ラグビーとは?
ラグビーの特徴でもある、楕円形のボールを相手陣の得点エリア(インゴール)に運ぶ、陣取りゲームです。屈強な男たちがボールを奪い合う、激しいコンタクトスポーツでもあります。
ラグビーは1チーム15人、計30人(15人制)で楕円のボールを奪い合いながら、パス、キック、走るなどのプレーで相手インゴールを目指す(トライを取る)「陣取り合戦」のスポーツです。
ラグビーは15人対15人の計30人、前半40分・後半40分・計80分で行われます。
得点方法はボールを相手陣地のインゴールに持ち込むことで『トライ』となり得点となります。ボールを前に運ぶにはボールを持って前に進んだり、ボールをキックしたりといった方法がありますが、ボールを前にパスすることはできません
ラグビーは後ろへのパス(手を使ったパス)、キックや突破などで相手インゴールを目指し前進していきます。その間に、ボールを持ったプレーヤーに対し相手プレーヤーはタックルをして前進を阻止しようとします。その際によく形成される団子状態のプレーが「モール」や「ラック」となります。また、激しい動きの中でボールを前にパスしたり(スローフォーワード)、ボールを前に落としたり(ノックオン)、タッチラインの外に出てしまったりすることがあります。その際にプレーは止められ、「スクラム」や「ラインアウト」といったセットプレー(ルール解説3の動画参照)からゲームが再開されます
先ず、ラグビーの基本概念。“ラグビーは陣取りゲーム”だということです。
1つのボールを2チームの選手が奪い合い、ボールを持って敵地に攻め入るのです。こうして攻め入り、目指す先は敵地のインゴールと呼ばれるスペース。このスペースにボールをタッチさせることにより得点が認められます。この得点をトライと言います。両チームの選手達は、このトライを得るために、お互い体をぶつけ合い、ボールを奪い合って攻防を繰り返すのです。
それでは次にボールの扱い方です。ボールは、持って走ること、手で放る(パス)こと、足で蹴る(キック)ことが認められています。また、全身のどこにボールが触れても問題はありません。
ただ、このボールの放り方に大きな特徴があります。それは、ボールを前に放ってはいけない、ということです。ボールを放る場合は、自分より後ろにいるプレーヤーにしか放れないのです。
また、得点には、トライ以外にもキックで得られるものがあります。これは、ゴールポストの間のクロスバーより上の空間にボールを蹴り通すことにより認められます。このキックを「ゴールキック」と言います。
アンプレイアブル
モール・ラックからボールがでない場合にレフリーの判断でアンプレイアブルとなります。ラックの場合は前進していたチームもしくはボールを持ち込んだ側のボールでスクラムとなります。モールの場合は持ち込んだ相手側ボールとなります。
シンビン
レイトタックル等の危険なプレー・故意的に反則をする(反則を繰り返す)・暴力行為等の非紳士的行為をすると警告・退場を命じられます。警告の場合レフリーはイエローカードを示し10分間の一時的退場を命じます(シンビン)、退場の場合はレッドカードを示し退場を命じます。
リザーブ
リザーブの登録が8名まで許されています。リザーブを含めた23名のうち6名はフロントロー(第1列目/1~3番)としてプレーが可能な選手を登録することが義務付けられています。
出血退場
出血したプレイヤーは出血が確認された時点で、止血処理をする為に一時交代することとなります。止血処理に許される時間は15分間で、時間内に止血処理ができない場合はそのまま交代となります。
ラグビー理解の基本中の基本「ボールは前に出せない」
ラグビーのルールを理解するために、おさえるべきことはたったひとつ。ボールを前に放ってはいけないということです。少しでも前方にパスを出せば「スローフォワード」という反則を、ボールを前に落としてしまうと「ノックオン」という反則をとられます。また、前方へのパスだけでなく、ボールより前に出てプレイすることも禁じられています。これを犯すと「オフサイド」という反則をとられます。選手は常にボールより前に出ることなく、前進しつづけ敵陣を突破し得点を重ねる
