「領収書」と「レシート」の違い
「領収書」は英語で「receipt(レシート)」であり、
これらは基本的には同じ意味合い
領収書➝「手書き」、レシート➝「機械印字」
という区別がされることもあるが、
本来は同様のものを指す
領収書
支払いの事実を証明するもの
その名称として「領収書」という語が用いられる
「領収書」が正式名称というわけではない
(法律において、特に正式名称は定義されていない)
領収書に必要な記載事項
領収書(請求書等)として認められるためには、
以下の5点の記載が必要とされている
イ. 書類の作成者の氏名又は名称
ロ. 課税資産の譲渡等を行った年月日
ハ. 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ. 課税資産の譲渡等の対価の額
ホ. 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
(「消費税法・第30条9項1号」より抜粋)
解釈
イ➝「領収書発行者」
ロ➝「取引日時」
ハ➝「取引内容」
ニ➝「取引金額」
ホ➝「領収書受取人」
手書きの領収書の特徴
必要な記載事項が全て記載されるようになっている
取引内容には細かな表記がされないことが一般的で、
取引の詳細はわかりづらい
レシートの特徴
一般的に、
レジスターによって機械印字されたものを言う
必要な記載事項のうち、
「領収書受取人(宛名)」が記載されない
取引日時、内容、金額は、細かく記載され
手書きの領収書に比べて詳細がわかりやすい
手書きの領収書が必要とされる理由
• 印字ではない
• 領収書=正式のイメージ
• 会社の規定
宛名がある
宛名があるということは不正防止の意味で重要
宛名の記載がないと、
他人が取得したものでも利用できてしまう
印字ではない
手書きしたものは、
感熱紙を用いたレシートに比べ劣化しにくい
レジ機で印字される感熱紙を用いたレシートは、
日数経過に伴い印字が薄くなったり、消える事もある
領収書=正式のイメージ
手書きの領収書は古くから使われ、
そのやりとりしてきた文化・歴史から、
「正式」であるというイメージがついている
会社の規定
会社規定で手書きの領収書が指定されている場合は、
それを準備しないと経費計上がされない
レシートの信頼性
領収書の場合は、基本的に詳細は記載されないので、
業務に関係ない清算も業務関連の領収書に織り交ぜて
複数の取引内容を1枚にまとめるなど不正が行いやすい
その分、レジにより発行するレシートは、
詳細な取引内容が記載される場合が多い
(信頼性が高いと言える)
補足
小売業などに関しては
領収書に「宛名」が必要ない場合もあるので、
このような場合はレシートの方が有効と言える
近年では、
「宛名」や「但し書き」の記入欄があるレシートを
発行することができるレジも普及している
同時に渡されない
「領収書」と「レシート」は等価値なので、
同時に渡すということは、領収書を2枚渡すようなもの
そうすると、
二重に申請するといった不正行為ができてしまう
このため、
「領収書」と「レシート」は一緒に渡さなかったりする