三元豚(さんげんとん)
一つの決まった品種やブランド名などではなく、
「3種類の品種を掛け合わせた豚」
(掛け合わせる3品種に指定はない)
異なる品種を掛け合わせて生まれた豚を「交雑種」、
3品種を掛け合わせた交雑種を「三元豚」と呼ぶ
(2種から生まれた交雑種に、もう1種を掛け合わせる)
目的
3種類の品種を交配させることで、
欠点を補い、バランスがとれた豚を作る
欠点の例
• あまり大きくならない
• 一回に生まれる子供の数が少ない
• 発育が遅い
バランスがとれた豚
肉質が良くて、ばらつきがなく、
「繁殖性」「発育性」「肉質」などのバランスがとれた豚
純粋種の品種
純粋種とされる主な品種は、以下など
ランドレース(L)
• デンマーク原産。白色の大型種
• 繁殖に優れ、発育も早い
• 赤肉率が高い
大ヨークシャー(W)
• イギリス・ヨークシャー原産。白色の大型種
• 繁殖に優れている
• 赤身と脂肪のバランスが良い
中ヨークシャー(Y)
• イギリス・ヨークシャー原産。白色の中型種
• 肉質がきめ細かく、脂肪の旨味に優れる
• 単種としても食用として人気がある
バークシャー(B)[黒豚]
• イギリス・バークシャー原産。黒色の中型種
• 産子数があまり多くなく、発育も遅い
• 肉質がきめ細かく、食味が良く、臭みが少ない
• 単種としても食用として人気がある
デュロック(D)
• アメリカ原産。赤色の大型種
• 身体が上部で飼いやすい
• 肉質はサシが入り霜降り状になる(柔らかい肉質)
• 臭いが強い
「三元豚」品種の組み合わせ
三元豚の主な組み合わせは以下など
LWD
• ランドレース(L)
• 大ヨークシャー(W)
• デュロック(D)
この3品種を掛け合わせた「LWD」
(最も一般的な「三元豚」とされる)
特徴
•「ランドレース」の発育の良さ・産子数の多さ
•「大ヨークシャー」の赤身と脂身のバランスの良さ
•「デュロック」のサシの入った肉質の良さ
これらを併せ持つとされる
LDB
• ランドレース(L)
• デュロック(D)
• バークシャー(B)
この3品種を掛け合わせた「LDB」
特徴
•「バークシャー」の肉質の良さ
•「ランドレース」の発育・産子数の良さ
•「デュロック」の丈夫さと赤身のおいしさ
これらを併せ持つとされる
LDK
• ランドレース(L)
• デュロック(D)
• 金華豚(K)
この3品種を掛け合わせた「LDK」
中国の豚として有名な金華豚を利用した三元豚
(日本であまり多くは生産されていない)
特徴
•「ランドレース」の発育・産子数の良さ
•「デュロック」の肉質の良さと丈夫さ
•「金華豚」の肉質の良さ
これらを併せ持つとされる
○○三元豚
「○○三元豚」といったように、
名称の先頭に産地、農家名などの冠名を付け、
ブランド豚などとして売り出しているものもある
これらは、それぞれの産地で
品種の改善を図って3種類の豚を交配させ、
エサの工夫をしたり、丁寧に育てるなどしたもの