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「世界遺産」種類、誕生の経緯、登録の流れ、負の世界遺産

世界遺産(World Heritage)

1972年のユネスコ総会で「世界遺産条約」が採択された
(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)

この条約に基づいて世界遺産リストに登録された、
遺跡、景観、自然など、顕著な普遍的価値を持つ物件
(移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象)

2014年には世界遺産の登録件数が1,000件を突破
その時点での条約締約国は191か国

 

 

 

世界遺産の種類

世界遺産の種類は大きく3つに分けられ、
「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」がある

 

文化遺産

顕著な普遍的価値をもつ建造物や遺跡など
(タージ・マハル、ケルン大聖堂など)

 

自然遺産

顕著な普遍的価値をもつ地形や生態系、
絶滅のおそれのある動植物の生息地など
(ガラパゴス諸島、イグアス国立公園など)

 

複合遺産

文化遺産、自然遺産の両方の価値をもつもの
(メテオラ、マチュピチュの歴史保護区など)

 

 

 

世界遺産条約誕生の経緯

1946年

国際連合教育科学文化機関「UNESCO」設立

1954年

ハーグ条約が採択され、
武力紛争の際にも文化財などに対する破壊行為を
行うべきでないことが打ち出された

1960年代

「UNESCO」は、
ナイル川流域のヌビア遺跡が、ダムの建設によって
水没の危機にさらされることを懸念し、救済するため、
遺跡群を移築して保存する運動を行った

そして移築は実現され、これがきっかけとなり、
国際的な組織運営によって歴史的価値のある遺跡や
建築物等を開発から守ろうという動きが始まった

1972年

第17回ユネスコ総会における「世界遺産条約」が採択
(世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約)

翌年アメリカ合衆国が第1番目に批准、締結し、
20か国が条約締結した1975年に正式に発効

1978年

第2回世界遺産委員会で、
アメリカのイエローストーン国立公園や
エクアドルのガラパゴス諸島など「12件」が、
初めて世界遺産として登録された

 

 

 

世界遺産登録までの流れ

【①条約締約国の推薦】
国内の世界遺産候補物件リスト(暫定)の中から
条件が整ったものを世界遺産委員会に推薦

【②専門機関による調査】
文化遺産は「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)」
自然遺産は「国際自然保護連合(IUCN)」が調査

【③世界遺産の新規登録】
専門機関からの報告書をもとに
世界遺産委員会によって世界遺産登録を判断・決定

 

補足

世界遺産リストへの推薦は、
各国の関係機関しか行うことはできない

日本で主に担当するのは、
• 文化遺産候補➝「文化庁」
• 自然遺産候補➝「環境省、林野庁」

これらに、
文部科学省、国土交通省なども含めて構成される
「世界遺産条約関係省庁連絡会議」で推薦物件が決定

 

 

 

負の世界遺産

世界遺産のうち、人類が犯した悲惨な出来事を伝え、
そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなるもの

ユネスコが公式に分類をしているわけではなく、
明確な定義は存在しない

 

負の遺産とされるもの

• 原爆ドーム
(原子爆弾の悲惨さを今に伝える被爆建造物)

• アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所
(ナチスにより最大級の犠牲者を出した強制収容所)

• ゴレ島
(奴隷貿易の拠点であった)

など

 

 

 

日本ユネスコ協会・世界遺産活動
http://www.unesco.or.jp/isan/

 

 

 

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