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海の中では昆布のダシは出ない

海の中では昆布のダシは出ない

昆布ダシの主成分である「グルタミン酸」は
細胞膜に包まれているため、自然には外に出ない
(グルタミン酸=旨味成分であるアミノ酸の一種)

ダシが出る状態になるには、細胞膜が壊れ、
グルタミン酸が細胞から出ないといけないが、
昆布の細胞膜は、自然環境では基本的に壊れない

海水を漂っている際は、昆布からダシは溶け出さない

 

昆布の細胞を壊す方法

• 乾燥させて、細胞の水分をなくす
• 70℃以上の熱湯に入れて、細胞を溶かす

などが必要になる

 

 

 

細胞の性質「選択透過性」

昆布の細胞には、選択透過性という性質がある

選択透過性とは、必要なものを外から取り入れ、
不必要な物は外に出すという働き

「グルタミン酸」は、昆布に必要な成分なので、
細胞から自然に外に出ることはない

 

 

 

乾燥した昆布の利点

• ダシが抽出しやすい
• より旨味(グルタミン酸)が凝縮される
• 保存性が高まる

 

ダシが抽出しやすい

ダシを取る場合、
できるだけ細胞膜が壊れたものを用いることで、
たくさんのグルタミン酸を短時間で抽出できる

乾燥させることは細胞膜を壊すのに有効な手段で、
ダシが抽出しやすくなる

 

グルタミン酸が濃縮される

生の昆布は水分量も多いため、
ダシを取ろうとしても、昆布の水分が邪魔をする

昆布を乾燥させることで、余分な水分を除去し、
グルタミン酸を凝縮させることができる

 

保存性が高まる

生では腐敗が早いため、
乾燥させることで長期の保存を可能にする

 

 

 

温度による細胞膜の破壊

極めて低温や高温になってしまうことでも、
細胞膜はダメージを受けてしまい、
グルタミン酸が流出しやすくなると言われる

そして、
水よりもお湯の方が、グルタミン酸が溶け出しやすい

 

 

 

寿命を迎えた昆布からダシは出る?

昆布の種類にもよるが、海の中での昆布の寿命は、
大半が2~3年ほどで、長いものでも5年ほど

寿命を迎えると、バクテリアなどによって
グルタミン酸などの成分も分解されていくとされる

このため、寿命を迎えた昆布から
ダシが海に溶けだすということはないと考えられる

 

 

 

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