「スローフォワード」「ノックオン」
「スローフォワード」や「ノックオン」は、
手でボールを前に投げてはいけないという
ラグビーの特徴的なルールに沿った反則
前方へのパス➝「スローフォワード」の反則
ボールを前方に落とす➝「ノックオン」の反則
いずれも故意でなければ「軽い反則」という位置づけ
(故意であれば「重い反則」として罰も重くなる)
アドバンテージ
相手側がボールを得る場合、
そのまま相手側のチャンスになることも多い
そのため、レフリーの判断により、
すぐに反則を取らずにアドバンテージが適用され、
プレーが継続するケースも多く見られる
スローフォワード(throw forward)
「ボールを前方に投げる、またはパスする」という反則
(前方=相手側のデッドボールラインの方向)
「throw=投げる」「forward=前方に」という意味合い
ラグビーの基本「ボールを前に投げてはいけない」
というルールに反する、そのものと言える反則
詳細
「前方に」とは、体の向きに対してではなく、
「目指すゴールの方向に」という意味
厳密には、パスするプレーヤーの両腕が
相手側のデッドボールラインの方向へ動いていること
(片手でも前に動いてパスすればスローフォワード)
この判断はレフリーによって行われるため、
レフリーの能力が問われるところでもある
(トライにからむ場合、映像で確認する事もある)
難しい判断の例
例えば、走りながら横にボールを投げれば、
慣性の法則でボールは前に進むが、
腕の動きが前方へ動いていないので反則にはならない
スローフォワード後の再開方法
基本的には反則が起こった地点での
相手ボールの「スクラム」でプレー再開
ただし、以下の場合は少し違う状況で再開される
(いずれも、ボールは相手側チームボールとなる)
ゴール前5m、インゴール
ゴールラインから5m以内の地点、もしくは
インゴール内でスローフォワードが起こった場合
➝落とした場所から縦のラインの延長線上で、
ゴールラインから5mの位置での「スクラム」
(スクラムゾーンでしかスクラムはできないため)
ラインアウト
ラインアウトでスローフォワードが起こった場合
➝タッチラインから15mの位置での「スクラム」
スローフォワードしてタッチに出た場合
スローフォワードをして、そのままタッチに出た場合
相手チームは次の3つから再開方法を選択
• ボールを前に投げた地点での「スクラム」
• タッチラインを超えた地点での「ラインアウト」
• 「クイックスローイン」
故意のスローフォワード
故意にスローフォワードを行なったと
レフェリーが判断した場合
相手チームの攻撃を防ぐために、
相手チームのパスを前方に弾いた場合などが該当
➝相手側に「ペナルティ」の行使権が与えられる
ペナルティを得た場合の選択肢
• 「ペナルティゴール」
• マイボールの「スクラム」
• その場で「軽くキック」してリスタート
• 「タッチキック」からのマイボールラインアウト
(タッチキック=タッチに直接蹴り出すこと)
スローフォワードにならないケース
手で投げていなければ良い
キックや、頭・肩・胸などに当たったボールが
前方に飛んでもスローフォワードにはならない
真横へのパス
真横へのパスはスローフォワードにならない
前方へのバウンド
後方に投げたボールが人や地面に当たりバウンドし、
前方に進んだ場合はスローフォワードにならない
(後方に投げた時点で「後ろへのパス」が成立)
ノックオン(knock on)
「ボールを前方に落とす」という反則
(前方=相手側のデッドボールラインの方向)
「Knock」には、叩くという意味がある
ラグビーの試合で最も頻繁に起こる反則
該当となるプレー
• 持っているボールを前方に落とす
• 手や腕でボールを前方へたたく
• 手や腕に当たったボールが前方に落ちる
(キャッチし損ねて落としてしまっても反則)
詳細
「前方に」とは、体の向きに対してではなく、
「目指すゴールの方向に」という意味
(相手側のデッドボールラインの方向)
ノックオン後の再開方法
基本的には反則が起こった地点での
相手ボールの「スクラム」でプレー再開
ただし、以下の場合は少し違う状況で再開される
(いずれも、ボールは相手側チームボールとなる)
ゴールライン前5m、インゴール
ゴールライン前5mやインゴール内で
ノックオンが発生した場合
➝落とした場所から縦のラインの延長線上で、
ゴールラインから5mの場所で「スクラム」
(スクラムゾーンでしかスクラムはできないため)
タッチライン際
タッチライン際でノックオンした場合
➝タッチラインから5m離れた地点からの「スクラム」
(スクラムゾーンでしかスクラムはできないため)
ラインアウト
ラインアウトでノックオンになった場合
相手側チームが以下のいずれかを選択
• タッチラインから15mの地点での「スクラム」
• 「ラインアウト」で再開
故意のノックオン
プレーヤーがボールをキャッチする意思がなく、
はたくことや無理にカットすることにより、
故意のノックオンとレフリーに判断された場合
➝ミスでは無くプレーを妨げたとみなされ、
相手側に「ペナルティ」の行使権が与えられる
ペナルティを得た場合の選択肢
• 「ペナルティゴール」
• マイボールの「スクラム」
• その場で「軽くキック」してリスタート
• 「タッチキック」からのマイボールラインアウト
(タッチキック=タッチに直接蹴り出すこと)
ノックオンにならないケース
手や腕以外の部分
手や腕以外の頭、肩、胸、背中、脚など
に当たった場合はノックオンにはならない
落ちた位置が真横や後ろの場合
ボールを落とした位置が「真横」や「後ろ」
であればノックオンにはならない
ちなみに、ボールを後方に落とすことは
「ノックバック」と言う
相手にもぎ取られたボール
相手にボールをもぎ取られて、
ボールが前方に落ちてしまった場合
もぎ取った相手が後方にボールを落とした
という判断になり、ノックオンにはならない
ドロップキックの場合
ドロップキック(ワンバウンドさせてキック)
という明確な意図のもとでバウンドさせたものは
ノックオンにはならない
空振りしたとしてもノックオンにならない
チャージダウンの場合
チャージダウンとは、相手のキックを防ぐため、
両手を挙げて相手にプレッシャーを与えること
相手プレーヤーがキックしたボールを
キックと同時または直後にチャージし、
チャージダウンとみなされた場合
相手の蹴ったボールが手や腕に当たり、
前方に落ちたとしてもノックオンにはならない