印税(いんぜい)
「出版物」や「楽曲」など著作物の著作者に対し、
発行数、販売数、著作物利用などに応じて
支払われる著作権料
出版物の印税
出版物の印税は基本的に下記の計算によって
算出された金額が出版社から著作者に支払われる
「定価」×「部数」×「印税率」
定価
出版物の定価
(一般的に消費税を除いた金額)
部数
•「実売部数(売上印税)」
•「発行部数(発行印税)」
の2種類がある
どちらのタイプの契約が結ばれるかは、
基本的には出版社による
実売部数(売上印税)
実際に売れた部数の分だけ印税が支払われる契約
(売れた分しか印税収入を得られない)
売行きが伸び悩んだ場合に印税収入が得られないため、
初版発行時については発行部数のうち一定部数の印税を
保証して支払う「初版保証」という制度もある
電子書籍の場合
現物がなく、発行や増刷という概念がないので、
売上部数(売上印税)による印税となる
発行部数(発行印税)
発行した部数の印税が支払われる契約
(売れなくても発行部数分の印税収入が得られる)
まず、初版発行部数分の印税が支払われ、
増刷するごとに増刷分の印税が支払われる
印税率
出版社と著者の取り決めによるもので、
いくらでなければいけないという決まりはない
一般的には10%前後といわれるが、
5%以下などと少ない場合や、
15%以上などと多い場合もあり様々
楽曲の印税
楽曲の印税は、大きく分けて2種類
•「原盤印税」
•「著作権印税」
原盤印税
原盤印税は、CDなどの売上に応じて支払われる印税
(一般的には、「1枚当たり○円」といった契約)
アーティスト、レコード会社、プロダクションなど
関係者にCDなどの売上げに応じた対価が支払われる
契約によって、以下などの様に分配されたりもする
• 歌唱印税、アーティスト印税(歌唱者、演奏者)
• プロデュース印税
• プロモーション印税
著作権印税
作詞、作曲を行なった著作者や、
楽曲を管理する音楽出版社に支払われる著作権料
カラオケ、映画、ドラマ、CM、パチンコ
などで使用される際に発生する
JASRAC(日本音楽著作権協会)などが管理し、
「著作権使用料」として徴収し、決められた印税率で、
音楽出版社や著作者へ支払われる
名称の由来
「印税」という名称だが、租税(税金)の類ではない
かつて、出版物には「検印紙」が貼付されていて、
「著者検印」が押されていた
(発行部数の確認などのため)
そして、その検印紙の枚数に応じて報酬が支払われ、
この支払方法が印紙税の納付に似ている事から
「印税」と呼ばれるようになったとされる
(この検印紙による方法は、現在は使われていない)
著者検印
出版社が著作者に内緒で発行数を増やして、
その分の印税を払わないといったことなどを防ぐため、
確認のために押されていた著者の検印
その後、
検印の手間や著作者と出版社との信頼関係から
検印せずに「検印省略」などと表記されるようになり、
現在では、その表記もなくなっている