こんにゃく(蒟蒻:konjac)
サトイモ科コンニャク属の多年生植物のこと
または、その地下茎である
「こんにゃく芋」からつくられるもの
原産はインドまたはインドシナ半島といわれる
国内での生産は群馬県が9割ほどを占める
補足
こんにゃく(植物)のことを英語では、
その咲いた花の様子から
「devil’s tongue(悪魔の舌)」という
日本には6世紀頃に仏教とともに
中国より伝わったとされる説もあるが、
はっきりとした起源はわかっていない
こんにゃく(食用)の特徴
食用に加工したこんにゃくの成分は95%以上が水分、
それを除いた主成分はグルコマンナン
(グルコマンナンは多糖類の一種)
グルコマンナンは、こんにゃくの主成分なので
「コンニャクマンナン」とも呼ばれる
コンニャクマンナンは、
ヒトの消化器官ではほとんど消化されず、低カロリー
(こんにゃくのカロリーは「100g当り5~7kcal」ほど)
そのため一度に食べ過ぎると、下痢などを
起こす場合もあるが、便秘解消などに良いとされる
コンニャクマンナンの性質
コンニャクマンナンはアルカリ性物質を加えると
固まる性質があるとされる
一旦凝固させると、
水溶性を持たず、強い弾力の食感になる
凝固に用いるアルカリ性物質
• 消石灰(水酸化カルシウム)
• 炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム)
など
古くは草木灰(草木を燃やしてできた灰)
を使用していたとされる
こんにゃく芋の栽培
種芋(タネイモ)を植えて成長させ増やすが、
食材として適した大きさに育つには3~4年が必要
①. 春にタネイモを植え成長させ、秋に収穫
②. 収穫したものを寒さなどから保護して保管
③. 次の春に植え、さらに成長させて秋に収穫
これを3年ほど繰り返す
こんにゃくの製法
古くからの製法は、こんにゃく芋を生のまま、
あるいは茹でて皮をむき、すりおろしたものを使う
現在主流の江戸時代に確立したとされる製法は、
こんにゃく芋を薄く切って乾燥させ、
細かい粉にしたものを使う
これらを50~70度の湯に混ぜ合わせたあと、
アルカリ性溶液を混ぜ合わせて、
型箱に入れてかためてつくる
こんにゃく芋のアク
食品における「アク」とは、
食物に含まれるえぐ味、渋味、苦味など
不快で不要とされる成分の総称
こんにゃく芋は、強烈なえぐ味があり、
素手で触るとかぶれることもあり、
そのまま茹でたり、焼いただけでは食べれない
こんにゃく芋のえぐ味の正体は、
シュウ酸やシュウ酸カルシウムなどで、
その微細な針状の結晶が皮膚に刺さるためとされる
アク抜き
シュウ酸やシュウ酸カルシウムは
下茹でする際にかなり取り除かれ、
精粉工程においてさらに大部分が取り除かれる
それでも取りきれない分や、
製造工程において発生したアクを取り除くために
最終工程で熱湯やさらし水によってアク抜きする
市販品によっては、アク抜きを十分にしておらず、
購入者において使用前にアク抜きする必要がある
(その場合、基本的に注意書きで記載されている)
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