ボールより前方にいるプレイヤーにパスすることを禁じています。ボールより前に出てプレイすることも禁じています
ボールを前進させるには、ボールを持って進むか、または前方に向かってキックをして、敵陣のゴールラインを目指していきます
守る側の選手は、相手の前進をタックルして阻止します。ボールを持っている選手にしかタックルはできません。
アドバンテージ
反則が起こってもゲームを止めずにプレーを続けた方が、反則を受けたチームに有利になると審判が判断した場合は笛を吹かず、プレーは続行されます。
選手人数・競技人数
15人vs15人
フィールド上には、1チーム15人、両チーム合わせて計30人で試合を行います。登録人数はリザーブ8人を併せ、一試合1チーム23人となります。
出場人数は1チーム15人。両チーム合わせて30人で試合を行ってます。1チーム23人まで選手登録ができ、出場15人の残りの8人はリザーブと呼ばれます。
1チーム15人、両チーム合わせて30人でラグビーは行われます。(7人で行うラグビーもあります)
ゲームに同時に出られるのは1チーム15人ですが、プレーヤーが怪我や故障をした場合や、戦術的な理由によりプレーヤーを入れ替えることができます。この交代要員としては7名がそれぞれ認められています。つまり、15人+7人、合計22人まで最大でメンバーを揃えることが出来ます。なお、一旦試合から出たプレーヤーは、基本的にはゲームに再出場することは出来ません。
試合時間
前半40分 後半40分
試合は前半40分、後半40分の計80分で行われます。ハーフタイムは12分以内と定められています。
ラグビーは前後半のハーフ制で行われます。前後半はそれぞれ40分で、その間に10分以内のハーフタイムが設けられています。(高校生では30分ハーフ/ハーフタイム5分以内)
それぞれのハーフには、選手の怪我や故障などでプレーが止まっていた時間をロスタイムとして加算します。普通は1~3分程度のロスタイムが加算されます。
また、ラグビーには基本的には延長戦はなく、同一得点の場合は引き分けとなりますが、抽選、トライ数などで勝敗を決める場合もあります。
ゴールと得点
得点方法はトライかキックの2種類
パスをつないで敵陣のインゴールと呼ばれるスペースにボールをタッチすればトライ。5点の得点となります。トライが成立すると「コンバージョンキック」の機会が与えられ、ゴールポストの間のクロスバーより上の空間にボールを蹴り通すとさらに2得点が加点されます(コンバージョンゴール)。また通常のプレイ中にドロップキックでゴールを決めても得点できます(ボールを前に放ることはできなくてもキックは認められています)。3点の得点です。そのほか、相手チームの反則に対して得られるキック(ペナルティキック)でも得点できます。ペナルティゴールといって、成功すれば3点が得られます。
トライ、ゴールキック、ペナルティゴール、ドロップゴール、ペナルティトライ
トライによる得点
トライ(T):5点
相手のインゴールにボールを押さえる
ボールを相手ゴールラインの向こう側のインゴールに持ち込み地面につけるか、インゴールに入ったボールを押さえ込むことでトライが成立します。
相手陣インゴールの地面に、ボールを着けるとトライとなります。さらに、トライをした場所から自陣に向かい真っすぐ下がった場所から、コンバージョンキックの機会が与えられます。
敵陣インゴール内の地面にボールをつけることをトライと言います。得点として一番大きく、5点が加算されます
ボールを相手インゴールの地面につけることで5点が与えられます。
敵地のインゴールと呼ばれるスペースにボールを着地させることにより認められます。このボールの着地は、ボールを持ち込んだプレーヤーがボールに触れた状態でないと認められません。例えば、ボールが転がっていってインゴール内に入ってもトライになりません。このボールをとらえ、地面に触れさせた時点でトライと認められます。
