ボジョレ・ヌボー
(Beaujolais nouveau:仏)
毎年11月の第3木曜日午前0時に販売が解禁される
「フランスのブルゴーニュ地方ボジョレ地区」
で造られる新酒のワイン
「nouveau(ヌボー)」=新しいもの、新酒
意義
ボジョレ・ヌボーは
その年のブドウの質を確認するためのものでもある
味わい
フレッシュかつフルーティーであり、
軽めで渋みがほとんど無くやさしい口当たり
(初めてでも飲みやすいワインとされる)
輸入量
輸入量第1位は日本で、
生産量の約半分を占めた年もある
熟成
一般的なワインは熟成されることで味が良くなるが、
ボジョレ・ヌボーはそれ以上熟成しないので、
保存していても味が落ちていく
保存
それ以上熟成しない状態で出荷されるため、
長期保存に向かず、早く消費することが推奨される
その他の特徴
• 製造方法の影響により、僅かに炭酸ガスを含有
• 酸味とタンニン(渋み)が少なく、まろやかな味わい
• タンニンが少ないわりには色は濃い
ボジョレヌボーの発祥
20世紀半ばまではボジョレ周辺など
地元で飲まれるワインであったり、
ブドウの品質確認の試飲酒に過ぎなかった
1960年代頃から本格的な輸出が始まり
1970年代に世界中に広まっていった
ボジョレヌボーの解禁日
「毎年11月の第3木曜日」
解禁日はフランスの時間ではなく、
それぞれの国家の現地時間が対象となり、
11月の第3木曜日の午前0時に販売が解禁される
解禁日設定の由来
解禁日が設けられた理由は、
各メーカーがどこよりも早く出荷しようと
競い合いがエスカレートし、
品質の低下なども懸念されたためとされる
解禁日の由来
最初に設定された解禁日は「11月11日」
ボジョレ地区で最も収穫の早いワインが
出来あがる時期であった
その後11月15日に変更された
しかし、解禁日を固定すると、
年によっては業者や店舗の休日と同日になる事があり、
売上に影響が出るなどの懸念事項があった
➝1984年に「11月の第3木曜日」と設定された
ボジョレヌボーの製法
ボジョレ・ヌボーは、単なる新酒ではなく、
短期間でワインとして完成させなければならない
そのため、
「マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)」
という醸造方法によって、数週間で醸造される
マセラシオン・カルボニック
一般的に以下の2種類がある
• 自然に発生する炭酸ガスだけを利用する方法
• 炭酸ガスを外から注入する方法
ボジョレ・ヌボーでは、
自然発生の炭酸ガスだけを利用しているとされる
製法の大きな特徴
ブドウを未破砕のままタンクに入れる
ブドウを潰さずにそのまま密閉タンクに投入する
(通常のワイン製法はブドウを潰してから投入)
炭酸ガスの発生、酵素による発酵
タンクの下の方のぶどうは重さで潰れ、
果汁が流れ出て自然に発酵が始まる
発酵が始まると炭酸ガスが自然に生成され、
タンク内に炭酸ガスが充満していく
(炭酸ガスによって、果皮の色素が出やすくなる)
炭酸ガスやブドウの酵素によってリンゴ酸は分解され、
アルコール、アミノ酸、コハク酸などが生成される
(タンニンが少なく、まろやかな仕上がりになる)
ボジョレ・ヌボーの条件
ボジョレヌボーと認められるには、
フランス政府の「AOC(原産地呼称統制)」により
概ね以下の様な条件がある
【産地】フランス・ブルゴーニュのボジョレ地区
【時期】その年に収穫されたぶどう
【品種】ガメイ種
【製法】マセラシオン・カルボニック
【アルコール度数】9度以上
ボジョレ・ヌボーの白ワイン
ボジョレヌボーは「ガメイ種のブドウ100%」
ガメイ種からは
「赤ワイン」か「ロゼワイン」しか作れない
➝「ボジョレ・ヌボーの白ワイン」はない
(単にボジョレ産の白ワインはある)
ボジョレ・ヌボーの種類
ボジョレ地区で作られるワインは主に4つ
• ボジョレ(地方)
• ボジョレ・シュベリール(地区)
• ボジョレ・ヴィラージュ(村)
• クリュ・ボジョレ(畑)
作られる範囲が狭くなるほど規定が厳しくなり、
かつできるワインも高価になる
日本での動向
1976年
日本への航空便での輸入が開始された
1980年代後半
バブル景気に大きなブームになり、
バブル崩壊によりブームは終わる
1997年頃から
再び脚光を浴び、
バブル時代を上回る市場規模となった
(ニュースでも解禁の様子が伝えられるほど)
2009年から
ペットボトル型の商品が投入され、
より低コストな商品が打ち出されるようになった
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