油の特徴

長い熟成期間が必要

大豆に含まれる油分は、その長い醸造中に
甘みのもととなるグリセリンなどに分解され、
醤油に溶け込み、まろやかな風味とコクを生み出す

ただし、丸大豆を用いた醤油が、
旨みなど味わいの面で特に優れているということはない

 

 

一般的な醤油の特徴

脱脂加工大豆は形状も平らにつぶされているなど、
吸水しやすく、分解されやすくできている

効率的にたんぱく質を分解することに適し、
キレのある風味とうま味のある醤油がつくられる

醤油のうまみ成分は主にタンパク質からくるアミノ酸なので、
油が含まれていなくても醤油をつくることができる

 

 

 

歴史

脱脂加工大豆の誕生

古来の醤油製造法における主原料は「丸大豆」

丸大豆には多量の油分が含まれており、
醤油のもろみを搾った上に浮かんでくるため、
それを取り除くという工程が行われていた

そこで、
丸大豆の油をあらかじめ取り除いた「脱脂加工大豆」が
考案され、それを用いた製法技術が確立され、
醤油製造法の主流となっていった

補足

取り出した大豆油も有効活用しやすくなり、
大きなメリットとなった

脱脂加工大豆による製法技術は、
第二次世界大戦下での物資不足により、
丸大豆が使えなくなったことから開発したとされる

 

丸大豆の台頭

丸大豆を用いた昔ながらの製法は、
一部でつくり続けられてきた

そして、1980年代頃から、
醤油本来のコクや香りが楽しめる
プレミアム商品的なものとして再び脚光を浴びる

醤油製造の大手メーカーなどでも
再び製造するようになり、現在に至っている

 

 

 

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