監視・防犯カメラの画質の粗さ
監視・防犯カメラは、
映像を鮮明に映し出すものもあるが、
基本的には「画質が粗い」イメージがある
その理由には、以下などが考えられる
①. コスト削減
(解像度の低い旧型のカメラを使用)
②. 長期間保存するための画質設定
(画質を低く設定し、記憶容量を小さくする)
③. 拡大した映像であるため
(広範囲を撮影したうちのズームインした映像)
そのほか、
プライバシー侵害や肖像権侵害を回避するために
わざと粗くしているという見解もある
コスト削減
カメラの画質が粗いのは、
解像度の低い旧型のカメラを使用していたりする
監視・防犯カメラの製造技術も進歩しているため、
最新のものであれば解像度が高く、映像も鮮明
古いカメラを使う理由
• 最初に設置した状態から使い続けている
(新しいものに変更するとコストがかかる)
• 最新機種を導入すると高額になるので抑える
(良いものを導入するという意識は低い)
• 画質の良さが、犯罪抑止効果に繋がるわけではない
(最新と古いものでも外観の違いは分かりにくい)
補足
特に複数台のカメラを設置する、している場合は、
その数の分だけ導入・変更コストがかかる
特に犯罪が多い場所などでなければ、
カメラが活躍する場面というのは非常に少ないので、
設置側は最新の高額のカメラを導入する意識は低い
長期間保存するための画質設定
画質が高いほど、記録容量は多くなる
(例:30万画素➝0.3MB、300万画素➝1.7MBなど)
また、監視・防犯カメラの場合、
記録した映像をいつ使用するかわからないため、
一定期間保存しておく必要があったりする
そのため、動画の画質を低く設定して、
長期間の保存を実現していたりする
(画質が高いと大容量となり、長期保存が困難)
記憶保存容量の例
• 1秒撮った画像の容量を「0.3MB」とした場合
1分 ➝18MB
1時間➝1080MB(約1GB)
1日 ➝約24GB
「1ヶ月➝約720GB」
• 1秒撮った画像の容量を「1.5MB」とした場合
1分 ➝90MB
1時間➝5400MB(5.4GB)
1日 ➝約130GB
「1ヶ月➝約3900GB(3.9TB)」
記憶容量が多いと、それに見合う記憶媒体が必要
➝記憶保存容量の多い記憶媒体は高額になる
(導入コストが高くなる)
拡大した映像であるため
ニュースなどで流れる監視・防犯カメラの映像は、
広角で撮った映像のうち、一部分にスポットを当て、
拡大したものを流していたりする
拡大した映像は、自ずと元の映像に比べて粗くなり、
拡大すればするほど粗くなる
そのため、
その拡大した映像を見たイメージから、
「監視・防犯カメラの映像=粗い」となっていたりする
プライバシー・肖像権の問題
プライバシーの侵害や肖像権の問題から、
損害賠償請求されるリスクを低減するために
画像を鮮明にさせないという考え方がある
ただし、それらに関して
法律における規制というものはない
「防犯」を目的として設置しているカメラであり、
その目的通りに利用していれば、
プライバシーや肖像権の侵害に抵触する事はない
防犯目的のカメラ撮影は違法ではない
防犯目的や犯罪発生後の証拠を残すなどの目的があり、
監視・防犯カメラを設置する必要性がある場合は、
不特定多数の人を撮影することは違法にはならない
ただし、
隣の家をのぞき見るような角度であったり、
私的空間の撮影の場合は違法になったりする
(私的空間=トイレや更衣室など)
補足
ちなみに、仮に違法であるとした場合に
プライバシーの侵害や肖像権の問題を避けるには、
少々画像を落として粗くしただけでは不十分
この場合、
個人を判別できない程度に画像を粗くしないといけない
白黒の監視・防犯カメラ
• 暗いときは、白黒の方が被写体の輪郭が鮮明
• 赤外線を利用したものは、基本的に白黒の映像
これらの理由から、
特に夜間の映像は白黒の映像である事が多い
また、
白黒だとカラーに比べて記憶容量が少なくなるので、
そういった理由から白黒にしているということもある
(長期保存しやすい、記憶媒体が小容量なもので良い)
補足
最近の防犯カメラの多くは、
「昼間➝カラー、夜間➝自動的に白黒になる」
可視光によるカラー映像と赤外線による白黒映像を
重ねて表示可能なカメラというのもある
赤外線カメラの白黒の濃淡を解析して
カラー映像を出力することも可能になってきている
夜間のカメラ
夜間など暗い場所を撮影するカメラには、
「赤外線カメラ」や「暗視カメラ(高感度カメラ)」
などがある
赤外線カメラ
赤外線に感度を持つカメラ
光のない暗い場所でも関係なく、
赤外線に反応したものを白黒で映像を写しだす
(明るくても白黒の映像となる)
暗視カメラ(高感度カメラ)
光に対して感度を増幅させて、
暗い場所を撮影することを可能としたもの
より高感度のものは、
昼間のように映像を映し出すことが可能で、
カラーで写し出せるものも多い