十五夜、中秋の名月、お月見
【十五夜】
月の満ち欠けに基づいた呼称で、
旧暦15日の夜、またはその夜の月のこと
この日の月は満月になる
(実際には満月の日は1~2日ずれたりする)
【中秋の名月】
秋の真ん中である旧暦8月15日の十五夜のこと
または、その日の月のこと
【お月見】
「十五夜、中秋の名月」に催される
宴や行事のこと
十五夜(じゅうごや)
旧暦15日の夜、またはその夜の月のこと
旧暦は「月」の動きを基にした暦の一種なので、
月の満ち欠けと日付が、ほぼ対応する
月の満ち欠け周期は約29.5日なので、
月半ばの15日の夜の月は満月か満月に近い月となる
(このことから「15日の夜=満月」とされる)
十五夜は必ずしも満月ではない
旧暦における毎月の「1日」の定義は、
新月となる瞬間を含んだ日
新月となるのが0時0分になる日も、
23時59分になる日も同じく「1日」となる
また、月は軌道が楕円であることなどから、
満ち欠け周期のちょうど半分で必ず満月とはならず、
新月~満月までの日数は約14~16日の間で変化する
これらのことから、
満月となる日が必ずしも15日とはならない
新月・満月の定義
【新月】
「地球~月~太陽」の順で一直線になる瞬間
【満月】
「月~地球~太陽」の順で一直線になる瞬間
中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)
中秋の名月とは、旧暦8月15日における月のこと
「十五夜」が必ずしも満月ではないので、
「中秋の名月」も同じく、必ずしも満月ではない
補足
旧暦において7月~9月は四季の「秋」にあたり、
秋の真ん中、月の真ん中である「8月15日」が
秋全体の真ん中の日と考えられ、「中秋」とされる
秋の収穫祭も含めた意味合いや、
四季において、月は夏は低く、冬は高くなり、
見上げるのに良いとされる高さの月になるのは春か秋
これらなどから、秋が月見に良いシーズンとされ、
中秋に現れる月が特別視されてきた
仲秋の名月
「中秋の名月」と漢字違いのもの
「中秋」は旧暦の8月15日のことを指すが、
「仲秋」は旧暦の8月全体のことを表す
(7月は初秋、8月は仲秋、9月は晩秋)
「仲秋の名月=8月の名月」という意味になるので、
どちらかというと8月の満月の日を表す表現となり、
「中秋の名月(8月15日の月)」とは異なるともいえる
新暦の中秋の名月
月の軌道を基に作られている旧暦とは違い、
太陽の軌道を基に作られている新暦では、
月の動きと日にちが重なりあわない
(新暦の「1日」は新月の日ではない)
このため、
新暦においては「中秋の名月」は毎年日付が変わる
新暦の「中秋の名月」
新暦における定義では、
秋分の日以前の一番近い新月の日を1日目とし、
15日目を「中秋」とする
このため、新暦における「中秋の名月」は、
9月になることが多い
(9月7~10月8日の間で推移)
月の満ち欠け周期は約29.5日➝「12か月で約354日」
太陽の動きを基にした1年の周期➝「約365日」
なので、毎年約11日のずれが生じてくる
(「中秋の名月」も毎年約11日ずつのずれが生じる)
お月見(おつきみ)
「十五夜、中秋の名月」に催される宴や行事のこと
由来
秋にお月見をするのは、
夏の作物の収穫も終わった秋頃に、
豊作を祈る祭りを行ったことが始まりとされる
そのほか、
中国で行われていた月を見る催しが、
日本に伝わり、広がったとする説もある
お月見の供え物
• 月見団子
• 里芋、さつまいも、ぶどう
• ススキ
など
月見団子
団子はその色や形から月を模したものと考えられ、
月の力を宿すものとして供えられたとされる
そのお供え物をいただく事で月の力を分けていただく
地域によって形や素材、供える個数などが異なる
里いも、さつまいも、ぶどう
里いも、さつまいもは秋の収穫物の代表
ぶどうは、弦(つる)があることから、
子孫繁栄や月との繋がりが強くなると考えられた
中秋の名月の日は「芋名月(いもめいげつ)」ともされ、
芋類の収穫を祝う行事でもあった。
ススキ
ススキが供えられる理由は以下など
• ススキには魔除けの効果があるとされる
• 稲穂の代用としてススキを供える
(稲刈り前の時期で、稲穂が供えられなかったため)
• 月の神様の「依り代(よりしろ)」として供える
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