相手側のインゴールにあるボールを地面に押さえ込む、または自らボールを持ち込んで押さえ込むことでトライ成立となります。ゴールライン上に押さえ込んだ場合もトライとして認められます。5点が加算されます。
ペナルティトライ・・・7点
相手チームの反則がなければ、間違いなくトライと認められた場合に限り、ゴールポストの中央にペナルティトライが与えられます。通常のトライと異なり、コンバージョンキックは行いません。
守備側に重い反則があり、その反則がなければ攻撃側はトライできていただろうと審判が判断した際に、攻撃側に認められるものです。自動的に7点が加算されます。
相手チームの反則がなければ、ほぼ間違いなくトライが得られていた、と認められた時に与えられるトライです
レフリーが「相手側の反則がなければ確実にトライ成立であった」と判断した場合に適応されます。この場合トライはゴールポスト真下で成立したことなります。また、コンバージョンキックは行われず、自動的に2点も加算されます。
ゴール(G):2点 コンバージョンゴール・・・2点
トライ後のゴールキックが成功
トライが成立したチームに与えられる、追加得点チャンス。
トライ地点から、フィールド左右のタッチラインに平行な線上の任意の地点からキックができます。
ボールを地面に置いた「プレスキック」、またはワンバウンドさせる「ドロップキック」でゴールを狙います。ボールが、左右のゴールポスト間でクロスバーの上を通過すれば得点となります。
トライをすると、コンバージョンキックの機会が与えられます。トライをした位置の延長線上から、ゴールポストにボールを蹴り込みます。ゴールポストのクロスバー上を超えると得点となります。
コンバージョンキック/コンバージョンゴールコンバージョンキックとはトライを決めた後に得られるキックのこと。トライを決めた地点とタッチラインの平行線上からゴールキックを狙います。コンバージョンゴールはコンバージョンキックが成功した場合の得点。2点を得ることが出来ます
トライ後に攻撃側の選手がキックを成功させると与えられる得点です。H型ポールの内側かつ、クロスバーの高さを超えて、通過すれば2点が加算されます
トライ後に与えられるゴールキックです。トライした地点の延長線上から狙い、ゴールポストのクロスバーを通過すると2点が与えられます。
トライを決めた後、トライした側のチームがゴールキックを成功させた場合に認められます。
トライ成立後に与えられるゴールキック。トライ成立地点の延長線上からゴールを狙うことができます。キックしたボールがゴールポストの間を通過すると成功となり、2点が加算されます。
ペナルティーゴール(PG):3点
相手のペナルティーからのゴールキックが成功
相手の反則により与えられたペナルティーキックで、ボールが左右のゴールポスト間でクロスバーの上を通過すれば得点となります。
相手チームがペナルティを犯した場合、その地点からゴールポストを狙うキックを選ぶことができます。ゴールポストのクロスバー上を超えると得点となります
相手チームが重い反則をした場合、ペナルティゴールをする権利が与えられます。ペナルティキックを得た地点からボールを地面においてキックし、成功すれば3点加算されます。
相手チームが重い反則を犯した際に得られるゴールキックです。ゴールポストのクロスバーを通過すると3点が与えられます。
相手チームの反則に対して得られるキックで、そのキックでゴールキックを成功させた場合に認められます。
相手がペナルティを犯した地点でペナルティキック(PK)となり、ペナルティゴールを狙うことができます。キックしたボールがゴールポストの間を通過することにより成功となり、3点が加算されます。
ドロップゴール(DG):3点
プレーの最中にドロップキックでゴールが成功
プレー中に、ボールをワンバウンドさせる「ドロップキック」でゴールを狙い、左右のゴールポスト間でクロスバーの上を通過すれば得点となります。
プレーの最中にボールを地面にワンバウンドさせて蹴ることで、直接ゴールポストを狙うことができます。ゴールポストのクロスバー上を超えると得点となります。
