「半熟卵」「温泉卵」「ポーチドエッグ」の違い
【半熟たまご】
殻のままゆでて調理し、白身は凝固状態、
黄身は半凝固状態としたゆで卵
【温泉たまご】
殻のままゆでて調理し、
白身も黄身も半凝固状態としたゆで卵
【ポーチドエッグ】
殻を割って中身を出した状態で、ゆでて調理し、
白身を凝固状態、黄身を超半熟などとした卵料理
いずれも中心部まで十分な熱を加えないため、
鮮度が落ちた卵を使用する場合は、
食中毒を発生する可能性は生卵と同様
半熟たまご
半熟のゆでたまごのこと、
「半熟卵」「半熟玉子」のどちらでも表記される
一般に、
• 白身➝「凝固状態」
• 黄身➝「半凝固状態(半熟)」
となるように調理したゆで卵のことを言う
半熟の状態で味付けしたものは、
「半熟煮卵」「半熟味付け煮玉子」などと呼ばれる
補足
熱湯(80~100℃)でゆでることで、
外側の白身から固まり、黄身がそれよりも遅く
徐々に固まっていく性質を利用したもの
調理法
調理工程は、固ゆでのゆで卵と同じ
(湯の温度は一般に「100℃」)
ゆで時間により内側の黄身の固まり具合を調整
(3~12分の間など)
狙いの半熟具合にゆでた後は、
すぐ冷水に入れて冷やす
冷水に浸す理由
①. 黄身に熱が過剰に加えられ、
それ以上にゆで上がることを防ぐ
②. 内圧を下げる、中身を収縮させる
などの効果により、殻と中身の固着を防ぎ、
殻を剥きやすくする
ゆで時間の目安
水の状態からゆでた場合は、
主に沸騰してからの時間で管理
あくまで目安だが、
時間と半熟具合の関係は以下などの通り
• 5~7分 ➝「緩めの半熟」
• 7~10分 ➝「固めの半熟」
• 10~12分➝「ほぼ固ゆで」
• 12分以上➝「固ゆで」
温泉たまご
半熟のゆで卵の一種で、
「温泉卵」「温泉玉子」のどちらでも表記される
白身➝「半凝固状態(緩めの半熟)」
黄身➝「半凝固状態(固めの半熟)」
卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴
補足
温泉卵は、卵を加熱したときに
黄身の方が白身よりも低い温度で固まる
という性質を利用したもの
黄身の固まる温度➝「65~70℃」
白身が固まる温度➝「75~80℃」
(約55度程度から固まり始める)
この性質を利用し、「65~70℃」で
卵をゆでることにより、白身が固まりきらない
半熟状態の「温泉卵」をつくる
調理法
沸騰した湯(100℃)ではなく、
白身が固まらない程度(65~70℃)の湯に
卵を入れてゆで、ゆで上がり後は冷水に浸ける
「65~70度」で「20~30分」など
(好みの固さに応じてゆで時間を調整)
温度管理の方法
「65~70℃」の湯温を保つために
以下などの管理方法がある
• 専用の「温泉卵調理器」が市販されている
• 保温性のある発泡スチロール容器などを利用
(又は卵が楽に入る程度の広口の魔法瓶)
• 保温状態の炊飯ジャーを利用
(多くの炊飯器の保温機能の設定は約60~75℃)
温泉と温泉卵
温泉(源泉)が65~70℃程度の温度の場合、
これに卵をつけておくと温泉卵の状態になる
こういったことから
温泉地の旅館などで提供されることも多く、
「温泉卵」の名前の由来であるとも考えられる
また、
温泉の湯や蒸気を利用してつくったゆで卵は、
半熟か否かに関わらず「温泉卵」と呼ばれる
ポーチドエッグ
熱湯で卵の中身を加熱する料理
(殻の状態ではなく、割った中身)
卵を固まりやすくするため「酢」を入れた熱湯に
卵の中身を落として加熱してつくる
白身➝「凝固状態 or ほぼ凝固状態」
黄身➝「超半熟(トロトロの状態)」
補足
英語のスペルは「poached egg」
日本語では「落とし卵」
作り方
①. 沸騰した湯の中に酢を入れ、生卵を入れる
(湯の渦を作っておくと卵がまとまりやすい)
②. 卵がまとまらずに白身が広がるようなら、
フォークなどで黄身にかぶせるようにまとめる
③. 1~3分程度ゆでる
(好みの固さになるように時間を調整)
④. ゆで上がったら、取り出して水気をとる
(酢っぽさを取るため、一度水に浸してもよい)
卵をきれいにまとめる方法
キッチンペーパーやコーヒーフィルターの中に
卵を割り入れ、その状態でゆでるという方法がある
(卵白がばらけずにまとまる)
また、
ポーチドエッグ用の様々な雑貨も市販されている