マヨネーズ(仏:Mayonnaise)
食用油・卵・酢を主原材料とした半固体状ドレッシング
サラダなどに使用する点で「ドレッシング」といえ、
肉料理・カツレツに使用する点で「ソース」ともいえる
18世紀頃にフランスで広まったとされる
(元々はフランス料理の肉料理用のソースの一種)
乳化とマヨネーズ
乳化とは「油」と「水」が混ざった状態
「油」と「水」は基本的には混ざり合わない
(混ぜても時間が経つと分離してしまう)
マヨネーズでいうと「油」と「酢(の水分)」
(これらは卵黄を用いると乳化しやすくなる)
卵黄を用いた乳化
卵黄は、
「水とくっつく性質」「油とくっつく性質」
両方の性質を持っている
この2つの性質を利用することで、
「油」と「酢」が乳化しやすくなる
乳化の良し悪しは卵黄の鮮度による
(新鮮な卵が望ましい)
原材料の詳細
油
基本的に食用の植物油が使われる
かつてはオリーブオイルなどが主流だったとされるが、
時間が立つと分離しやすい性質があることなどから、
現在は、大豆油や菜種油などが使われることが多い
卵
卵黄のみ使用するものと全卵を使用するものがある
ただし、
乳化は卵黄の中の成分によって起こりやすいので、
乳化の観点からすると卵白は必要ない
卵黄のみの方がコクが出て、おいしさは増すが、
卵黄と卵白に分ける作業などの手間がかかる
酢
作り手によって様々な酢が使われる
• ワインビネガー
• 果実を使った酢
• 米など穀物類から作られた酢
など
基本的な作り方
材料
卵(全卵or卵黄)、酢、植物油、塩
手順
①. 卵、酢に塩を加え、よく混ぜる
②. そこに油を少量ずつ加え、よく混ぜる
殺菌・防腐作用
「酢」には、殺菌作用があり、
一定以上の酢の濃度があると、菌は生きていけない
(酢漬けなども酢の殺菌力を利用した保存食)
食べ物が腐るのは、主に菌によるものなので、
菌の増殖を抑えることができれば保存性が増す
塩にも殺菌力があるが、塩の場合は、
浸透圧によって菌が水分を奪われ、生きられなくなる
(塩漬けも同様の原理で、長期保存が可能になる)
保存期間
市販品
市販されているマヨネーズは管理された工場内で、
菌がほとんどいない状態で作られている
また、酢と塩の効果で殺菌されるので、
防腐剤を用いられていなくても保存が可能
【保存目安(開封前)】
10か月程度(常温保存可能)
【保存目安(開封後)】
1か月程度(冷蔵保存)
自家製
家庭では、管理された工場ほどは
菌の混入を防ぐのは難しいので、
自家製マヨネーズは、あまり保存は利かない
【保存目安】
1日~1週間程度(冷蔵保存)
カロリー低減マヨネーズ
マヨネーズは高カロリーな調味料だが、
カロリー低減のマヨネーズというのもある
(カロリーハーフなど)
主に油の量を減らし、油の代わりに
砂糖、水あめ、増粘多糖類、タンパク加水分解物
などが加えられる
この場合、砂糖や水あめで糖質が増えるので、
カロリーが低いからと言って
健康やダイエットなどに有効とは言い切れない
マヨネーズの定義
「ドレッシングの日本農林規格」における
マヨネーズの定義は以下の通り
マヨネーズ
• 半固体状ドレッシング
• 水分:30%以下
• 油脂含有率:65%以上
使用が認められる原材料
1)食用植物油脂
2)醸造酢及びかんきつ類の果汁
3)卵黄及び卵白
4)たん白加水分解物
5)食塩
6)砂糖類
7)蜂蜜
8)香辛料
サラダクリーミードレッシング
カロリー低減ドレッシングはこれに分類される
• 半固体状ドレッシング
• 水分:85%以下
• 油脂含有率:10%以上50%未満
使用が認められる原材料
1)食用植物油脂
2)醸造酢及びかんきつ類の果汁
3)卵黄及び卵白
4)たん白加水分解物
5)食塩
6)砂糖類
7)蜂蜜
8)でん粉
9)香辛料
語源
以下など、様々な説がある
港町マオン説
当時イギリス領だったメノルカ島(スペイン)の
港町マオンで使われていたソースを由来とする説
(マオンのソース「マオンネーズ」が変化)
バイヨン説
フランスのバイヨンでつくられ、
「バヨネーズ」と呼ばれたものが変化したとする説
卵黄=マヨン説
中世フランスでは卵黄のことをマヨンと呼び、
それがマヨネーズの語源であるとする説