ベースアップ(ベア)
賃金水準の引き上げのこと
社員一律の「基本給(ベース)の昇給」
給料の「ベース」を「アップ」することから
作られた和製英語であり、「ベア」と略される
年齢や勤続年数による「定期昇給」とは区別される
(定期昇給を含む賃金の引き上げを指すこともある)
ベアゼロ
ベースアップが行われないこと
(ベースアップ「0」の意味合い)
ベースアップの目的
• インフレに伴う実質賃金低下への対応
• 企業の増収を従業員に還元する
などの目的で導入されてきた仕組み
ベースアップの決定
経済成長、景気・物価水準動向、業績などをもとに
「春闘(労働組合と使用者側との交渉)」によって、
ベースアップの有無や昇給金額、昇給率が決められる
例)
•「ベア2%」➝従業員の基本給2%UP
•「ベア2000円」➝従業員の基本給2000円UP
ベースアップの傾向
高度経済成長期には「インフレ」にあわせて
毎年の慣例のように実施されていた
90年代半ば頃からは、不況やデフレに伴い、
経営側はベースアップを拒むようになり、
ベア要求は難しい環境にある
交渉時点で景気や会社の業績が良くても
一度引き上げると、下げることは難しいので、
経営側としては難しい判断になる
企業にとっては負担増
ベースアップは労働者にはメリットだが、
企業にとっては経営を圧迫することもある
企業としてはベースとなる部分を上げてしまうと、
そのまま今後もずっと支給していくことになる
(一度引き上げると、下げることは難しい)
ベースアップは全社員一律なので、
社員が多い大企業ほど負担が大きくなる
ベースアップの実態
企業側は、政府やメディアなどのプレッシャーや
企業イメージの失墜を懸念し、ベースアップの交渉を
受け入れざるを得ない状況であったりする
ただし、経済の専門家の中には、
ベースアップで会社の負担(固定費)を増やすよりも、
人材確保に投資した方が良いと考える人もいる
名称の由来
1947年に賃金と物価の同時安定をはかる目的で,
暫定業種別平均賃金政策を打ち出した
➝この際に「1800円ベース」と呼んだ
これ以降、賃金の引上げを求める労働組合の活動は
主として「ベース」の引上げを指すこととなり、
賃金の昇給を「ベースアップ」と呼ぶようになった
そして、春闘の制度の開始以後に、
春闘交渉による社員一律の賃金水準の引上げに対して
特に用いられるようになり、定着していったとされる
ベースアップと定期昇給の違い
ベースアップ
• 社員全体の基本給の昇給
• 一律の金額、率で全社員一斉にアップする
• 個人の業績などによる上昇差はない
定期昇給
• 年齢や勤続年数による基本給の昇給
• いわゆる「年功序列」の制度
• 上昇率は個人によって差がある
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