震度とマグニチュードの違い
【震度】
• ある場所での地震による揺れの強さ
(観測地点での揺れの大きさの測定値に基づく)
• 各地点において、それぞれの震度がある
(震源からの距離や地質などにより値は異なる)
• 日本独自の階級を用いている
【マグニチュード】
• 地震そのもののエネルギー、規模
(複数の観測地点データなどから計算して導き出す)
• 1地震につき1つ
• 大まかにいうと世界共通
(計算式や地震観測網が違い、異なる部分がある)
震度とマグニチュードの関係
マグニチュードが大きくても
• 震源から遠いところでは震度は小さくなる
• 震源が深いと震度は小さくなる
• 地盤の硬さなどで、震度が小さい事がある
マグニチュードが小さくても
震源地が近いところで起こる「直下型地震」などでは、
震度が大きくなりやすい
震度
「ある場所での地震による揺れの強さ」
全国の震度観測点における「計測震度計」による
震度観測を行っている
震度は震度計で観測し、10階級で表される
「0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7」
補足
以前は体感および周囲の状況(被害状況など)
によって震度を決め発表していた
➝この方法による震度観測は1996年に終了
このため、
• 以前の方法で発表されている「震度」
• 現在の震度計により導き出している「震度」
これらは、同じ数値でも規模が異なる場合がある
震度観測点
気象庁が発表する震度(震度階級)は、
以下の組織が全国各地に設置した震度観測点で
観測した震度に基づいて導き出される
• 気象庁
• 地方公共団体
• 国立研究開発法人防災科学技術研究所
これらの震度観測点の合計は4000以上
震度階級と計測数値の範囲
地震情報などにより発表される震度階級は、
観測点における計測震度から換算されるもの
【1】……「0.5~1.5」
【2】……「1.5~2.5」
【3】……「2.5~3.5」
【4】……「3.5~4.5」
【5弱】…「4.5~5」
【5強】…「5~5.5」
【6弱】…「5.5~6」
【6強】…「6~6.5」
【7】……「6.5~」
震度5、6の「弱、強」
「震度5」や「震度6」の中でも、
被害状況に大きな差があったため
さらに「弱、強」の2段階にそれぞれ分けられた
震度階級と主な揺れの状況
【震度0】
• 人は揺れを感じないが、震度計には記録される
【震度1】
• 静かな環境では、揺れをわずかに感じる人がいる
【震度2】
• 静かな環境で、大半の人が揺れを感じる
• 電灯などのつり下げ物が、わずかに揺れる
【震度3】
• 大半の人が揺れを感じる
• 電灯などのつり下げ物が揺れる
【震度4】
• 屋外を含む大半の人が、かなりの揺れを感じる
• 家具が揺れ、電灯などのつり下げ物は大きく揺れる
• 置物が、倒れることがある
【震度5弱】
• 恐怖を覚える程の揺れを感じる
• 不安定なものは倒れる
• 家具が揺れ、食器類や本が落ちたりする
【震度5強】
• 歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる
• 家具が倒れたりする
• 壁にひびが入ったりする
【震度6弱】
• 立っていることが困難になる
• 家具の大半が倒れたりする
• 壁や窓ガラスが破損し、倒壊する家屋もある
【震度6強】
• 立っていることができず、動くことが困難
• 大半の建物で、壁や窓ガラスの破損が起こる
• かなりの家屋に倒壊被害が出る
【震度7】
• 立っていることができず、動くことが困難
• 大半の建物で、壁や窓ガラスの破損が起こる
• コンクリート建造物の倒壊や地割れなどが起こる
発表される震度
発表される震度には、以下の2つがある
• その地震の最大震度を表している場合
ある場所での震度
地震速報などにおいて、
地域名と共に表されている震度は主にこちら
その地震における最大震度
過去に起こった地震の情報提供などにおいて、
震災名と共に表されている震度は主にこちら
(震災名=東日本大震災、阪神大震災など)
マグニチュード
「地震そのもののエネルギー(規模)」
マグニチュードは「-2~12」の数値で表される
補足
観測史上で、
一番大きな地震は1960年に起こった「チリ地震」
(マグニチュード9.5)
地球上で起こりうる、最大値は「10」といわれ、
「11」➝小惑星の衝突による揺れくらいと推測される
「12」➝地球が真っ二つになるくらいの衝撃とされる
マグニチュード値と規模
【-2~】ほとんど揺れを感じない
【1~】震源地付近では揺れを感じることもある
【3~】ある程度の揺れを感じる
【5~】はっきり揺れを感じ、大災害となったりする
【7~】大災害、海底の地震では津波発生
【8~】広域に大災害、海底の地震では大津波
【9~】広域に大災害、海底の地震では大津波
【11~】人類滅亡の可能性
【12~】地球滅亡の可能性
マグニチュードの種類
マグニチュードは計算方法によって種類があり、
主なものは以下など
• モーメントマグニチュード「Mw」
(断層破壊域の面積により計算する)
• 気象庁マグニチュード「Mj」
(地震計から得た情報により計算する)
補足
• 日本では通常「Mj」を用いて公式に発表される
• 国際的には主に「Mw」が用いられている
ただし東日本大震災では、
地震計の測定値が安定せず「Mw」が導入された
発表されるマグニチュード
地震には「本震、前震、余震」などがあるが、
それぞれのマグニチュードが計算して求められる
一連の地震の規模として主に発表されるのは、
最大規模となる「本震」におけるマグニチュード
地震エネルギーとマグニチュード
マグニチュードの数値が「1」増えると
地震のエネルギーは「約32倍」になる
さらに1増えると(合計「2」増えると)、
そのさらに約32倍になり「1000倍」になる
(例:「M9」は「M7」の1000倍)
関係式
log10E = 4.8 + 1.5 M
もしくは、Eを求める式で表すと、
E = 104.8+1.5M = 104.8 × 101.5M
E :地震のエネルギー(単位はJ:ジュール)
M:マグニチュード
マグニチュート値と倍数
計算式より、
マグニチュート値が「1」増えると「101.5」倍
101.5 = 101×100.5 = 10×√10 = 31.623(約32倍)
マグニチュート値が「2」増えると「101.5×2」倍
101.5×2 = 103 = 1000(1000倍)
国内における大規模震災
近年の国内における大規模な震災の
「震度」と「マグニチュード(Mj)」は以下の通り
【1995年】
阪神淡路大震災➝「最大震度7:M7.3」
【2004年】
新潟中越地震➝「最大震度7:M6.8」
【2011年】
東日本大震災➝「最大震度7:M9.0(Mw)」
【2016年】
熊本地震➝「最大震度7:M7.3」
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