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「信書」を送達できるのは郵便局だけではない

信書の送達

信書」とは、手紙や領収書、証明書などの書類

信書の送達は、かつては郵便法において
日本郵政(郵便局)の独占事業となっていたが、
郵政民営化に伴い、民間事業者も事業参入可能となった
(参入には条件を満たし、総務大臣の許可が必要)

信書に関する郵便事業には、
一般信書便」と「特定信書便」がある

 

信書送達に関する郵便法と信書便法

郵便法では「第4条(事業の独占)」において、
日本郵便以外の事業者の信書送達を原則禁止している

しかし、
2003年の郵政民営化にあたり施行した
「民間事業者による信書の送達に関する法律」(信書便法)
により、民間事業者も信書便事業への参入が可能になった

関係する条文は「信書便法・第3条(郵便法の適用除外)

 

信書送達と民間企業

一般信書便の送達

軽量・小型の信書便物を扱う「一般信書便」は、
参入条件が厳しく、新規参入が難しいため、
事実上、日本郵政の独占事業となっている

特定信書便の送達

特定信書便」の許可を得ている事業者は多数存在する
(許可を得ている事業者は全国で500者を超える)

 

 

 

信書便事業の種類

信書便事業は、2種類

• 一般信書便事業(全国全面参入型)
• 特定信書便事業(特定サービス型)

 

 

一般信書便事業

軽量・小型の信書便物の
配達サービスの提供を必須として、
全ての信書の送達が可能な事業

 

一般信書便役務

• 長さ40cm以下、幅30cm以下、厚さ3cm以下
  かつ、重量250g以下の信書便物を送達するもの

• 原則3日以内に信書便物を送達するもの

(「信書便法・第2条4項」より解釈)

 

 

特定信書便事業

付加価値の高い特定の需要に
対応するサービスを提供する事業

3種類(1号~3号役務)に大別され、
いずれかの役務を遂行する事業
(自由に組み合わせることも可能)

 

特定信書便事業役務

【1号役務】(大型)
長さ、幅及び厚さの合計が73cmを超える、
又は重量が4kgを超える信書便物を送達するもの

【2号役務】(急送)
信書便物が差し出された時から
3時間以内に当該信書便物を送達するもの

【3号役務】(高額)
料金の額が800円を下回らない範囲内において
総務省令で定める額を超えるもの

総務省令で定める額=国内の送達では800円

(「信書便法・第2条7項」の解釈と総務省の案内より)

 

 

 

信書便事業への参入条件

「一般信書便事業」および「特定信書便事業」には、
それぞれ参入条件があり、それらの参入条件を満たし、
総務大臣の許可を得ることで参入可能となる

 

 

一般信書便事業の参入条件

• 事業計画が信書便物の秘密を
保護するため適切なものであること

全国へ一定数の信書便差出箱の設置
(信書便差出箱=郵便ポストに相当するもの)

• 1週間につき6日以上の配達を行うことができる
(祝日、週1回定休日を除き、1日1回以上の配達)

• 事業を適確に遂行するに足る能力を有する
(3日以内の送達など)

(「信書便法・第9条、施行規則・第9、10条」の解釈)

 

補足

信書便差出箱の設置」に関しては、
区域や市町村の人口に伴う倍率に、人口を乗じた数の
新規参入者による全国への設置」が必要となる

倍率は小さいものでも「0.0005」、
全国の人口を「1億人」として見積もったとしても、
「1億×0.0005=5万」➝最低でも5万台の設置が必要

 

 

特定信書便事業の参入条件

• 事業計画が信書便物の秘密を
  保護するため適切なものである

• 事業を適確に遂行するに足る能力を有する
(1号~3号役務のいずれかでも)

(「信書便法・第9条」の解釈)
一般信書便物に関する部分以外

 

 

 

貨物内の信書の扱い

「貨物」の中に、主体となる「貨物」があって、
それに関連する信書を、封をせずに一緒に送るのは可能
(信書が主体だったり、封がされている場合は不可)

 

関係する法令

運送営業者は、その運送方法により
他人のために信書の送達をしてはならない

ただし、
貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、
この限りでない

(「郵便法・第4条3項」より抜粋)

 

運送可能な信書の例

• 実家からの仕送りの貨物の中のメモ書き

• 貨物の中に添える挨拶状
(貨物に関係のない挨拶状は不可)

• 通販商品などの貨物に添えられた貨物の納品書

など

 

添え状

(当該貨物に従として添えられるもの)

送付される貨物の目録や性質、使用方法等を説明する文書
及び当該貨物の送付と密接に関連した次に掲げるもの

①. 貨物の処理に関する簡単な通信文
②. 貨物の送付目的を示す簡単な通信文
③. 貨物の授受又は代金に関する簡単な通信文
④. 貨物の送付に関して添えられる簡単なあいさつ
⑤. その他、①~④までに掲げる事項に類するもの

 

送り状

送付される貨物の種類、重量、容積、
荷の情報、受取人、差出人の住所・氏名など、
当該貨物の送付に関する事項が記載されたもの

 

 

<参考資料>
総務省資料
「信書の定義について(平成25年10月24日)」
「5 貨物に添付する無封の添え状・送り状について」

 

 

 

信書が送れない日本郵政のサービス

日本郵政においても全てのサービスにおいて
信書の送達が可能なわけではない

 

信書送達不可のサービス

• ゆうパック
• ゆうメール
• ゆうパケット
• クリックポスト
(2018年時点でのサービス、およびサービス名)

ただし、これらのサービスでも、
内容物に関する無封の添え状、送り状は送達可能

 

 

 

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