ダイヤモンドは硬いが、割れる
「ダイヤモンド=硬い」と認識されているのは、
「モース硬度(ひっかきに対する硬さ)」などが、
天然の鉱物の中で最も高いことによる
ただし、ダイヤモンドは
耐久性を表す「靭性」が決して低くはないが、
モース硬度の圧倒的な高さのようには高くなく、
特定方向に割れやすい性質「へき開性」も有する
つまり、
「硬い」物質だが、衝撃などに弱い一面もあり、
カナヅチなどで叩くとヒビや割れが生じたりする
硬さ
「硬さ」には様々あり、以下などがある
• ひっかきに対する硬さ
• 押し込みに対する硬さ
• 曲げに対する硬さ
宝石の硬度を表す場合は主に、
「モース硬度(ひっかきに対する硬さ)」を用いる
補足
押し込みに対する硬さを測定する試験には、
「ビッカース硬さ」や「ヌープ硬さ」などあるが、
それらの圧子には「ダイヤモンド」が用いられる
これは、ダイヤモンドが最も硬く、
他の物質を押し込むことができるため
モース硬度
鉱物に対する硬さの尺度の一つで、
「キズのつきにくさ」を表した単位
(評価は10段階)
ダイヤモンドのモース硬度
ダイヤモンドは最も高い「10」
他の物質ではダイヤモンドに傷はつけられず、
ダイヤモンドは、物質全てを傷つけることが可能
このため、ダイヤモンドを加工するには、
ダイヤモンドやレーザーを使用しなければならない
その他物質のモース硬度
• アルミニウム(2~3)
• 金、銅(2.5~4)
• 鉄鋼(5~8.5)
• 水晶(7)
• ルビー、サファイア(9)
など
靭性
物質の粘り強さ、割れ欠けに対する抵抗力
衝撃や破壊に耐える力
(評価は10段階)
宝石のなかで靭性が高いのは、
「ルビー、サファイア、翡翠」(靭性8)などで、
割れにくさではダイヤモンドより優れている
ダイヤモンドの靭性
ダイヤモンドの靭性は「7~7.5」
ダイヤモンドの靭性は水晶と同じくらいで、
割れにくい方ではあるが、割れないことはない
また、
細かいダイヤモンドの結晶が複雑に集積した
「カーボナード」と呼ばれる鉱物は、
単結晶ダイヤモンドよりも靱性が大きい
(靭性は最も高い「10」)
ダイヤモンド
ダイヤモンド (diamond) は鉱物の一つ
和名は「金剛石」
地球上で確認されている中で最も硬い天然の物質
炭素から成る元素鉱物の一つ
炭素系元素鉱物には他に黒鉛(グラファイト)がある
(見た目の違いは、炭素の結晶構造の違いによる)
• ダイヤモンド➝「立体的な網目状構造」、
• 黒鉛➝「網目状の平面構造」が繋がって形成、
この構造の違いが、性質に大きく影響している
天然ダイヤモンドの形成
ダイヤモンドは、
地中深くの高温高圧環境で形成される
何千、何億年という長い年月の間、
地中深くで高温高圧がかかることにより、
炭素塊が変化して出来る
へき開性
結晶が、特定方向に対して割れやすい性質
ダイヤモンドの場合、
炭素原子の結合が緩い部分が「へき開面」となり、
その面に並行に力を加えると割れやすい
ダイヤモンドを加工する際には、
この性質を利用したりする