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ガソリンスタンドにおける「給油中のエンジン停止」の必要性

給油中のエンジン停止

ガソリンスタンドなどにおける、
給油中の自動車などの「エンジン停止」は、
消防法と、それに関する政令によって定められている

 

 

 

給油中のエンジン停止に関する政令

政令では、給油に関して以下の様に定められている

自動車等に給油するときは、
自動車等の原動機を停止させること

(「危険物の規制に関する政令・第27条6項1-ロ」より)

 

補足

「自動車などの原動機」…エンジンのこと

「危険物の規制に関する政令」は、
「消防法・第三章(危険物)」の規定実施のための政令

 

政令に反した場合

この政令に反した場合に責任が問われるのは、
エンジンを停止しないドライバーではなく、
危険物を取り扱っている事業者(ガソリンスタンド側)

つまり、
これによりドライバーが罰則を受けることはない

ただし、
著しく「エンジン停止」に応じなかったり、
従業員に危害を加えるようなことがあれば、
ドライバーが罰されることも考えられる

 

 

 

「給油中エンジン停止」の表示

平成10年3月13日の「消防危第25号 第2の5の⑵」
消防庁危険物規制課長から都道府県消防主管部長への達し
において、セルフのガソリンスタンドにおいては、
給油中エンジン停止」などの表示が必要との記述がある

このことから、セルフのガソリンスタンドには、
見えるところに「給油中エンジン停止」の表示があり、
使用者は、その表示に従うべきである
(表示がない場合、営業停止処分になる場合もある)

フルサービスのガソリンスタンドの場合は、
表示の義務は特にないが、従業員が促さなければならない
(徹底されていないと、営業停止処分になる場合もある)

 

 

 

給油中エンジン停止の理由

給油中のエンジン作動によって
事故が起こる可能性は低いかもしれないが、
ガソリンによる火災は深刻になる恐れがある

このため、
少しでもそのリスクを無くすということが求められる

また、誤発進を防止させるという効果もある

 

 

エンジン停止による引火の防止

ガソリンの引火点は「-43℃以下」で、
その温度ではガソリンは気化した状態
(軽油の引火点は少なくとも「40℃」以上)

気化した可燃性蒸気が酸素と混合することで、
可燃性ガスとなり、混合比により燃えやすい状態となり、
火花(スパーク)や火気があれば、すぐ引火する

セルフのガソリンスタンドなどで、
静電気除去を徹底しているのは、
静電気のスパークによる引火を防止するため

 

補足

エンジンの停止をすることによって、
マフラーから火が出る「アフターファイヤ」など、
点火源となる可能性のあるものを防ぐことができる

アフターファイヤ

エンジンの不具合によって起こる現象
(発生する可能性は少ない)

 

液体の状態のガソリン

ガソリンは液体の状態だと、ほとんど酸素と混合せず、
可燃性はほとんどない

例えば、タバコの火などがガソリンの液体についても、
燃えることなくタバコの火が消えることになる

 

 

エンジン停止による発火の防止

火花や火気がない状態でも火が発生する「発火」は、
軽油やガソリンの場合、200℃を越えると危険度が増す

場合によってはマフラーが200℃を越えることもあるが
エンジン停止で直ちに熱が冷めるということもないので、
この場合、必ずしも危険の防止ができるわけではない

ただし、エンジンをかけているよりは
少しなりとも、リスクは減る

 

 

誤発進防止

エンジンを停止させることによる効果として、
誤発進を防止させるという効果もある

ガソリン給油中にエンジンかけっぱなしのために
自動車が誤発進することによる衝突事故や、
ノズルが外れてガソリンをまき散らすといった事象は、
実際に何件も発生しているとされる

 

誤発進の要因

• ブレーキ忘れ
• 子供のいたずら

など

 

 

 

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