「ドロップキック」ボールを地面に一度落下させ、跳ね返ってきたボールを蹴るキックのこと
通常のプレー中に、ボールを地面に落とし、跳ね返ったボールを蹴ることにより、ゴールキックを成功させるものです。成功すれば3点加算されます。
プレー中にボールをワンバウンドさせて狙うゴールキックです。ゴールポストのクロスバーを通過すると3点が与えられます。
通常のプレー中に、ドロップキック(ボールを地面に落とし、跳ね返ったボールを蹴ること)でゴールキックを成功させた場合に認められます。
プレー中にボールを一度地面にバウンドさせキックすることをドロップキックと呼びます。そのキックしたボールがゴールポストの間を通過するとドロップゴール成功となり、3点が加算されます
ゲームの開始
キックオフ
前後半のゲーム開始や、得点後のゲーム再開は、グラウンドの中央から、ボールをワンバウンドさせる「ドロップキック」で始めます。
ボールを前進させる
相手ゴールに向かってボールを前進させる方法は、次の2つだけです。 「ボールを持って進む」 「キックする」 ボールを味方にパスする時は、必ず自分より後方に投げなくてはいけません。前方に投げると反則となります。
また、プレーヤーがボールを前方に落としたり、手や腕に当たったボールが前方に弾かれて進んだ場合も反則となります。
タッチキック
相手チームの反則によってペナルティーキックをもらった場合に、あえてボールをタッチラインの外に蹴りだし、相手との接点を前進させようとするプレー。
自陣22mライン内からのキックまたはペナルティーキックの場合は「ボールが外に出た位置」、それ以外の場合は「キックした位置」から、ラインアウト(後述)によりゲームを再開します。
パントキック
味方や自分にパスを送るための短いキックを「ショートパント」、味方の選手が突進して行く地点を予測して高く蹴り上げるキックを「ハイパント」といいます。
ハンドオフ
タックル(後述)を仕掛けてきた相手プレーヤーを、ボールを持っていない方の手で突き放す高度なプレー。
ダイレクトタッチ
キックしたボールがダイレクトにタッチラインを越えることを指します。22mラインの内側からボールを蹴った場合、ボールがタッチラインを越えたところで相手スローインとなります。22mラインの外側から蹴ったボールがダイレクトタッチだった場合は、ボールを蹴った地点からゴールラインと平行線上のボールが出た側のタッチラインでの相手スローインとなります。また、22mラインの外側にあったボールを22mライン内側に一度戻して蹴ったボールがダイレクトタッチになった場合も同様にボールを蹴った位置からの相手スローインとなります。ペナルティキックから蹴った場合は蹴った位置に関わらず、タッチラインから出た地点でのマイボールラインアウトとなります。
相手の進撃を阻止する
タックル
ラグビーの醍醐味ともいえる、自分の身を挺した勇猛果敢なプレー。
ボールを持った相手プレーヤーの体に激しく飛び込み、相手を倒すのが目的。
ボールを持っていない相手にタックルすると反則になります。
ボールを持っている相手プレーヤーに飛びかかり、そのプレーヤーを倒す、もしくはボールを地面に着けさせることを言います。
相手プレーヤーを捕らえ、倒すという行為がタックルになりますので、このプレーには常に危険がつきまといます。そこで、タックルには禁止事項も多く定められています。
【禁止されているタックル】
- 肩より上へのタックル(ハイタックル)
- 相手プレーヤーがボールを持つ前のタックル(アーリータックル)
- 相手プレーヤーがボールを手放した後のタックル(レイトタックル)
- プロレスのラリアットのように相手の首に腕をひっかけて倒そうとするタックル
(スティファームタックル)
モール
両チームの選手が、立ったまま「手に持った」ボールを奪い合うために密集状態になること。
モール状態が長く続くと、レフリーの判断でスクラム(後述)に移行します。
