さつまいも(sweet potato)
ナス目ヒルガオ科の植物
その食用部分である塊根(養分を蓄え肥大した根)
主に塊根(芋)の部位を食用とするが、
葉や茎も食用にされたりする
(茎部分は「芋づる」と呼ばれる)
主産地は鹿児島、茨城、千葉など
さつまいもの特徴
甘みが強く、口あたりも滑らかで、
おやつとして用いられることも多い芋
(焼き芋、蒸し芋、スイートポテトなど)
加熱するとデンプンが糖に変わり甘味が増すが、
一気に加熱するとあまり甘味は強くならない
(70℃前後でじっくりと加熱すると甘味が増す)
収穫は8月~11月くらいの秋頃で
収穫された後2~3ヶ月ほど貯蔵して、
水分が飛ぶと甘さが増すとされる
(甘みとしての旬は10月~12月頃)
品種
主な品種は、
「紅あずま」「鳴門金時」「安納芋」など
紅あずま
• 甘みが強い
• 繊維質が少なくなめらか
• ホクホクした食感も楽しめる
• 関東を中心に東日本で多く栽培されている品種
主な用例
焼き芋、スイートポテトなど
(煮物や天ぷら料理などにも用いられる)
鳴門金時
• 上品な甘さ、栗のような甘み
• ホクホクした食感
• 徳島県鳴門市が発祥とされ、主な産地
• 西日本を中心に作られている品種
主な用例
焼き芋、大学芋、サラダ、天ぷらなど
(おかずの材料としても使いやすい)
安納芋
• 加熱すると甘みが強くなる
• ねっとりとした口当たり
• 種子島(鹿児島県)生まれの品種
主な用例
焼き芋など
さつまいもの用例
料理
焼き芋、ふかし芋、干し芋、煮物、天ぷらなど
菓子
スイートポテト、芋あん、ポテトパイ、
芋ようかん、大学芋、芋けんぴ、ケーキなど
デンプン
さつまいもから取れるデンプンは、
春雨や水飴などの原料となる
醸造用
芋焼酎、合成酒、アルコール工業原料など
(芋焼酎は、さつまいもを主原料とした焼酎)
飼料
飼料として家畜に与えられることもある
(さつまいもを与えるブランド豚肉もある)
貯蔵
品質を保つためには、
貯蔵の温度と湿度を適正に管理することが重要
(貯蔵温度が低すぎても腐りやすくなる)
貯蔵の温度は「15℃前後」、
湿度は「85%前後」が適切とされる
低温と乾燥に弱いので、冷蔵庫には入れず、
新聞紙に包むか段ボール箱に入れるなどして、
風通しのよい冷暗所で保存するのがよい
芋掘り
一般に「芋堀り」というと、
「さつまいも掘り」のことを指すことが多い
さつまいもは探り掘る楽しみがあり、
収穫しやすく、調理も比較的簡単なので、
学校行事などで行われることも多い
歴史
中南米のメキシコやペルーなどが起源とされ、
紀元前数百~数千年のものであるとされる根や
さつまいもを型取った土器などが発掘されている
ヨーロッパをはじめ、アメリカ大陸以外への伝来は、
コロンブスが新大陸を発見した1492年以降
16世紀以降にヨーロッパからアフリカ、インド、
東南アジア、中国に伝わっていったとされる
日本への伝来
日本へは唐(中国)から伝わったとされる
(フィリピンから長崎へ伝わったという説もある)
17世紀初頭頃に
唐(中国)から琉球王国(沖縄)に伝わり、
その後、薩摩(鹿児島)へ伝わったとされる
語源
唐(中国)から琉球(沖縄)、薩摩(鹿児島)
そして江戸(東京)や全国に伝来した経緯より
「唐芋」「琉球芋」「薩摩芋」と呼ばれる
また中国での名称(漢名)「甘藷(かんしょ)」
と呼ばれることもある
唐芋(からいも)
唐(中国)から伝来したことに由来し、
特に鹿児島など九州地方で呼ばれたりする
琉球芋(りゅうきゅういも)
琉球王国(沖縄)から伝来したことに由来
(じゃがいもの別称であるともされる)
薩摩芋(さつまいも)
薩摩藩から伝わったことや、
薩摩地方でよく栽培されたことに由来する