「津波」「高潮」「高波」「波浪」の違い
• 津波・高波・波浪➝「波」
• 高潮➝「海面の上昇」
【影響する場所による違い】
• 高潮・高波・波浪➝「海面上に生じるもの」
• 津波➝「海底から海面まで広範囲に生じるもの」
【津波】
海底の急激な地形変化によって発生する「波」
(地震や海底火山の活動によるもの)
【高潮】
気圧の変化によって生じる「海面の上昇」
(台風など、発達した低気圧によるもの)
【高波】
暴風によって引き起こされる高い「波」
(台風などの暴風によるもの)
【波浪】
波そのもの。風によって発生する「波」
地震との関連
地震が起こると、「津波」が発生する恐れがある
(地震で発生した波は「高波」とは言わない)
台風との関連
台風が接近した場合、
「高潮」と「高波」が被害をもたらす恐れがある
(台風で発生した波は「津波」とは言わない)
津波(つなみ)
急激な海底の地形変化により海面が盛り上がり、
大きな波が生じて伝播する現象
海底の地盤が大きく陥没や隆起などすると、
その変化による力が付近の海水にも伝わり、
それが四方へ広がって陸地にも押し寄せる
発生要因
地震、海底火山の噴火、隕石の衝突
などによる急激な海底の「地形の変化」
特徴
海底から海面までの海水が塊となって動き、
海水全体の動きとなり、膨大なエネルギーとなる
(風などによる浪は海面の表面だけの動き)
波長(波の山から山の長さ)は数km~数百km
大抵は1度だけでは終わらず複数回押し寄せる
注意点
陸上に入った津波は陸地を遡って浸水する
河川でも遡上し、増水して氾濫などの恐れがある
津波が引き返す際にも、引き波によってさらわれ、
沖合いへ流される恐れがある
高潮(たかしお)
吸い上げによる影響
風は気圧が高いところから低いところへと動く、
この気圧の力が、海面にも働き「吸い上げ」が起こり、
海面が持ち上がって、潮位(海面高さ)が上昇
吹き寄せによる影響
台風に伴う暴風が海岸方向に吹いている場合に、
海水が海岸に吹き寄せられて沿岸部の潮位が上昇
発生要因
• 台風など低気圧の影響による海面の「吸い上げ」
• 強い暴風による沿岸部への海水の「吹き寄せ」
特徴
高潮は長時間続いて、被害が拡大する恐れがある
一度堤防を超えると、広範囲が水没する可能性がある
(広い海岸線にわたって堤防を超える可能性がある)
注意点
高波と合わさって被害をもたらす恐れがある
満潮と重なると潮位がさらに上昇する
高波(たかなみ)
海面上で強い風が吹くことにより高い波が発生する
(強風に押されるなどして発生する高い波)
発生要因
台風などによる強風・暴風
(ただし、台風に限るものではない)
特徴
高波とは、被害をもたらす高い波のこと
(波浪注意報・警報の対象になる程度の高い波)
何m以上という具体的な基準はないが、
地域により注意報や警報を出す見込み高さの基準がある
(波浪注意報「1.5m」、波浪警報「3.0m」など)
波長(波の山から山の長さ)は数m~数百m
注意点
暴風を伴って押し寄せることが多く危険
その場の天気や風に関係なく発生したりもする
その他
高波注意報・警報というものはない
(注意が必要な高波➝「波浪注意報・警報」)
波浪(はろう)
「波」そのものや、風によって起こる「波」のこと
(波の周期が「1~30秒程度」のものを指す)
大きく被害をもたらす波浪のことを「高波」と呼ぶ
波浪には「風浪」と「うねり」の2種類がある
風浪(ふうろう)
風によって発生・発達する波
周期が短く、
波の形状は不規則で先端が尖っている
うねり
遠くで発生した風浪などが伝わってきた波
風浪より周期が長く、
波形がゆるやかで先端は丸みをもつ
(ゆったりしていて穏やかな波に見える)