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【鶏卵】有精卵・無精卵、鶏が卵を産む頻度

有精卵・無精卵

雌鶏は、受精しなくても卵を産むことができる


【有精卵】

• 受精している卵
• 条件が整えば孵化する(ヒヨコになる)
• 取り扱いは少ないが、食用販売もされる卵


【無精卵】

• 受精していない卵
• 孵化しない(ヒヨコにならない)
• 食用として一般的に市場に多く出回っている卵


 

成分の違い

有精卵と無精卵に成分的な違いはほぼなく、
明確な優位性は認められていない

卵の栄養や味は、品種などの違いもあるが、
飼育環境や餌などの影響が大きい

受精の有無に関わらず、
卵の中身は胚以外は完全な状態で産まれる

 

値段

飼育の手間がかかるため生産性が低く、
雄鶏も飼育しなければならない「有精卵」は
生産コストがかかってしまうため高値になる

 

見分け方

殻のままの状態で見ると、
有精卵と無精卵に違いはない

殻を割り、中身を見ると、
「有精卵」には卵黄に直径3〜4mmほどの、
小さな白い輪(胚)がある

有精卵は、無精卵よりも
胚がハッキリしており、大きくなっている

 

 

 

有精卵

雄鶏と雌鶏が交配し、
受精することで生み出される卵

条件が整えば孵化し、ヒヨコになるが、
食用の卵としても取扱われる
(約21日間、鶏の体温で温め続ければ孵化)

ただし、
受精していなくても、条件に合致していれば
「有精卵」の表示をすることが認められている

 

有精卵の表示に関する定義

「鶏卵の表示に関する公正競争規約」では、
特定用語の使用基準のひとつとして、
「有精卵」に関して以下の様に定義している

 

成雌鶏と成雄鶏を施行規則の基準により混飼し、
自然交配によって受精可能な飼育環境であることが
確認された場合に限り、表示することができる

(「公正競争規約・第5条第3号」より抜粋)

 

規約第5条第3号に規定する基準は、
雌100羽に対して雄5羽以上とする

(「公正競争規約施行規則・第4条3項」より)

 

解釈

交配や受精の有無に関わらず、
上記の条件で雄鶏と一緒に飼育されている雌鶏が
生んだ卵には「有精卵」の表示が認められる

つまり、
「有精卵」と表示されているものでも、
その全てが受精卵であるとは限らない

 

有精卵の利用

有精卵はインフルエンザワクチンの製造に
利用されていたりもする

ウイルスの培養には生きた細胞が必要であり、
有精卵が適している

 

 

 

無精卵

雌鶏だけを飼っている鶏舎であれば、
産まれる卵は無精卵のみ

市場に出回っている鶏卵の多くは無精卵であり、
特に「有精卵」の表示が無ければ無精卵

鶏が卵を産むのは、人間で言う所の
「出産」ではなく、「排卵」に近いイメージであり、
その卵に受精がされなければ「無精卵」となる

 

補足

無精卵は受精していないので、
いくら温めても孵化することはない

 

 

 

鶏は卵をほぼ毎日産む

鶏卵を産むことに特化した鶏は、
整った条件下であれば
卵をほぼ毎日産むことができる

受精があってもなくても卵が形成される

鶏の体内で、成熟した卵黄が卵管に入り、
約24時間かけて卵管を通り、卵が形成される
(卵黄→卵白→殻の順に内側から形成)

 

補足

鶏が野生だった頃は、
交尾して受精卵となった卵を年に数回産卵し、
産んだ卵を温めて孵化していた

しかし、長年の品種改良の結果、
受精しなくても卵を産むようになり、
排卵周期も短くなっていったとされる

 

産卵サイクル

整った環境下の卵用の鶏は卵をほぼ毎日産むが、
数日間卵を産み続けたあと、1~2日休んで、
また数日間産むというサイクルを繰り返す

こういった鶏から生み出される卵は、
1羽につき年間平均280個ぐらいといわれる

ただし、鶏は年をとるにつれ、
段々卵を産まなくなり、産卵サイクルが長くなる

 

産卵の過程

卵巣には卵黄のもとになる卵が多数あり、
小さいものから少しづつ大きくなった卵黄が
連なっている

卵黄は、卵巣で数日間かけてしだいに大きくなり、
十分に成長した卵黄は、卵管へと進んでいく

そして卵管を約24時間かけて進む間に、
徐々に卵黄に卵白がまとわっていき、
卵殻膜が形成され、最後に殻が形成され卵となる

 

排卵に適した環境・条件

雌鶏に抱卵させない

鶏には、卵をある程度の数産むと、
抱いて卵を温める習性があり、
卵を抱いている間は次の卵を産まない

この行動は、有精卵・無精卵に関係なく
行われるとされる

しかし、
卵を取ることで抱卵する卵がなくなると、
次々に卵を産むという性質がある

照明時間の調整

鶏の産卵には、1日にあたる光の長さが
重要な役割を果たしているとされる
(産卵期にあたる春の日照時間など)

光が視神経から脳に伝わり、
性腺刺激ホルモンの分泌を促進する

この性質を利用して、
飼育場の照明時間の調整をすることで、
卵を産みやすい環境にしている

 

 

 

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