休職
労務への従事が不適当な事由が生じた場合に、
会社と労働者の労働契約を継続したまま、
一定期間、労務を免除または停止すること
会社が労働者に対して休職の命令を出すか、
労働者からの申し出を承認することで休職となる
(命令も承認もない状態では休職として扱えない)
法規定
休職制度に法律の定めはなく、
制度を取り入れるか否かは各会社による
休職制度を定める場合は労働条件として、
労働者に対して明示しなければならない
(労働基準法第15条、同法施行規則第5条)
就業規則への規定
休職には法律による規定がなく、
規定は各会社の就業規則などによるため、
会社によって異なる部分も多い
就業規則で規定しておくべき事項には
以下の様なものがある
• 休職期間(期間の通算)
• 復職
• 休職期間中の給与
• 休職期間中の責務
など
休職事由
どのような事由で休職となるのかを規定
• 私傷病により、本人が申出
• 欠勤が規定日数続いた場合
• 医師の診断で休職が必要と判断された場合
など
休職期間
休職可能な期間の長さを規定
復職後、再度休職する場合もあるので、
通算期間として規定したりする
復職
• 復職に至る条件
(基本的には休職事由の解消などによる)
• 休職期間が満了した時の復職の判断方法
(判断材料は医者の診断書・許可など)
• 復職の判断は会社が行う
(医者が認めれば良いというものではない)
• 休職期間が満了しても復職できない場合の対応
(退職、解雇など)
など
休職期間中の給与
• 有給or無休
(法規定はなく、会社により異なる)
• 有給の場合の支払う割合
(全額、平均月額の6割、など)
休職期間中の責務
• 医師の診察、報告を義務付け
(傷病休職の場合)
• 定期的な状況報告
• 社会保険料の支払い
(休職期間中も支払い義務がある)
など
休職の種類
• 自己都合休職、依頼休職
• 事故休職
• 起訴休職
• 懲戒休職
など
(私)傷病休職
業務外で生じたケガや疾病による休職
• 心身の体調不調
• 精神疾患(うつ病)
• プライベートでのケガ
など
自己都合休職、依頼休職
仕事以外の理由で自己都合による休職
(家事、自己啓発、留学、ボランティアなど)
事故休職
私的な事故による休職
(傷病以外の私的な事故を理由とする休職)
起訴休職
刑事事件で起訴された際の休職
懲戒休職
規律違反などに対する制裁としての休職
(出勤停止、自宅謹慎など)
給与と手当金
給与
休職期間中、会社は給与支払の義務はない
給与を支払うかは会社に決定権があり、
支払われるかどうかは会社によって異なる
(就業規則の定めによる)
傷病手当金
業務外のケガや疾病で会社を休み、
給与が支給されない場合に支給申請することで
加入している健康保険から支給される
全国健康保険協会または健康保険組合から支給される
(市町村の「国民健康保険」加入者は対象ではない)
支給額(日額)
「算定日額相当の3分の2の金額」
健康保険法の条文の解釈
傷病手当金の支給を始める日以前の
12ヵ月の標準報酬月額を平均した額➝「月額相当」その30分の1に相当する額➝「日額相当」
その3分の2に相当する金額➝「支給額(日額)」
(「健康保険法・第99条2項」の解釈)
支給期間
「休職4日目~(最長)1年6ヶ月」
健康保険法の条文
その労務に服することができなくなった日から
起算して3日を経過した日から
労務に服することができない期間
(「健康保険法・第99条1項」より)
同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病
に関しては、その支給を始めた日から起算して
1年6月を超えないものとする
(「健康保険法・第99条4項」より)
休職中の社会保険
休職中においても
「社会保険料(健康保険・厚生年金)」
は支払う必要がある
社会保険料の支払い方法
通常、社員の社会保険料は、ほとんどの場合
月々の給与から控除して徴収される
このため、休職中に給与が支給されなかった場合、
会社は社員の給与から天引きできない
この場合の社会保険料の支払い方法は以下など
社会保険料の支払い方法
• 毎月会社が立替え、毎月従業員に請求
• 休職期間中は会社が立替え、復職後に一括請求
• 傷病手当から支払う