「油」と「脂」の違い
【油 (あぶら)】
• 主に常温で液体のもの
• 主に「植物性」のものに用いられる
(動物性のものに用いられることもある)
【脂 (あぶら)】
• 主に常温で固体のもの
• 主に「動物性」のものに用いられる
(植物性のものに用いられることはない)
「油脂(ゆし)」は油、脂を含めた総称
油(あぶら)
• 常温で液体のもの
• 主に「植物性、鉱物性」のものに用いられる
(植物性の油=種実を搾ってできる液状の油)
「油」には水を表す「氵 (さんずい)」がついており、
液体状のものを表していると捉えることができる
補足
パーム油、カカオバターなど、
植物性であっても常温で固体となるものがあるが、
これらも漢字では「油」と表す
植物性の油で「脂」と書くものはない
「油」の例
• サラダ油
• オリーブ油
• ごま油
• 菜種油
• 石油
など
脂(あぶら)
• 主に常温で固体のもの
• 「動物性」のものに用いられる
(動物性の脂=動物の肉のなかにある脂肪)
「脂」には、
体の一部を表す「月 (にくづき)」がついており、
動物性のものを表していると捉えることができる
補足
人の皮膚から出る分泌物も固体ではないが「脂」
(脂汗(あぶらあせ)など)
「脂」の例
• 牛脂
• ラード(豚脂)
• 脂肪
• 皮脂
• 脂汗(あぶらあせ)
など
魚の場合
魚は「動物性」に該当するが、
融点が低く常温で液体であったりし、
「魚油(ぎょゆ)」と「油」を用いて表現したりする
ただし、
魚の「あぶらがのっている」といった場合には、
「脂がのっている」というように「脂」が用いられる
こういったように、
特に魚の場合は微妙に使い分けられている
「あぶら」と「融点」
あぶらによって、常温で液体・固体と異なるのは
「融点 (溶け出す温度)」が違うためで、
それぞれの構造の違いによる
動物性のものは主に「飽和脂肪酸」が多く含まれる
植物性のものは主に「不飽和脂肪酸」が多く含まれる
飽和脂肪酸は「融点が高い (常温で固体)」
不飽和脂肪酸は「融点が低い (常温で液体)」