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【違い】水道水の「塩素」「カルキ」

水道水の「塩素」「カルキ」


【塩素】

元素記号は「Cl」

塩素分子(塩素ガス)は常温では、
特有の臭いを持つ黄緑色の気体

毒性と腐食性を持ち、
殺菌力と漂白力の効果が大変強い


【カルキ】

「次亜塩素酸カルシウム」のこと

塩素を石灰水に溶かしたもので、
漂白・消毒などに用いられたりする

現在は使用される量は少なくなったとされるが、
水道水の殺菌・消毒にも用いられている


 

 

 

水道水の消毒

水道法では、水道水の衛生上必要な措置として、
塩素消毒をすることを定めている

 

給水栓における水が、遊離残留塩素を
0.1mg/L(結合残留塩素の場合は、0.4mg/L)以上
保持するように塩素消毒をすること

(水道法施行規則・第17条3項より抜粋)

 

残留塩素の上限

塩素が多く残留していると味やにおいに影響がでるため、
残留塩素の上限を「1mg/L」に抑える管理目標値もある

「安全でおいしい水プロジェクト」など、
残留塩素の上限を「0.4mg/L」以内に抑えることを
目指すプロジェクトもある

 

 

 

塩素消毒

塩素消毒は、
消毒効率、残留性が高く、水道水の安定供給が図れる

塩素消毒されていないと、
水道水は雑菌だらけの大変危険なものになる

塩素消毒に用いられる主なものは以下の3つ

•「次亜塩素酸カルシウム(カルキ) 」
•「次亜塩素酸ナトリウム」
•「液化塩素」

 

 

次亜塩素酸カルシウム(カルキ)

『消石灰(水酸化カルシウム)に塩素を吸収させたもの』
➝塩素を石灰水に溶かすと安全かつ漂白作用を維持できる

• 別名「さらし粉」
• ドイツ語で「chlorkalk(クロールカルキ) 」
(オランダ語で「kalk(カルキ)」は石灰のこと)

水道水への仕様

主にプールの消毒などに用いられるが、
水道水への使用は少ないとされる

 

 

次亜塩素酸ナトリウム

『水酸化ナトリウムと塩素でつくられている』

製品では「ハイター」や「ブリーチ」などのこと

台所の漂白剤、医療用具の殺菌消毒、感染症対策
(ノロウイルス、大腸菌、ブドウ球菌などの殺菌)

水道水への仕様

取扱いが容易で、水道水の消毒によく使われる

 

 

液化塩素

『塩素を液化したもの』

酸化、漂白、殺菌の強力な有効性を有する
(毒性が強く、取扱いには十分注意・配慮が必要)

• 紙・パルプの漂白、
• 塩化ビニルその他有機および無機薬品の製造
などに用いられる

水道水への仕様

水道水への使用は少ない

 

 

 

塩素の除去

水道水に含まれる「塩素」を
除去する方法としては以下などがある

• 熱で分解
• ビタミンCで分解
• 炭にて捕獲
• 汲み置き
• 紫外線で分解

 

 

熱で分解

沸騰させることで残留塩素が分解される

使用例

電気ポットなどの「カルキ抜き」も
このように熱で分解している

 

 

ビタミンCで分解

残留塩素はビタミンCで分解する

ビタミンCが塩素と結合し、塩素が除去される
(化学反応の結果、還元される)

使用例

レモン汁を2~3滴など量に応じて投入する
(水の量が多いときはレモンのスライスなど)

 

 

炭にて捕獲

炭によって、塩素を取り除くことができる

炭には、
脱臭効果やミネラルを溶け込ませる効果などもある

使用例

• 水道水に木炭や竹炭を入れる
• 浄水器の活性炭を利用する

 

 

汲み置き

塩素は、空気に触れると揮発する

水を汲んで置いておくだけでも塩素は抜ける

 

 

紫外線で分解

塩素は、太陽光に当てることで分解する

使用例

飲み水としては控えた方が良いが
魚類を飼うときの水槽用などに良い方法

 

 

 

カルキ臭

「カルキ臭」とは塩素単独の臭いではない
(塩素自体は、それほど臭いはない)

塩素は、水に含まれる有機物に反応して消毒するが、
その反応した時に「臭い」が発生する
➝これが一般的に「カルキ臭」と呼ばれる

臭いがあることは消毒の効果が続いている証拠でもある

 

 

 

水槽のカルキ抜き(塩素抜き)

水道水中の微量の塩素は、
人にとってはただの消毒だが、
魚類などにとっては非常に有害となることもある

特に魚は、
エラ呼吸により水中の酸素を取り入れるので
水に含まれる塩素が魚の呼吸器系に直接入り、
呼吸器系の細胞を破壊すると考えられている

このため、
水槽内の水のカルキ抜きが推奨されている

 

 

 

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