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「酢(Vinegar)」の種類・つくり方

酢(Vinegar)

酢酸を3〜5%程度含んだ酸味のある液体調味料

特徴

酢は殺菌力が強く、細菌の繁殖を抑える効果がある
(酢に浸した食品は保存が効く)

きずし、酢漬けなどとして利用される

製法

一般的には、
穀物または果実など糖質を含む原料から
アルコール発酵させて醸造酒を製造し、
酢酸菌を加えるなどして酢酸発酵させてつくられる

 

 

 

酢の種類

原料や製法から、
醸造酢」と「合成酢」に大別される

家庭用として使われているものは、
ほとんどが「醸造酢

醸造酢(じょうぞうす)

• 醸造によってつくった酢
• 科学的に合成したものを含んでいない

合成酢

• 醸造を必要としない酢
• 科学的に合成した酸味成分に調味料などを混ぜたもの

 

 

醸造酢

穀物や果実などの原料を酢酸発酵させてつくる酢

原料により「穀物酢」「果実酢」などに分類される

 

穀物酢

米、麦、コーンなどの穀物からつくられる酢

米酢(こめず・よねず)

米を主原料にした酢

純米酢

米酢のうち、原料のすべてを米とするもの
もしくは国内産のお米だけを使用したもの

黒酢

玄米や大麦を主原料にした酢

(かめ)や壷(つぼ)に詰めて長期間熟成・発酵させる
(発酵・熟成によって褐色又は黒褐色になる)

香醋(こうず)

中国産の黒酢

一般的にはもち米を主原料にした酢
(そのほか玄米、コーリャン、麦、雑穀など)

粕酢(かすず)

酒粕を主原料にした酢
熟成した酒粕を水で抽出し、酢酸発酵させた酢

熟成を経て色づいたものは「赤酢」とも呼ばれる

麦芽酢(モルトビネガー)

大麦、小麦、ライ麦などの麦芽からつくった酢

大麦のみ使用したものに「大麦黒酢」がある

 

果実酢

りんご、ぶどうなどの果実からつくられる酢

りんご酢(シードルビネガー)

りんごの果汁を主原料にした酢

ぶどう酢(ワインビネガー)

ブドウの果汁やワインを主原料にした酢

バルサミコ酢

イタリア産の高級ぶどうを主原料にした酢
(高級ワインビネガー)

数年~数十年など熟成してつくられる

柿酢

熟した柿の実をつぶし、自然発酵させたもの

 

醸造酢

醸造酢のうち、穀物酢や果実酢に含まれないもの

トマト酢

トマトを主原料とした酢

 

 

合成酢

科学的に合成した酢酸や氷酢酸を水で薄め、
醸造酢、糖類、調味料などを加えてつくる酢

合成酢は発酵、熟成過程をふまないため、
醸造酢のような効能はなく風味も劣る

 

 

 

その他「酢」の名がつくもの

蒸留酢

麦芽酢などを蒸留し、揮発性物質よりつくったもの

 

合わせ酢

酢の種類ではなく、酢に他の調味料を合わせたもの
「すし酢」「甘酢」「二杯酢・三杯酢」などがある

すし酢

砂糖、塩、みりんなどで調味した酢。酢飯に用いる

甘酢

砂糖などを加えた酢

二杯酢・三杯酢

【二杯酢】
酢としょうゆを合わせたもの

【三杯酢】
酢、しょうゆ、みりんを合わせたもの

 

ぽん酢

柑橘類の果汁を原料とし、
醸造ではなく、果汁の酸味が効いた調味料

酸味の主体は酢酸ではなくクエン酸
(このため、厳密には酢の一種ではない)

 

 

 

製法

つくり方の基本は
「酒をつくる工程の後に、酢酸発酵を加える」

 

①. 糖化・酒精発酵(酒をつくる)

1)原料に麹菌など酵素を加え「糖化」させる
(酵素の働きで原料の成分が糖に変わる)

2)酵母を加え「酒精発酵」させる
(糖をアルコール発酵して酒をつくる)

3)できあがった酒をろ過する

 

②. 酢酸発酵(酒を酢に変える)

ろ過した酒に酢酸菌を加える
(アルコール成分が、酢酸に変わる)

 

③. 熟成

長期間ねかせて熟成
(発酵が終わったお酢の味を整える)

熟成期間は早ければ数カ月、長いものだと数年
(長い年月を寝かせた酢は濃厚で芳醇な味わい)

 

④. ろ過、殺菌

ろ過、殺菌を行う

 

 

 

その他の製法

オルレアン製法

希釈したワインを空間を残して樽に詰め、
酢酸菌膜を加えて緩やかに発酵させる

滴下方式

多孔質の素材に酢酸菌を付着させ、
そこにワインを繰り返し注ぎ酢酸菌を働かせる方法

 

 

 

歴史

酢は紀元前5000年のメソポタミア南部において、
すでに利用されていたと考えられている

デーツ(ナツメヤシ)や干しブドウを利用して
酢をつくっていたとされる

日本にお酢の醸造技術が伝わったのは、
西暦200年頃や4~5世紀頃とされる

 

 

 

「vinegar(英)」の語源

「vinegar(ビネガー)」の語源は、
フランス語の「vinaigre(ビネーグル)」

「vin(ワイン)」+「aigre(すっぱい・酸味)」
(お酒がすっぱくなったもの、という意味)

ワインを貯蔵しておいたら発酵してお酢になった、
ということから生まれた言葉とされる

 

 

 

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