ラグビーの基本
楕円形のボールを2チームの選手が奪い合い、
トライやキックによるゴールで得点を狙い、
相手より多くの得点を挙げて、勝利を目指す
攻撃の阻止、ボールを争奪しようと、
守備中のチームがタックルなどを行うことで、
激しい体のぶつかり合いが起こるスポーツ
【試合時間】前半40分+後半40分(計80分)
【得点方法】トライ、キック
【主な特徴】前にボールを投げることはできない
試合人数
「15人 vs 15人」両チーム合わせて計30人
1試合における1チームの選手登録人数は、
リザーブ(控え選手)8人を併せた「23人」
フロントロー
リザーブを含めた23名のうち6名は、
「フロントロー(スクラムの第1列目)」として
適切に訓練された選手を登録しなければならない
適切に訓練されたフロントローが出せない場合、
スクラムは「アンコンテストスクラム」が行われる
(争わずに、ボール投入側がボールを得る)
交替
国際試合においては交替数は8名以内、
その他の試合では最大8名の範囲で主催者が決定
交替して試合から出たプレーヤーは、
ゲームに再出場することは出来ない
そのほかの人数でのラグビー
15人制のラグビー以外にも、
「12人制」「10人制」「7人制」などがある
(「7人制」はオリンピック競技種目)
試合時間
「前半40分、後半40分」の計80分
前半と後半の間にとるハーフタイムは「15分以内」
(試合主催者が決める15分を超えない休憩時間)
それぞれのハーフには、負傷対応や選手交替などで
費やした時間を「ロスタイム」として加算できる
(レフリーの判断で加算、通常1~3分程度)
延長戦
引き分けでも基本的に延長戦はなく、
抽選、トライ数などで勝敗を決める場合もある
ただし、勝ち残り式の大会においては、
開催者の意向により延長戦が行われる場合がある
得点方法
「トライ」か「キック」の2種類
トライによる得点
• トライ(5点)
• ペナルティトライ(7点)
キックによる得点
• コンバージョンゴール(2点)
• ドロップゴール(3点)
• ペナルティゴール(3点)
トライによる得点
トライ(5点)
敵陣のインゴールと呼ばれるエリアにおいて
ボールを押さえ込むことで成立
トライが成立するとさらに、
コンバージョンキックの機会が与えられる
ペナルティトライ(7点)
守備側に重い反則があり、その反則がなければ
攻撃側は、ほぼ間違いなくトライできていただろう
と審判が判断した際に適応されるもの
コンバージョンキックは行われず、
トライの5点に加え、自動的に2点の加算がされる
キックによる得点
キックしたボールが左右2本のゴールポスト間で、
クロスバーより上の空間を通過すれば得点
コンバージョンゴール(2点)
トライ後に与えられた
コンバージョンキックを成功することによる得点
ペナルティーゴール(3点)
相手チームの反則により得たペナルティーキックで、
ゴールポストを狙うキックを選択し、
そのキックが成功することによる得点
ドロップゴール(3点)
プレー中に、ボールをワンバウンドさせて蹴る
「ドロップキック」で直接ゴールを狙い、
成功することにより得られる得点
前方へのパスは禁止
前にボールを投げることができないため、
手によるパスは後方の味方にしか行えず、
前進するには持って移動、キックなどを行う
前方へのパス➝「スローフォワード」の反則
ボールを前に落とす➝「ノックオン」の反則
また、前方へのパスだけでなく、
ボールより前に出てプレーすることも禁じられている
(「オフサイド」の反則)
キックの種類
プレースキック
ボールを地面に置いた状態で行うキック
(土や専用具によるボールの固定も認められる)
コンバージョンやゴールを狙うペナルティキックは、
基本的にプレースキックが用いられる
ドロップキック
ボールを地面に一度落下させ、
跳ね返ってきたボールを蹴るキック
(プレー中にゴールを狙うことも可能)
パントキック
持っているボールを手から放し、
地面に落とさず直接蹴るキック
(味方へのパスや陣地挽回の際のキック)
• 短いキック➝「ショートパント」
• 高く蹴り上げるキック➝「ハイパント」
ゲームの進め方・基本プレー
キックオフ・ゲーム再開
前後半のゲーム開始や、得点後のゲーム再開は、
ハーフウェイライン上の中央または、その後方から
「ドロップキック」で始める
• キッカー側➝ボールの後方にいなくてはならない
• 相手側➝10mラインより後方にいなくてはならない
キックしたボールは10mラインを越えなくてはならず、
越えなかった場合、相手側に権利が移る
(「ドロップキック」又は「スクラム」から選択)
基本原則
競技は立っているプレーヤーによってのみプレーされる
以下の各状況のプレーヤーは、ルールに則り、
各状況に応じたプレーをしなければならない
ボールを持って地面に倒れたプレーヤー
以下のいずれかを直ちに行う
• ボールを持って立ち上がる
• ボールをプレーする(ただし、蹴らない)
• ボールを放す
ボールがなく地面に横たわるプレーヤー
以下のルールを守る
• 相手側にボールをプレーさせる、または獲得させる
