白く濁った氷と透明な氷の違い
【白く濁った氷】
空気やミネラル分などの不純物が含まれている
(自宅で作った氷は白く濁ってしまう)
【透明な氷】
不純物がほぼ含まれていない純水の氷
(市販されている氷は透明で透き通っている)
白く濁った氷
氷が濁ってしまう主な要因は、
• 水に含まれる空気
これらが凍って固まると、白く濁る
➝純粋な水のみであれば透明な氷が出来る
水に含まれる不純物
水道水やミネラルウォーターには、
「純水」以外にも様々な物が溶け込んでいる
主に溶け込んでいるものは、
マグネシウム、カルシウム等のミネラル分
水道水の場合は、塩素、カルキなどが含まれている
これらは美味しさや、抗菌などのためには必要だが、
透明な氷を作るには不要なものとなる
水に含まれる空気
水の中には、
空気も目に見えない状態で溶け込んでいる
冷凍すると、空気は氷中に閉じ込められてしまう
(特に急速に冷凍すると閉じ込められやすい)
そして空気は、
冷凍室の温度では凍らないため、気化して姿を現す
➝これが白い濁りとして現れる
水の凍り方
水は純粋な水の部分から凍り始める
(「純水」➝「不純物」の順で凍る)
自宅冷蔵庫・冷凍室での凍り方
冷蔵庫の冷凍室は「-18℃~-20℃くらい」
製氷皿などに入れて冷凍室に入れた水は、
表面の純水の部分から凍りはじめる
ミネラル分や空気などの不純物は、
内側へ追いやられ、そのまま内側で凍る
➝これらの結果、冷凍室の氷は白く濁る
透明な氷の作り方
透明な氷を作るには、以下などを実行する必要がある
• -4℃~-10℃くらいの温度でゆっくり凍らせる
• ときどき撹拌(かくはん)する
• 不純物部分を捨てる
純水に近い水を用意する
【水道水の場合】
浄水器があればそれを使う
【ミネラルウォーターの場合】
ミネラル分の少ない「軟水」を使う
沸騰させることで空気や不純物を取り除く
時間をかけて凍らせる
冷凍室の温度を少し上げて、
「-4℃~-10℃ぐらい」の温度で、
ゆっくりと冷やしていくようにする
冷凍室の温度を上げられない場合は、
発砲スチロールなど断熱材を用いれば、
温度が下がりにくくなる
ときどき撹拌する
ときどき水を撹拌することによって、
中に含まれている空気を抜けやすくする
ゆっくり撹拌する
(新たに空気が入り込まないように)
不純物部分を捨てる
水は純水の部分から凍るので、
純水部分が大体凍ったのを見計らって、
まだ凍っていない内側の不純物部分を捨てる
不純物を取り出す方法
• アイスピックなどで穴を明ける
• あらかじめ上部に断熱材で蓋をしておき、
上部を凍らないようにしておく
など
製氷会社の製氷方法
水を専用のろ過装置に通した後に、
マイナス10度でゆっくり凍らせる
(ゆっくり凍ることで不純物が徐々に放出される)
さらに水中ポンプで水を対流させ、
表面が凍るのを防ぎ、水から分離した不純物を放出させる
(不純物部分が残る場合はその部分が凍る前に捨てる)
飲食店で使われる氷
飲食店の氷は業務用の製氷機で作られる
つくられる氷は透明で真ん中に穴が空く
(ドリンクバーでは不透明な細かい粒の場合もある)
しくみ
この氷は短時間で作ることを目的とされており、
反対向きに設置された-25℃に到達する製氷皿に
対流させた水を噴射し続けることで透明な氷を製造
水を流動させながら徐々に凍らせるのでH2Oのみが氷結
➝これにより不純物は100%近く除去される
(使用している水は水道水)
真ん中に穴が空いた状態で完成とするのは、
特に時間短縮のためでもある
参考:ホシザキ株式会社HP
「おいしくて透明な氷はどうやって作る?」
自然界の透明な氷
自然界でも、長い時間をかけて少しずつ凍ると、
純水の透明な氷が固まっていく
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