「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の違い
【強力粉】
• 主に「硬質小麦」が用いられる
• グルテンとなる成分が多く、弾力が強くなる
• 用途はパン、ピザ生地、中華麺など
【中力粉】
• 主に「中間質小麦」「軟質小麦」が用いられる
• 強力粉と薄力粉の中間くらいの性質
• 用途はうどん、そうめんなど
【薄力粉】
• 主に「軟質小麦」が用いられる
• グルテンとなる成分が少なく、弾力が弱くなる
• 用途はケーキ、お菓子など
小麦粉
小麦を挽いて粉にしたもの
日本には小麦粉の明確な定義や規格はない
俗称として、
「うどん粉」「メリケン粉」とも呼ばれる
小麦粉の成分
• 「炭水化物」…70~80%
• 「たんぱく質」…10%前後
• その他
(水分、脂質、灰分、ビタミン、ミネラルなど)
グルテン
小麦のたんぱく質の約85%は、
グルテニン、グリアジンという小麦特有の成分
小麦粉に水を加えてこねると、
グルテニン、グリアジンが絡み合って
「グルテン」となり、粘りと弾力性が生まれる
「グルテン」が多いと粘り、弾力が強く、
少ないと粘り、弾力が弱くなる
小麦粉の種類
主にたんぱく質の含有量で分類すると、
「強力粉」「中力粉」「薄力粉」
強力粉と中力粉の間を
「準強力粉」とする場合もある
粒の大きさ
小麦粉の粒の大きさは、
主に原料である小麦の「硬さ」に準ずる
•「中力粉」…やや細かい(主に中間質や軟質小麦)
•「薄力粉」…細かい(主に軟質小麦)
ただし、単純に薄力粉だから全て細かく、
強力粉だから全て粗いというわけではない
(その大きさの粒の割合が多い)
強力粉(きょうりきこ)
• たんぱく質の割合が約12%以上
(グルテンとなるたんぱく質が多い)
• 粒度が粗く、サラサラしている
• 主に「硬質小麦」を原料とする
(アメリカ産、カナダ産など)
特徴
グルテンによる弾力性、粘りが強い
(コシがあり、もっちりした触感になる)
用例
• パン、中華麺、パスタ
• ピザ生地、中華まんの皮、餃子の皮
など
中力粉(ちゅうりきこ)
• たんぱく質の割合が9%前後
(「強力粉」と「薄力粉」の中間の性質を持つ)
• 主に「中間質小麦」「軟質小麦」を原料とする
(オーストラリア産、国内産など)
• 代表的なものは「うどん」
(中力粉は「うどん粉」と呼ばれることもある)
特徴
粘性や弾力性においても
「強力粉」と「薄力粉」の中間ほど
用例
• うどん、そうめん、冷や麦
• お好み焼き、たこ焼き、餃子の皮
• フランスパンなどのハード系のパン
など
薄力粉(はくりきこ)
• たんぱく質の割合が8.5%以下など
(グルテンとなるたんぱく質が少ない)
• 粒度が細かく、しっとりしている
• 主に「軟質小麦」を原料とする
(アメリカ産など)
特徴
水と合わせたときに適度にやわらかく、
グルテンによる弾力性、粘りが少ない
用例
サクっとした軽い食感や
ふんわりとした柔らかいものに適す
• クッキー、ケーキなどの菓子類
• 天ぷらや唐揚げの衣(調理用粉)
• 生パスタ
など
その他の小麦の粉
全粒粉
通常の小麦粉は、
表皮や胚芽を取り除いて製粉するが、
小麦の粒をまるごと挽いたものが「全粒粉」
(食物繊維、ミネラル、ビタミンに富む)
用途は、主にパン、お菓子など
グラハム粉
全粒粉の一種
小麦を胚乳と表皮および胚芽に分け、
胚乳は細かく挽き、表皮と胚芽は粗く挽いて
両方を混ぜ合わせたもの
小麦を粉砕しただけで、ふるい分けしてないもの
セモリナ粉
粒子の粗い粉(210μmのふるいに残留する粉)
(粒度が比較的細かいものが「小麦粉」)
デュラムセモリナ
硬質小麦の一種の「デュラム小麦」を
セモリナ粉(粗挽き)にしたもの
たんぱく質の量が多く、粘りの強いグルテンになる
主にパスタ用の小麦粉として用いられる