• ボールをプレーしない
• 相手にタックルをしたり 、しようとしたりしない
その他、周囲に立つプレーヤー
ボールの近くで地面に横たわっている
プレーヤーの上に被さって倒れ込んではならない
攻撃
ボールの前進
ボールを前進させる方法は2つ
•「ボールを持って進む」
•「キックする」
味方に手でボールをパスする時は、
必ず自分より後方に投げなくてはいけない
(前方に投げると「スローフォワード」の反則)
プレーヤーがボールを前方に落としたり、
手や腕に当たったボールが前方に落ちた場合も反則
(「ノックオン」の反則)
守備
守る側の選手は、ボールを持ったプレーヤーに対し、
相手の前進を「タックル」して阻止する
(ボールを持っている選手にのみタックルできる)
また、守備するために有効なルールとして、
「ドロップアウト」「キャリーバック」「マーク」がある
タックル
ボールを持った相手プレーヤーに飛び込み、
地面に倒す、もしくはボールを放させるのが目的
ボールを持たない相手にタックルすると反則
禁止されているタックル
• 肩より上へのタックル(ハイタックル)
• ボール保持前のタックル(アーリータックル)
• ボールを手放した後のタックル(レイトタックル)
• 相手の首に腕を引っかけるタックル
(スティフアームタックル)
など
ドロップアウト
攻撃側が最後に触ってインゴールに入ったボールを、
守備側がタッチダウンすることでプレー中断する方法
守備側の22mライン内側からの
「ドロップキック」でプレー再開
キャリーバック
守備側が自ら自陣インゴールに持ち込んだボール、
または最後に触れてインゴールに入ったボールを、
タッチダウンすることでプレー中断する方法
ゴールラインから5mの地点で、
相手ボールの「スクラム」でプレー再開
マーク
攻撃側がキックしたボールを守備側のプレーヤーが
自陣22mライン内で直接キャッチすると同時に
「マーク」と宣言することでプレー中断する方法
ボールを保持したチームにフリーキックが与えられる
(マークを行ったプレーヤーがフリーキックを行う)
キックオフや得点後の試合再開のキックから、
マークを行うことはできない
フリーキックの位置
• 22mエリア内でのマーク
➝「マークの地点」
• インゴール内でのマーク
➝「マークの位置と一直線上の5mライン上」
密集状態
ボールを持った選手をタックルで倒すことができるが、
倒された選手はボールを速やかに手放さなければならない
(これを犯すと「ノットリリースザボール」の反則)
選手は倒されたまま半身になって、
ボールを地面に置き味方に託したりするが、
この時、両チームが密集した状態を「ラック」と呼ぶ
また、ボールを持った選手が、
捕まってはいるが倒されておらず、
両チーム立ったまま密集した状態を「モール」と呼ぶ
ラック
両チームの選手が密集状態になり、
「地上に転がっている」ボールを足で奪い合うプレー
(地面に転がったボールの争奪)
各チーム1名以上ずつのプレーヤーによる
立ったままの密集状態
(頭と肩を腰よりも低くしてはならない)
ラック状態が長く続くと、
レフリーの判断でスクラムに移行する
(前進していた、もしくはボールを持ち込んだ側ボール)
モール
両チームの選手が、立ったまま
「手に持った」ボールを奪い合うための密集状態
(地面についていないボールの争奪)
ボールを持ったプレーヤーと、
各チーム1名以上ずつのプレーヤーによる密集状態
(両チーム合計3人以上が立ったまま組み合った状態)
モール状態が長く続くと、
レフリーの判断でスクラムに移行する
(持ち込んだ相手側ボール)
アドバンテージ
反則が起こったが、プレーを続けた方が、
反則を受けたチームに有利になるとレフリーが
判断した場合に試合を止めず、プレー続行すること
アドバンテージの終了
反則をしていないチームが利益を得たと
レフリーがみなした場合
➝「プレー継続のままアドバンテージ終了」
反則をしていないチームが利益を得そうにないと
レフリーがみなした場合
➝「反則に対する罰を適用」
反則をしていないチームが 、
利益を得る前に反則を犯した場合
➝「最初の反則に対する罰を適用」
反則をしたチームがアドバンテージが生じない2つ目、
または、前の反則に続く反則を犯した場合
➝「反則を受けたチームが利益のある罰を選択」
中断後のプレー再開方法
スクラム
ノックオンやスローフォワードなど、
軽度な反則があった後のプレー再開方法
(両チーム8人ずつが組み合い、押し合う)
投入されたボールを足で後方にかきだし、
最後方で取り出すことでプレー再開(スクラム終了)
ボールを投げ入れる側のチームが有利だが、
スクラムの強さによってはボールを奪われたりもする
フリーキック
やや重い反則があった後の
プレー再開時に相手に与えられるキック
キックの方法・方向は自由だが、
直接ゴールを狙うことはできない
フリーキックが与えられた場合、
「スクラム」を選択することもできる
ペナルティーキック
重い反則があった後の
プレー再開時に相手に与えられるキック
キックの方法・方向は自由で、
直接ゴールを狙うこともできる