ボールを持ったプレーヤーを中心に、両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合った状態
ボールを持ったプレーヤーを中心に、両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合った状態をモールと言い、ボールを持ったプレーヤーを中心に、攻めているチームのプレーヤーが力を合わせて押し込み、相手のディフェンスラインを崩すことをドライビングモールと言います。
モールへは、腰をかがめすぎない状態(頭と肩は腰より上の位置)で、他のプレーヤーをしっかり支える形で参加しないといけません。また、いったん組まれたモールを崩したり、モールの上に飛びかかるようなかたちで参加してはいけません。
ラック
両チームの選手が密集状態になり、「地上にころがった」ボールを「足のみ」で奪い合うプレー。
ラック状態が長く続くと、レフリーの判断でスクラム(後述)に移行します。
地面に転がっているボールを、両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合って奪い合う状態
地面に転がっているボールを、両チーム合わせて3人以上が立った状態で組み合って奪い合う状態をラックと言います。ラックもモールと同様に、いったん組まれたラックを崩したり、ラックの上に飛びかかるようなかたちで参加してはいけません。
ドロップアウト
攻撃側がインゴールに蹴りこんだボールを、防衛側が自らタッチダウンすることで攻撃を中断させるプレー。
防衛側の22mライン内側からの、ボールをワンバウンドさせる「ドロップキック」でゲームを再開します。
ボールがデッドボールライン・タッチインゴールを越えるまたはプレイヤーが自陣のインゴールにボールを押さえ込んだ場合にドロップアウトまたはキャリーバックとなります。
この違いはボールがインゴールに入る前にどちらのチームが最後にボールに触れたかで決まります。押さえ込んだ側のチームが最後に触れていたらキャリーバック、その逆はドロップアウトとなります。ドロップアウトはボールを押さえ込んだチームが22mラインよりも内側からドロップキックをしてプレーを再開します。キャリーバックは逆のチームのボールでゴールラインから5mの地点でスクラムとなります。
キャリーバック
防衛側が自陣のインゴールにボールを持ち込み、自らタッチダウンすることで、相手の攻撃を一時的に中断させるプレー。
防衛側には体制を立て直すチャンスができますが、ゴール前5m付近から相手ボールのスクラム(後述)で試合が再開されるため、さらなるピンチを招くこともあります。
フェアーキャッチ
攻撃側がキックしたボールを防衛側のプレーヤーが自陣22mライン内でキャッチし、同時に「マーク」と宣言するとフェアーキャッチが認められ、試合が中断されます。
キャッチした地点で、キャッチしたプレーヤーによるフリーキック(後述)で試合を再開します。
中断後のプレー再開
スクラム
軽い反則からのプレー再開などに適用されます。
双方のフォワード8人ずつがガッチリと組み合い、スクラムハーフが投入したボールを味方にかきだすために押し合います。
8人の息が合わなかったり、相手との駆け引きがうまく行かないと、回ったり潰れたりします。
潰れた場合はもちろん、90度以上回った場合にも組み直しとなります。
ノックオンやスローフォワードなど、軽い反則があった後に行われるプレーのリスタート方法。両チームのフォワード8人同士が組み合い、両チームが組み合った中間に、一方のチームのプレーヤー(スクラムハーフ)がボールを投げ入れます。投げ入れられたボールを、投げ入れたプレーヤーのいるチームが足で後ろにかきだし、スクラムを組んだ最後方のプレーヤー(ナンバーエイトやスクラムハーフ)がボールを取り出すことによってプレー再開。多くの場合は投げ入れたプレーヤーのいるチームのボールとなって再開されますが、相手チームの圧力が強かったりした場合は、ボールを奪われてしまうこともあります
