勝利投手、敗戦投手、勝率
【勝利投手】
勝利チームの責任投手
(主に決勝点を上げた時に登板している投手)
【敗戦投手】
敗戦チームの責任投手
(相手チームに決勝点を与えた投手)
【勝率】
勝率 = 勝利数 ÷ (勝利数+敗戦数)
勝利投手
勝利チームの責任投手
正式な試合で正式に完了した場合においては、
勝利チームの投手のいずれかが必ず勝利投手になる
(「勝利投手なし」となることはない)
• 先発投手に記録される勝利を特に「先発勝利」と言う
• 救援投手に記録される勝利を特に「救援勝利」と言う
(先発投手以外の勝利投手は全て「救援勝利」)
勝利投手の条件
ある投手が登板中、
あるいは代打者または代走者と交代して
退いた回の攻撃で自チームがリードを奪い、
そのリードが保たれたままチームが勝利した場合、
その投手が勝利投手となる
(「公認野球規則9.17 勝投手・敗投手の決定(a)」より)
ただし、次の①②に該当する場合はその限りではない
①. 先発投手の投球回
「先発投手」が5回を投げていない
(雨天コールドなどで守備が6回未満の場合は4回(※))
(※)
公認野球規則では試合成立の規定を5回としている
(ただし、大会規定等により5回でない場合もある)
勝利投手
この場合の勝利投手は、条件に該当する「救援投手」
②. 救援投手の投球回
投球が1イニングに満たないなど、投球数が少なく、
そのリードを保つのに効果的な投球ではなく、
以降に、より効果的な投球を行った救援投手がいた場合
勝利投手
この場合に勝利投手となるのは、
以降の救援投手のうち「最も効果的な投球を行った」
と記録員が判断した「救援投手」
最も効果的な投球を行った救援投手
「最も効果的な投球を行った救援投手」の
主な基準は以下の通り
①. 投球回が多い(最も重要な要素)
投球回が他の救援投手より1回以上多い
(失点数は問わず、アウトを取った数を評価)
②. 同投球回数か1イニング未満差の場合
投球回数が同じか、差が1イニング未満の場合は、
以下などを考慮して効果的な投球をした投手を選定
(判断は、その試合の公式記録員に委ねられる)
• 失点、自責点、得点させた走者数
• 試合の流れ
• 登板時の得点差
③. 複数投手の投球が全て同程度の場合
先に登板した救援投手が該当
要点
【先発投手】
5回以上を投球しないと勝利投手になりえない
(雨天コールドなどで守備が6回未満の場合は4回)
【救援投手】
リードを得た時点の登板投手であっても、
勝利投手にならないということもあり得る
補足
次の投手に交代するまでは「登板投手」の該当者
(次の投手のコールがあるまでは登板扱い)
特別なルールが用いられている試合においては、
「公認野球規則9.17」の限りではない
(最長3イニングまでの投球制限、点差コールドなど)
勝利投手の例
例1
先発投手が5回を投げ、その時点でリードしており、
投手交代後もそのリードを守ったまま勝利
➝「先発投手」が勝利投手
例2
先発投手が5回を投げ、その時点でリードしていたが、
交代投手がリードを守れず同点(もしくは逆転)され、
しかし、再び勝ち越し(もしくは逆転)して勝利
➝「救援投手」が勝利投手
例3
先発投手の投球回が5回の完了に満たなかったが、
その時点でリードしており、リードを守ったまま勝利
➝「救援投手」が勝利投手
例4
先発投手が8回裏まで投げ同点、
9回表に得点してリードし、9回裏に投手交代して勝利
➝「先発投手」が勝利投手
(勝ち越した9回表の時点は、まだ登板扱い)
例5
サヨナラゲームとなった場合
➝最終回の「表」に3アウト目を取った投手が勝利投手
(これによって0球勝利というのもあり得る)
0球勝利投手
打者に全く投球せずに勝利投手となること
登板時点で既塁の走者を牽制球などでアウトにし、
イニングを終了させ、直後に勝ち越して勝利した場合
(勝ち越し時点での登板者が、その投手であるため)
敗戦投手
敗戦チームの責任投手を指す
(相手チームに決勝点を与えた投手)
事故の責任による失点が
相手チームにリードを許し、
相手チームがそのリードを保ったとき、
その投手に敗投手の記録を与える
(「公認野球規則9.17 勝投手・敗投手の決定(d)」より)
失点に関するポイント①
「失点は、登板中にのみ記録されるとは限らない」
イニング途中で交代し、交代後の投手が点を与えたとき、
交代前の投手に失点が記録される場合がある
(どちらに失点責任があるかが重要)
失点に関するポイント②
「失点の多さは敗戦投手の決定に関係しない」
相手に決勝点を与えた投手が降板した後に、
より失点した投手がいても、敗戦投手となるのは前者
例
同点の状況から1失点して相手リードとなって降板し、
その後に登板した投手が10失点してそのまま敗戦
➝1失点の決勝点を与えた投手が敗戦投手となる
勝率
野球の投手における勝率は、勝利数と敗戦数による
(出場試合数で決まるものではない)
勝率の計算式
勝率 =「 勝利数 ÷ ( 勝利数 + 敗戦数 )」
•「勝利数」…勝利投手となった回数
•「敗戦数」…敗戦投手となった回数
(外部リンク)
公認野球規則9.00 記録に関する規則
日本野球機構HP
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