胡椒(こしょう)
コショウ科のつる性植物であるコショウの木の実
球形の実(直径5~6mm)複数個が
房状に垂れさがって成る
この実を塩漬けや乾燥などして「香辛料」とし、
細かく砕いたりなどして料理に加えたり、
粒のままのものを料理に添えたりして利用される
産地
インド南部など熱帯アジアが原産とされ、
熱帯各地で栽培される
胡椒の種類
胡椒の果実は未成熟のものは緑、完熟すると赤くなる
この胡椒の収穫時期や製法の違いにより4種類ある
(ピンクペッパー②は胡椒ではない)
•【ブラックペッパー(黒胡椒)】
「未熟」の胡椒の実を「皮ごと」乾燥
•【ホワイトペッパー(白胡椒)】
「完熟」の胡椒の実を「皮を取り」乾燥
•【グリーンペッパー(青胡椒・緑胡椒)】
「未熟」の胡椒の実を「塩漬け」や「凍結乾燥」
•【ピンクペッパー①(赤胡椒)】
「完熟」の胡椒の実を「皮ごと」乾燥
•【ピンクペッパー②(胡椒ではない)】(※)
コショウボクの実などを「皮ごと」乾燥
(※)ピンクペッパーは、
胡椒とは異なる植物の実が使われていることがある
補足
日本で馴染みのある「テーブルコショー」は、
「ブラックペッパー」と「ホワイトペッパー」を
細かく粉末状にして混ぜ合わせたもの
ブラックペッパー(黒胡椒)
完熟する前の胡椒の実を乾燥したもの
製法
未熟の緑色の胡椒の実を収穫し、
皮の付いたまま天日に干すなどして乾燥させる
(この過程で、色が黒色に変化する)
特徴
辛味成分や香り成分を豊富に含んでいるため、
香りや辛みが強く感じられる
(香ばしい香りは食材の臭みを消す)
利用
• 料理の下ごしらえや味付けに最適
(牛肉や豚肉などの肉料理)
• 風味や色が落ち着いた料理のアクセントに用いる
(ポテトサラダ、スパゲッティカルボナーラなど)
ホワイトペッパー(白胡椒)
完熟した胡椒の実の皮を取って乾燥したもの
製法
赤く完熟した胡椒の実を収穫し、
水に浸して皮を取り、天日などで乾燥させる
特徴
ブラックペッパーに比べ、辛み・香りが少ない
(マイルドな辛みとやわらかな風味)
利用
• 色の薄い料理の色合いを変えたくない場合に用いる
(クリームシチュー、ホワイトソースなど)
• 淡泊な素材を使う料理に用いる
(白身魚、鶏肉など)
グリーンペッパー(青胡椒・緑胡椒)
完熟する前の胡椒の実を収穫したもの
グリーンペッパーは主に2種類ある
• 塩漬けにしたもの
• フリーズドライ(凍結乾燥)したもの
黒胡椒や白胡椒と異なり鮮度が重視されるため、
主に塩漬けなどで加工される
製法
【塩漬け】
完熟する前の緑色の胡椒の実を収穫し、皮ごと塩漬け
【フリーズドライ】
完熟する前の緑色の胡椒の実を収穫し、
皮ごとフリーズドライ(凍結乾燥)する
特徴
マイルドで爽やかな香りと辛み
利用
• 彩りとして使われることが多い
• 魚料理や肉料理に添えて用いる
ピンクペッパー(赤胡椒)
赤く熟した胡椒の実
製法
赤く熟した実を収穫し、
皮ごと塩漬けしたり、皮ごと乾燥したりなど
特徴
赤胡椒は、マイルドな辛みでフルーティーな香り
利用
• トッピング、デコレーション、彩りとして用いる
(鮮やかな赤い色を活かして料理・スイーツに使用)
• 風味のアクセントに用いる
(カルパッチョ、フレーバーティー、ビールなど)
ピンクペッパー(胡椒ではない)
胡椒ではない植物の赤く色づいた実
(コショウボクの実、ナナカマドの実など)
製法
ピンクペッパー(赤胡椒)と同様
特徴
コショウボクの実は、辛みはほとんどなく、
爽やかな香りの中に、ほんのりとした甘みと酸味
利用
ピンクペッパー(赤胡椒)と同様