「作務衣」と「甚平」の違い
【作務衣】
基本的に長めの袖、長ズボン
(足首までの長ズボン)
使用する生地によって通年、季節を問わず着用
(季節に合わせて様々なタイプがある)
【甚平】
基本的に半袖など短めの袖、半ズボン
(ひざ下ぐらいの半ズボン)
主に麻などを用いた、夏向けの衣類
(構造も風通しを良くしており、夏の暑さをしのぐ)
作務衣(さむえ)
もともとは、僧侶(お坊さんなど)が、
日々の雑事(作務)を行うときに着る作業着
ここでいう雑事(作務)とは、
掃除、薪割りなど寺院を維持するための作業
特徴
基本的に袖・丈が長めで、丈は足首までなど
(半袖作務衣といったものもある)
作業をすることが目的で作られたものなので、
動きやすかったり、作業しやすい工夫が各所にある
袖口や裾はゴムを通して絞ってあるものも多い
素材
「綿」が用いられたものが最も一般的だが、
季節や着用シーンによって素材は様々
綿のほか、
麻、ポリエステル、フリース、デニム地 など
着用シーン
現在では、くつろぐための普段着や
作業着として男女問わず多数利用されている
• 部屋着、普段着(外出着)
• 飲食店(店員の制服)
• 旅館(仲居の制服、客の部屋着など)
• 陶芸家、菓子職人
• 整体師、マッサージ師
• 僧侶(お坊さんなどの作業着)
など
歴史
いつ頃から使われ出したかは定かではない
もともとは、
上衣が膝くらいまであるものが一般的で、
下衣がなく、上下分離型ではなかったとされる
現在のような上下分離型の作務衣となったのは、
一説には昭和中頃であるとされる
名称の由来
もともと僧侶(お坊さんなど)が、
「日々の雑事(作務)を行うときに着る作業着(衣)」
というものであったため「作務衣」と呼ばれる
甚平(じんべい)
夏向けの涼やかな和装
夏を涼しく過ごす様に考えて作り出されたもので、
通気性に優れており、夏以外の季節には不向き
「甚平」は「甚兵衛」とも書く
特徴
基本的に上衣は半袖、下衣は膝下など短パン
(七分袖や、丈が膝上のものなどもある)
多くの場合、風通しをよくするため
脇縫い部や袖つけ部をタコ糸などで編んでいる
上衣に取り付けられている付け紐を
裏側と表で結んで着る
素材
麻、薄手の綿、麻と綿の混紡 など
着用シーン
男性や子供が着用することが多いが、
近年は女性が着用したりもする
• 夏の部屋着
• 夏祭りなどの外出着
など
歴史
一般的に普及し始めた年代は、
江戸時代末期や大正時代頃など諸説ある
昭和中頃までは下衣はなく、
膝を覆うぐらい長い上衣のみであったとされる
名称の由来
由来には以下など諸説ある
•「甚兵衛」という人が着ていたから
•「甚兵衛」という人が作ったから
•「陣羽織」に形が似ていたことから
こういったことから、
「甚兵衛羽織」や「陣兵羽織」と呼ばれ、
その後「甚平(甚兵衛)」となったとされる