バックパスの反則
バックパスの反則とは、味方からのパス(キック)を
GK(ゴールキーパー)が手で扱うことを禁止するルール
バックパスルールはGKのハンドというわけではない
(「バックパス」と「ハンド」は別の反則)
定義
サッカー競技規則において、
GKが自陣のペナルティエリア内で犯した場合に
間接FK(フリーキック)が与えられる反則の1つであり、
以下のように定義されている
ボールが味方競技者によって
意図的にGKにキックされたボールを
手で触れた場合
(「サッカー競技規則・第12条 2.間接FK」より)
解釈
以下の条件が揃った場合に、この反則が適用される
• 自陣ペナルティエリア内
• GKがボールを手で扱う
同様の場面で反則とならないケース
競技規則の解釈からすると、
• 意図的なキックではない場合
これらには、「バックパスの反則」は適用されない
キックでない場合
膝から上の体の部位でのパスには、
「バックパスの反則」は適用されない
(ヘディングによるGKへのパスは、よく見られる)
脛(すね)に関しても、キックではないため
基本的には「バックパスの反則」は適用されないが、
キックとの違いが紛らわしいため、適用される場合がある
意図的なキックではない場合
味方選手のキックでも、意図しないキックである場合
例えば、
• 前方へ蹴ろうとしたキックがミスキックとなった
• 相手のパス、シュートなどが味方の足に当たった
などの自陣ペナルティエリア内に入ったボールを
GKが手で扱っても「バックパスの反則」は適用されない
反則対象者とゲームの再開
バックパスの反則の対象となるのは、
パスを出した選手ではなく、ボールを手で扱ったGK
従って、GKがボールを手で扱った場所から
対戦相手に「間接FK」が与えられる
ただし、ゴールエリア内で当反則が行われた場合は、
その地点でなく、1番近くのゴールエリアラインからの
対戦相手の「間接FK」でのゲーム再開となる
守備側の立ち位置
直接FKにせよ、間接FKにせよ、
守備側のチームの選手は「9.15m(10ヤード)」
離れないといけないという規則がある
ただし、ゴールライン上にいる場合に限り、
規定通り離れなくてよく、ゴールライン上に立てる
(ゴールライン上に「壁」が作れる)
類似の反則行為
味方選手がスローインしたボールを
ペナルティエリア内でGKが手で扱った場合
⇒「間接FKとなる反則」の1つとして規定されている
(GKが手で扱った地点から、間接FKで再開)
味方のスローインや意図的なキックを
ペナルティエリア外でGKが手で扱った場合
⇒GKによる「ハンド」の反則が適用される
(GKが手で扱った地点から、直接FKで再開)
自分の足でボールを上げたりなどして、
GKに手で扱わせるべく、キック以外でパスする
⇒「反スポーツ的行為」の反則が適用される
(GKにパスした地点から、直接FKで再開)
ここでいう「反スポーツ的行為」とは、
競技規則の裏をかき、意図的に味方のGKに
頭や胸、膝などでボールをパスする
(「サッカー競技規則・第12条 3.懲戒処置」より)
バックパスの名称に関して
競技規則では、この反則に対して名称は定義していない
(この反則名を「バックパス」とは定義していない)
一般的に、便宜的に「バックパス」と呼称される
「バックパス(back pass)」は、
英語の「back」と「pass」を用いたサッカー用語
「バックパスの反則」制定の背景
バックパスの反則が適用されていなかった時代には、
味方からのパスをGKが手で扱うことに制限はなく、
当然のこととして行われていた
ただし、この行為は時間稼ぎに用いられるなど、
問題提起が以前からされていた
特に、
1990年W杯の「エジプト対アイルランド」戦での、
この行為によるアイルランドの長時間の時間稼ぎが、
制定に踏み切った要因であるとされる
制定
上記などをを背景として、
1992年に「バックパスの反則のルール」が制定された
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