シャンパンとスパークリングワインの違い
【シャンパン】
スパーリングワインの一種
フランスのシャンパーニュ地方産の、
特定の品種、製法のスパークリングワイン
【スパークリングワイン】
発泡性ワインの総称
シャンパン(Champagne)
フランス北東部のシャンパーニュ地方で、
特定の品種、製法にて造られるスパークリングワイン
フランス政府の「原産地呼称統制(AOC)」
という制度によって定められたワインのブランド
シャンパンにはラベルに「CHAMPAGNE」と表記される
シャンパンの条件
• 特定の地域・品種のブドウのみを使用
• シャンパン製法で造られたもの
• アルコール度数11%以上
• 15ヶ月以上熟成したもの
生産地
フランス・シャンパーニュ地方で造られていること
それ以外の地域で造られているスパークリングワインは
同じ品種・製法でも「Champagne」とは認められない
特定の品種のブドウ
シャンパンは、
使用できるブドウの生産地・品種が限られている
ブドウの生産地
「シャンパーニュ地方」
ブドウの品種
現在、主に用いられている品種は、
•「Pinot Noir(ピノ・ノワール)」…黒ぶどう
•「Pinot Meunier(ピノ・ムニエ)」…黒ぶどう
主に3種類がブレントして造られる
(単一品種のシャンパンもある)
品種の定義(1919年)
1919年の「AOC(原産地呼称統制)」による定義では、
指定品種は以下の通り
• Petit Meslier(プティ・メリエ)
• Pinot(ピノ)系品種
(シャルドネはピノ系品種と考えられていた)
品種の定義(2010年)
2010年の政令によれば、指定品種は以下の7つ
• Pinot Meunier(ピノ・ムニエ)
• Pinot gris(ピノ・グリ)
• Arbanne(アルバンヌ)
• Petit Meslier(プティ・メリエ)
• Pinot Blanc(ピノ・ブラン)
• Chardonnay(シャルドネ)
製造方法
シャンパン製法(トラディショナル製法)で造られる
シャンパン製法(トラディショナル製法)
ブドウを発酵させ、糖・酵母と一緒にボトルに詰め、
栓をすることで、ボトルの中で再度発酵が始まり
二次発酵を起こす(瓶内二次発酵)
これにより、
ボトル内の糖が炭酸ガスとアルコールに変わり、
ボトル内に炭酸ガスが満たされ、ワインにも溶け込む
この状態で最低15ヶ月、ボトルのまま寝かす
糖・酵母を入れる理由
発酵が進んでたくさんの二酸化炭素が溶け込むように、
瓶に入れる時に酵母と糖を混ぜて入れる
ボトルに積める理由
通常のワインは樽で発酵させるが、
途中でボトルに入れて密閉させることで
炭酸ガスを外に逃がさないようにする
モエ、ドンペリ
シャンパンは、
シャンパーニュ地方のキリスト教の修道士であった
「ドン・ピエール・ペリニヨン」によって、
17世紀に確立されたとされる製法
モエ・エ・シャンドン(通称:モエ)
「Moët & Chandon」はフランスのワイン製造会社
その会社が製造するシャンパンのブランド名
ドン・ペリニヨン(通称:ドンペリ)
「Dom Pérignon」は「ドン・ピエール・ペリニヨン」
にちなんで名付けられたシャンパン
(Moët & Chandon社が製造)
原産地呼称統制(AOC)
「Appellation d’Origine Contrôlée」
(アペラシオン・ドリジヌ・コントロレ)
1953年にフランスで成立した制度
フランスの農業製品、ワイン、チーズ、バター
などに対して与えられる認証であり、
特定の条件を満たしたものにのみ付与される
フランスの法律では、AOCの基準を満たさないものは
その名称で、製造・販売することは違法である
製法が同じスパークリングワイン
• FRANCIACORTA(イタリア)
• CAVA(スペイン)
• SEKT(ドイツ)
CREMANT(クレマン)
フランスのシャンパーニュ地方以外で造られるもの
(ボルドー、ブルゴーニュ、アルザス、ロワールなど)
ブドウの品種もシャンパンと同じものが使われる
FRANCIACORTA(フランチャコルタ)
イタリアのフランチャコルタ地方で造られるもの
ピノ・ビアンコ、シャルドネ、ピノ・ネーロが主要品種
CAVA(カヴァ)
スペインのカタルーニャ地方で造られるもの
マカベオ、パレリャーダ、チャレッロが主要品種
SEKT(ゼクト)
ドイツで造られるもの
スパークリングワイン(Sparkling wine)
スパークリングワインとは、発泡性ワインの総称
炭酸ガス(二酸化炭素)が多く含まれており、
栓を開けると瓶内の気圧が下がり、
ワイン内の炭酸ガスが気泡となって立ち上がってくる
スパークリングワインの種類
赤、白、ロゼのタイプや、甘口~辛口まである
スパークリングワインのラベルによく見られる
「BRUT(ブリュット)」は「辛口」という意味
スパークリングワインは、
一般的に「3気圧」程度以上のガス圧を持ったもので、
それに満たない発泡性のワインは
「弱発泡性ワイン」や「微発砲ワイン」とされる
スパークリングワインの製法
スパークリングワインの製法は、大きく分けて3種類
• シャルマ製法
• 炭酸ガス注入製法
シャンパン製法(瓶内二次発酵)
ボトルの中で二次発酵を行う方法
ワインに含まれているブドウ糖が発酵作用により、
アルコールと炭酸ガスに分解されアルコール発酵する
そのワインをボトルに入れ、糖分と酵母を加えて密閉し、
ボトルの中で二度目の発酵をさせる
瓶内で時間をかけて発酵し、熟成させることで、
きめの細かい泡となる
シャルマ製法(樽内二次発酵)
密閉したタンク内で二次発酵させる方法
(二次発酵をボトルではなく、密閉タンクで行う)
出来上ったものは、ガスが抜けないように
濾過機を通して瓶詰めする
タンクで一気に造るので大量生産に向き
コストパフォーマンスに優れる
(泡のきめ細かさは瓶内二次発酵には及ばない)
炭酸ガス注入製法
通常のワインに後から機械で炭酸ガスを注入する
風味は大味になり、泡が粗くなる傾向にある
比較的リーズナブルな
スパークリングワインに用いられている方法
世界各地のスパークリングワイン
フランス
【Champagne(シャンパン)】
シャンパーニュ地方で生産されるもの
【Crémant(クレマン )】
シャンパーニュ以外の地域で、
シャンパンと同様の製法で造られたもの
【Vin moussux(ヴァン・ムスー)】
シャンパンも含めたスパークリングワインの総称
「Vin effervescent」とも呼ぶ
【Pétillant(ペティヤン)】
弱発泡性のワイン
スペイン
【Espumoso(エスプモーソ)】
スペイン語でスパークリングワイン全般を表す
【Cava(カバ)】
特定地域でシャンパンと同様の製法で造られたもの
イタリア
【Spumante(スプマンテ)】
イタリア語で「発泡性の」という意味の言葉で、
スパークリングワイン全般(微発砲以外)を指す
【Franciacorta(フランチャコルタ)】
シャンパンと同様の製法で造られたもの
【Frizzante(フリッザンテ)】
イタリアで「微発泡」のものを指す
【Lambrusco(ランブルスコ)】
天然微発砲性で赤、白、ロゼがあり、
甘口から辛口まで様々なタイプが造られている
ドイツ
【Sekt(ゼクト)】
シャンパンと同様の製法で造られたもの
【Schaumwein(シャウムヴァイン)】
ドイツでのスパークリングワインの総称
コメント