「山芋」「長芋」「自然薯」の違い
【山芋(やまのいも)】
自然薯や長芋などの総称(品種名ではない)
【自然薯(じねんじょ)】
流通量が少なく希少価値の高い日本原産の山芋
すりおろすと風味がよく、強い粘り気がある
【長芋(ながいも)】
最も一般的に流通している山芋
水分が多めで、すりおろした際の粘り気は弱い
山芋(やまのいも)
ヤマノイモ科ヤマノイモ属に分類される
「自然薯、長芋、大和芋」などの総称
「山芋」という品種名の芋は存在しない
もとは山に自生する自然薯のことを指したが、
長芋なども山芋と呼ぶようになったとされる
「山芋」の様々な捉えられ方
• 自然薯の別名
• ヤマノイモ科の芋の総称
• 自然薯や大和芋など「粘り気の強い芋」の総称
山芋によるかゆみ
山芋に含まれる「シュウ酸カルシウム」の結晶が
皮膚などに刺さるとかゆみを感じる
自然薯(じねんじょ)
日本原産で、天然物が全国の山野に自生する
もとは山野に自生していたものを収穫していたが、
栽培方法が開発・改良され、農家などにおいても
計画的に栽培することができるようになった
特徴
細長い棒状で、
長さは「60cm〜1m」ほどに伸びる
天然物の場合は収穫までに3〜4年ほどかかる
(栽培物の場合は、1~3年ほどで収穫される)
自生している場所を探すのも大変で、
収穫の際も傷つけないような技術と手間がかかり、
たくさん収穫できないので、流通量も少ない
食物としての特徴
• すりおろすと、非常に強い粘り気がある
• 独特の甘みがあり風味がよい
• 水分が少なく、濃厚な味わい
用例
すりおろして「とろろ」にするのが一般的
(粘り気が強いのでダシで伸ばしたりする)
長芋(ながいも)
中国原産で、中国から伝わったものとされる
(日本古来のものだという説もある)
最も一般的に流通している山芋であり、
栽培方法も比較的簡単
「長芋」という分類の中に、
「大和芋、いちょう芋、つくね芋」
などが含まれたりする
特徴
細長い棒状で、長さは「50〜80cm」ほど
山芋は温暖な気候での栽培が適しているが、
その中でも長芋は、寒冷地での栽培が可能で、
1年を通して収穫される
(主に青森や北海道などで栽培される)
食物としての特徴
水分量が多く、すりおろした際の粘り気は少なめ
用例
• すりおろして「とろろ」として食べる
• ソテーや揚げ物として調理
• 短冊切りにして食す
(そのまま食したり、サラダに加えたり)
大和芋(やまといも)
「長芋」の分類に入る芋
関東と関西では「大和芋」と呼ぶ芋の種類が異なる
• 関東で言う大和芋➝「銀杏芋(いちょういも)」
• 関西で言う大和芋➝「捏芋(つくねいも)」
銀杏芋(いちょういも)
ひとつひとつ形が異なる
細長い形状のものや先端がげんこつ型のものもあるが、
いちょうの葉の様な形をしたものも多いことから、
「いちょう芋」と呼ばれる
主な産地は群馬など関東地方
食物としての特徴
すりおろすと強い粘り気があるが、
つくね芋と比べると少し弱く、
長芋とつくね芋の中間くらいの粘り気
用例
• すりおろして「とろろ」として食す
• すりおろして「お好み焼きのつなぎ」にする
• ソテーや揚げ物として調理
捏芋(つくねいも)
げんこつのような形をした芋
主な産地は奈良などの関西地方
食物としての特徴
コクがあり、すりおろすと強い粘り気がある
用例
すりおろして「とろろ」として食されることが多い