たまり醤油
大豆を主原料とした醤油
ほとんど大豆だけでつくられる
(小麦を用いることもあるが、用いても少量)
「たまり醤油」の国内生産量は全体の約2%程度
補足
一般的な醤油(こいくち醤油)の場合は、
大豆と小麦をほぼ等量ずつ用いてつくられる
主な生産地
東海~中部地方
(愛知県、三重県、岐阜県など)
そのほか九州地方など
たまり醤油の特徴
• とろりとしている
(一般的な醤油は、さらりとしている)
• 色が濃い
(一般的な醤油よりも濃い色合い)
• 味わいや香りが濃厚
(大豆のタンパク質によるうま味成分)
• 塩分濃度は約16%程度
(一般的な醤油と同程度)
伝統製法(天然醸造)
①. 大豆を蒸して味噌玉麹をつくり、
塩水に仕込んで重石をして熟成させる
②. 底に溜まった液を汲み出して対流させ(※1)
これを何度も繰り返し、1年ほど熟成させる
(長いものは3年ほど熟成させるものもある)
③. 最終的に底に溜まった液を
取り出したり、圧搾したりなどしてつくる
(※1)
たまり醤油のもろみは硬く撹拌が困難なので、
底に溜まった液を汲み出して対流させる方法をとる
用例
• 刺身、寿司のつけ醤油
• 煎餅やあられなどのつけ焼き用
• 照り焼き
• 佃煮
• うなぎや焼き鳥のたれ
など
歴史
たまり醤油の起源には諸説ある
【年代】
鎌倉時代やそれ以前 など
【場所】
現在の和歌山や愛知辺り など
いずれの説においても、
「味噌」から抽出されたものをきっかけとする
こいくち醤油ができる江戸時代中期頃までは
たまり醤油が主流で、通常用いられていたとされる
日本農林規格(JAS)による定義
「たまりしょうゆ」の定義
醤油のうち、
大豆もしくは大豆に少量の麦を加えたもの
又はこれに米等の穀類を加えたものを
醤油麹の原料とするもの
(「しょうゆの日本農林規格・第2条」より)