軽い反則、あるいは競技の停止があった後、早く、安全に、公平にプレーを再開するために行われるものです。両チームのFWの選手各8人が組み合い、9番(スクラムハーフ)が入れたボールを掻き出します。
ボールを所持していたプレーヤーがボールを前に落としてしまったり(ノックオン)、ボールを前に投げてしまったり(スローフォワード)、軽い反則があった後に行われるプレーのリスタート方法です。
両チームのフォワード(FW)8人同士が組み合い、両チームが組み合った中間に、一方のチームのプレーヤー(スクラムハーフ)がボールを投げ入れます。投げ入れられたボールを、投げ入れたプレーヤーのいるチームが足で後ろにかきだし、スクラムを組んだ最後方のプレーヤー(ナンバーエイトやスクラムハーフ)がボールを取り出すことによってプレーが再開されます。
多くの場合は投げ入れたプレーヤーのいるチームのボールとなって再開されますが、相手チームの圧力が強かったりした場合は、ボールを奪われてしまうこともあります。
なお、スクラムでは、組んだ状態のまま回転してはいけません。
ノックオンやスローフォワード等の反則があった場合、スクラムとなります。双方8人ずつのプレイヤーが組み合います。
90度以上回転した場合および崩れた場合はボールを所持していた側のボールで組みなおしとなります。
フリーキック
やや重い反則からのプレー再開時に相手に与えられるキックで、キックの方法・方向は自由ですが、直接ゴールを狙うことはできません。
軽い反則があった場合に、相手チームに与えられるキックです。直接ゴールは狙えません。タッチに蹴り出すと相手ボールでの再開になります。
ペナルティーキック
重い反則からのプレー再開時に相手に与えられるキックで、キックの方法・方向は自由で、直接ゴールを狙うこともできます。
反則のあった地点またはその後方で、フィールド左右のタッチラインに平行な線上の任意の地点からキックができます。
相手チームが重い反則を犯した時に与えられるキックのこと。ゴールキックを狙うことができる
ペナルティキックでゴールが成功した場合の得点。3点が得られます
重い反則があった場合に相手チームに与えられるキックです。直接ゴールを狙うことができます。 タッチラインに蹴り出すとマイボールでの再開になります。
ペナルティキックが与えられた場合、タッチキック・スクラム・ペナルティゴールのどれかを選ぶことができる
ラインアウト
ボールまたはボールを持ったプレーヤーが、フィールド左右のタッチラインに触れたり外に出た場合は試合が中断されます。
相手チームがタッチラインからボールを5m以上投げ込んで、2列に並んだ各チームのプレーヤーがボールを奪い合います。
但し、ペナルティーキックがタッチラインの外に出た場合は、キックしたチームによるスローインとなります。
タッチラインに対して垂直に並んだ両チームのプレーヤーの間にボールを投げ入れ、ボールを奪い合うリスタートの方法。ボールを投げ入れるのは、ボールをタッチラインの外に出したチームの相手チームが行います。ただしペナルティキックで蹴り出された場合は、蹴り出した方のチームが投げ入れます
ボールがタッチラインの外に出た場合のプレー再開方法です。マイボールのチームがタッチラインから投げ入れるボールを、両チームがタッチラインから5m~15m離れた場所で奪い合います。
タッチラインの外にボールが出た時に、タッチラインに対して垂直に並んだ両チームのプレーヤーの間にボールを投げ入れ、ボールを奪い合うリスタートの方法です。ボールを投げ入れるのは、ボールを蹴りだしたチームと逆のチームが行います。(ペナルティキックで蹴り出された場合は、蹴り出した方のチームが投げ入れます)
ボールは両チームの中間地点に投げ入れなければならず、どちらかのチームに有利になるように投げ入れてはいけません。また、投げ入れるプレーヤーは、ラインアウトが形成される(両チームの選手が並ぶ)のを待たずに、すぐ投げ入れることも可能です。このプレーをクイックスローインと言います。