(成功の場合「3点」)
タッチキック
タッチラインに蹴り出すキック
ペナルティキックで行った場合、
蹴り出した側スローでのラインアウトでプレー再開
(通常は蹴り出した反対のチームによる再開)
ラインアウト
ボールまたはボールを持ったプレーヤーが、
フィールド左右のタッチラインに
触れたり外に出た場合のプレー再開方法
タッチラインから垂直に並んだ両チームの
プレーヤーの間にボールを投げ入れ、奪い合う
(各チーム最低2人以上、通常フォワード7人が参加)
基本的にボールを出した相手側が投げ入れるが、
ペナルティーキックで蹴り出された場合は、
キックしたチームによるスローインとなる
クイックスロー
ラインアウトが形成される前にボールを投入するプレー
試合終了
残り時間がなくなった後に
ボールがデッドになったら各ハーフは終了
以下の場合を除く
• 残り時間がなくなる前に与えられた
スクラム、ラインアウト、キックが終了しておらず、
ボールがオープンプレーに戻っていない場合
• レフリーがフリーキック、
または、ペナルティを与えた場合
• ペナルティキックが、直接タッチに蹴り出された場合
• トライが得られた場合
(コンバージョンキックのための時間を与える)
ボールデッドとみなされる状態
• ボールがタッチになった場合
• ボールがインゴールにグラウンディングした場合
• コンバージョンキックが蹴られた場合
• トライ、ペナルティ、またはドロップゴールが決まった場合
主な反則
軽い反則
相手ボールのスクラムによりプレー再開
スローフォワード
ボールを前方にパスしてしまう反則
ノックオン
持っているボールやパスを受け損なったボールを、
自分より前方に落としてしまう反則
(故意の場合はペナルティが与えられる)
ノットストレート(ラインアウト)
ラインアウトでボールをまっすぐ投げ入れなかった
(相手ボールのスクラムやラインアウトでの再開)
アクシデンタル オフサイド
ボールを持ったプレーヤーまたはキックしたボールが、
前方にいる味方に偶然触れ、有利に働いたとき
やや重い反則
相手のフリーキックによりプレー再開
(ゴールは狙えない)
ノットストレート
スクラムでボールをまっすぐ投げ入れなかった
(相手ボールのスクラムでの再開かフリーキック)
重い反則
相手側は以下から再開プレーを選択できる
• ペナルティーキック(直接ゴールを狙う)
• マイボールスクラム
• その場で軽くキックしてリスタート
• タッチキックからのマイボールラインアウト
(タッチキック=タッチに直接蹴り出すキック)
オーバーザトップ
モールやラックが形成された状態で、
ボールの相手側に倒れこみ、プレーを妨害する反則
オフサイド
ボールを持った味方より前方の
「オフサイド」に位置する者が、後方に下がらず
その位置からそのままプレーに参加する反則
ボールを持っているプレーヤーより
前にいるプレーヤーはプレーに参加できない
(相手チームの妨害をすることも禁止)
スクラム、ラック、モール、ラインアウトなどでは、
プレー毎に決められた「オフサイドライン」がある
オブストラクション
ボールを持っていないプレーヤーの動きを妨げたり、
タックルの動きを妨げたりした場合の反則
コラプシング
故意にモールやラックを崩す行為
ノットリリースザボール
タックルを受けて倒されたプレーヤーが
ボールを放さず持ち続けた場合の反則
タックルを受けたプレーヤーは
プレーの続行が禁止されているので、
タックル成立後にボールを離さないことは反則
ノットロールアウェイ
タックルして倒れたプレーヤーが、
その場から速やかに離れず、
次のプレーの障害となった場合の反則
ハイタックル
相手プレイヤーの肩より上へのタックル
アーリータックル
ボールを持つ前のタックル
レイトタックル
ボールを手放した後のタックル
スティフアームタックル
相手の首に腕を引っかけるタックル
ハンド
スクラムやラックの中のボールを拾い上げる反則
不正な行為と処分
不正な行為は、大きく以下の4種類に分けられる
• 妨害プレー
• 不当なプレー
• 反則の繰り返し
• 危険なプレー
あまりにも悪質な行為に対しては、
イエローカード(10分間の一時的退場)、
レッドカード(退場)が出される場合もある
妨害プレー
ボールを持っていないプレーヤーの前を、
立ちふさがって進路を妨害したり、
体やジャージなどをつかんで動きを妨げる行為など
不当なプレー
故意に競技規則の反則を犯す、
ボールを故意に競技区外に出す行為など
反則の繰り返し
同じチーム、プレーヤーが同じ反則を繰り返す行為
(故意でなくても同じ反則であれば適用される)
危険なプレー
暴行、暴言、危険なタックル、
ボールを保持していないプレーヤーへのタックル、
反則を受けた後の報復行為など
レフリー
1試合における審判員の人数は3人
・レフリー(1人)
・タッチジャッジ又はアシスタントレフリー(2人)
レフリーの仕事
ゲーム全体のジャッジ・コントロール
タッチジャッジ、アシスタントレフリーの仕事
タッチのシグナル、ゴールの成否に責任を持つ、
不正なプレーの報告など、レフリーの補佐を行う