階級
ボクシングでは体重によって階級を設定し、
選手は階級ごとに分かれて試合を行う
プロボクシングの階級の数は「17階級」
単位
階級の基準となる体重を表す単位としては、
世界的にも一般的な「キログラム(kg)」ではなく、
基本的に「ポンド(lb)」が用いられる
(1ポンド=約0.4536kg)
これは、近代ボクシングが発祥したイギリスや
ボクシングの興行が盛んなアメリカなどが
その単位を用い続けているためとされる
階級名と重量
階級の名称は、以下の表の通り
団体によって名称が異なる場合があり、
表の主な名称は「WBA」と「WBC」のもので、
()カッコ内はそのほか団体による名称
階級名称 | 体重 (ポンド:Ib) |
体重 (kg) |
|
---|---|---|---|
1 | ミニマム級 (ストロー級) (ミニフライ級) |
105以下 | 47.62kg以下 |
2 | ライト・フライ級 (ジュニアフライ級) |
108以下 | 48.97kg以下 |
3 | フライ級 | 112以下 | 50.80kg以下 |
4 | スーパー・フライ級 (ジュニアバンタム級) (ライトバンタム級) |
115以下 | 52.16kg以下 |
5 | バンタム級 | 118以下 | 53.52kg以下 |
6 | スーパー・バンタム級 (ジュニアフェザー級) (ライトフェザー級) |
122以下 | 55.34kg以下 |
7 | フェザー級 | 126以下 | 57.15kg以下 |
8 | スーパー・フェザー級 (ジュニアライト級) |
130以下 | 58.97kg以下 |
9 | ライト級 | 135以下 | 61.23kg以下 |
10 | スーパー・ライト級 (ジュニアウェルター級) (ライトウェルター級) |
140以下 | 63.50kg以下 |
11 | ウエルター級 | 147以下 | 66.68kg以下 |
12 | スーパー・ウエルター級 (ジュニアミドル級) (ライトミドル級) |
154以下 | 69.85kg以下 |
13 | ミドル級 | 160以下 | 72.57kg以下 |
14 | スーパー・ミドル級 | 168以下 | 76.20kg以下 |
15 | ライト・ヘビー級 | 175以下 | 79.38kg以下 |
16 | クルーザー級 (ジュニアヘビー級) |
200以下 | 90.72kg以下 |
17 | ヘビー級 | 200超え | 90.72kg超え |
補足
以前は「WBA」と「WBC」においても
「ジュニア~級」「ライト~級」を採用していた
1998年に「WBA」と「WBC」でルールが統合され、
異なっていた名称も「スーパー○○級」に一本化
「WBA」や「WBC」以外の団体では、
「ジュニア~級」「ライト~級」の名称が今でも使われる
女子
女子は団体によって異なるが主に以下などの通り
ミニフライ級(ミニマム級)の下に
「アトム級」➝102ポンド(46.26kg)以下
が設けられていたりする
クルーザー級以上をヘビー級としたり
ライトヘビー級がなかったりなど、
スーパーミドル級より上の階級が、
一部または全部抜けていることもある
階級の歴史
ボクシングがスポーツとして行われたのは、
古代ギリシャ時代が始まりといわれる
(古代オリンピックの正式競技のひとつ)
その後、紆余曲折があり、スポーツの一種として
再び歴史に登場するのは18世紀のイギリス
歴史的には、近代までボクシングに階級制はなく、
無差別級で行われてきた
ヘビー級・ライト級・ミドル級
ボクシングで体重が重い方が有利なのは明らか
そこで体重差を考慮し、階級分けが導入されたものが
「ヘビー級(重量級)」と「ライト級(軽量級)」で、
その後、中間の「ミドル級(中量級)」が追加された
現在でも17の階級をざっくり三等分して
「軽量級、中量級、重量級」と言ったりもする
17階級
19世紀後半には、
「バンタム級」「ウェルター級」「フェザー級」
20世紀前半には、
「ライトヘビー級」「フライ級」
さらに、
「ジュニア○○級」などに階級が細分化されていき、
20世紀中盤頃には、さらに階級が細分化され、
1980年代後半に現在の「17階級」となった
階級細分化の背景
細分化の目的には以下などが考えられる
• 多くの階級を設けることで、頂点に登りやすくなる
(挑戦意欲を掻き立て、競技人口が増える)
• チャンピオンの数を増やし、興行的メリットを得る
(集客に繋がりやすい「タイトル戦」が増える)