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「美人局(つつもたせ)」は男女が共謀して行う犯罪行為

美人局(つつもたせ)

夫婦などの男女が共謀し、
示し合わせて行う恐喝・詐欺などの犯罪行為のこと

「女」が「標的となる男」と性的関係をもち、
それを言い掛かりとして「女のパートナーの男」が
「標的の男」に対して、金銭などを要求する行為

「美人局」は、そのまま読むと「びじんきょく」だが、
「つつもたせ」が正しい読み方となっている

 

 

 

詳細

夫婦である必要性

美人局は、夫婦関係にある男女で
犯行に及ぶケースが多いとされるが、
必ずしも夫婦関係が必要であるということはない

愛人関係にある男女や、
交際関係のない男女によって行われるケースもある

 

肉体関係の必要性

美人局による手口では、
肉体関係を理由に金銭を要求することがほとんど

ただし、肉体関係を結んでいなくても、
行為に及ぼうとしたことに難癖をつけて
金銭などを要求するということもある

 

 

 

手口例

手口例①

知り合った女から誘われ部屋に行き、
ターゲット(男)と女の行為中や行為直後に、
パートナーの男が乗り込み、金銭を要求し恐喝
(最も典型的な例)

手口例②

行為のあった日から数日たった後に、
証拠写真やビデオなどを突き付け、金銭を要求

 

18歳未満の未成年者による手口

18歳未満の女が年齢を偽り男を誘惑するケース

18歳未満の女と関係を持ったことで、
「児童買春」などで罰せられるかもしれないという、
弱みをついた手口

 

パートナーの男

暴力団関係者であることをほのめかしたり、
高圧的に恐喝して金銭を要求するということも多い

 

美人局との出会い

• 出会い系サイト、掲示板などを利用
• 飲み屋で知り合った女

など

 

 

 

語源

「美人局」は元々は漢語であり、
日本語の「つつもたせ」とは別の言葉

「美人局」と「つつもたせ」の意味が似ていたので、
漢語の「美人局」に和語の「つつもたせ」を
当て字したとされる

この言葉を用いた例は江戸時代の文献には登場している

 

美人局

• 「美人(美しい人)」
• 「局(欺く・騙す)」
という言葉が元となっている漢語

「美人局」は、
中国の宋、元の時代の文献には既に見られる
(1200年頃の風習が記された「武林旧事」など)

内容としては、
美しい娼婦を使って、妻や妾(めかけ)にすることを
若い男に持ちかけて騙すといったもの

 

つつもたせ

説①

元々は博打用語で、イカサマ行為を意味する用語で、
サイコロ博打において、細工した筒を使ったイカサマ

それが転じて、
詐欺やインチキそのものを指す言葉となり、
男女関係を利用した詐欺にも使われるようになった

説②

平安時代に筒の中にサイコロを入れ振る遊び
「盤双六」が流行し、賭け事にも使われた

賭け事には騙し合いがつきもので、いつしか
「筒持たせ=賭博で騙す」という意味で用いられた

江戸時代になると「騙す」という共通点から、
女を使って男から金銭を騙し取る行為にも使われた

説③

俗説として、「筒」が女性器を表す隠語であり、
男性に女性をあてがう「筒を持たせる」ということから
「つつもたせ」の言葉が生まれたとされることもある

 

 

 

類語・似た言葉

ハニートラップ

女性が男性を誘惑して利益を得る構造
(その一種に美人局があるといったイメージ)

男女関係をネタに不当な要求をしたり、標的の失脚や
機密情報獲得を図るなどの行為全般を意味することが多い
(美人局は、ほとんどが金銭の要求を目的としたもの)

ハニートラップの場合は、
必ずしも犯罪が成立するとは限らない
(美人局は、犯罪行為であることが明白)

 

お局(おつぼね)・お局様(おつぼねさま)

職場に長く在籍するベテランの女性社員を指して、
「意地悪」や「口うるさい」といった意を含み、
そういったOLに対して使われることが多い用語

行き後れというイメージで用いられることも多い
(婚期を過ぎても結婚出来ずにいる女性社員)

「美人なお局」もいることから、
「美人局(つつもたせ)」と混同されることもある
(「美人局」を「美人なお局」のことと勘違い)

 

 

 

美人局に関わる罪

加害者側に関する罪

美人局は、犯罪行為であり、
「脅迫罪」「詐欺罪」「恐喝罪」などによる処罰の対象

 

脅迫罪

肉体関係を持ったことを相手の弱みとし、
脅迫する行為は脅迫罪にあたる
(2年以下の懲役または30万円以下の罰金)

 

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し
害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、
二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する

(「刑法・第222条」より)

 

詐欺罪

共謀して金銭を騙し取る行為は詐欺罪にあたる
(10年以下の懲役)

 

人を欺いて財物を交付させた者は、
十年以下の懲役に処する

(「刑法・第246条」より)

 

恐喝罪

弱みを握って恐喝し、
金銭を要求する行為は恐喝罪にあたる
(10年以下の懲役)

 

人を恐喝して財物を交付させた者は、
十年以下の懲役に処する

(「刑法・第249条」より)

 

 

被害者側に関する罪

女性の意思に反し性交渉等をした場合、
「強制わいせつ」や「強制性交等」などの
対象となる場合がある

しかし、美人局の場合は、
基本的には同意のもとで性行為が行われるので、
通常、これらの罪に問われることはない

ただし、女性が18歳未満の場合は、
児童買春」などの罪に問われる可能性がある

 

女性が18歳未満の場合

18歳未満の者と「淫行」がなされると、
その行為そのものが「淫行条例」や「児童買春
などの法律に違反する可能性がある

相手が18歳未満であることを知らなかった場合には
犯罪の故意が認められず、これらの犯罪は成立しない

ただし、会話の経緯等から、
18歳未満であることを認識していた場合には
犯罪の故意が認められる場合がある

 

 

 

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