ボールまたはボールを持ったプレイヤーがタッチラインを越える、または触れた場合にラインアウトとなります。ボールを投入する側はボールを投入するプレイヤー(スローワー)を除き、最低2人以上参加する必要があります。通常はフォワードの選手7名が並びます。
ペナルティからのタッチキックの場合は、ボールがタッチラインを越えたところでキックをした側のボールでラインアウトとなりますが、それ以外の場合は逆チームボールのラインアウトとなります。
スクラム同様インゴールおよびゴールラインから5m以内では形成されません。
ラグビーの基本プレー
タックルをしていいのは「ボールを持った選手」にだけ
選手はパスをつないで敵地のインゴールを目指しますが、相手チームはボールを持った選手のみタックルで倒すことができます。倒された選手は、プレイ続行を禁止されているので、ボールを速やかに手放さなければなりません(これを犯すと「ノットリリースザボール」という反則をとられます)。前にボールを落とせないので、選手は倒されたまま半身になって、ボールを地面に置き味方のサポートプレイヤーに託します。この時、両チームが密集した状態を「ラック」と呼びます。ちなみに、ボールを持った選手が捕まってはいるが倒されておらず、両チーム全員立ったまま組み合っている状態を「モール」と呼びます。
プレイ再開は「スクラム」か「ラインアウト」
軽い反則があったり、ボールがタッチラインの外に出たりしてゲームが中断すると、主にふたつの方法でゲーム再開となります。ラグビーを象徴するといってもよい代表的なプレイ「スクラム」と、サッカーでいう「スローイン」に似ている「ラインアウト」(似て非なるものですが)です
スクラム
試合再開のセットプレー。15人制では8人対8人、セブンズ(7人制)では3人対3人でスクラムを組む
トライ
相手のゴールラインを越えてボールを押さえるとトライ
タックル
ボールを持っている相手の選手をつかんで倒すプレー
ラインアウト
ボールがタッチラインから外側に出た場合に試合を再開する方法
キック
トライや反則の後にゴールポストを狙ってキック。プレー中はキックを使って相手陣地に攻め込む
主な反則
軽い反則/重い反則ノックオンやスローフォワードが軽い反則です。相手ボールのスクラムでプレー再開。オフサイドやノットリリーズザボールが重い反則。相手のペナルティキックでプレー再開となります
軽い反則:相手ボールのスクラム、またはラインアウトによりゲーム再開
スローフォワード
自分よりも前方にボールを投げたとき。
選手が味方にパスを出すとき、前方に投げてしまう反則。これを犯すと、相手ボールでのスクラムでプレー再開
プレーヤーがボールを前方にパスする反則です。
ボールを前に投げてしまった場合の反則です。相手ボールでのスクラムで再開します。
ノックオン
持っているボールやキャッチしたボールを、自分より前方に落としたとき。
ボールを持っていたプレイヤーが前に落としてしまったり、パスを受けようとしたプレーヤーが受け損なって前にボールを落としてしまうこと。相手ボールでのスクラムでプレー再開
プレイヤーがボールを前方に落としてしまう反則です。最も多い反則の1つです。
ボールを所持していたプレーヤーがボールを前に落としてしまったり、パスを受けようとしたプレーヤーが受け損なって前にボールを落としてしまうことを言います。相手ボールでのスクラムで再開します。
ノットストレート
ラインアウトの際に、ボールをまっすぐに投げ入れなかったとき。
アクシデンタル オフサイド
ボールを持ったプレーヤーまたはキックしたボールが、前方にいる味方に偶然触れ、有利に働いたとき。
ボールを持っている選手が、前にいる味方選手と偶然、ぶつかってしまうことも反則とされます
相手ボールのスクラムで再開します。
やや重い反則:相手のフリーキックによりゲーム再開(ゴールは狙えない)
ノットストレート
スクラムの際に、ボールをまっすぐに投げ入れなかったとき。
スクラムやラインアウトの時に、ボールを投げ入れるプレーヤーが両チームの間にまっすぐ投げ入れなかった場合を言います。相手ボールでのスクラムで再開します。
重い反則:相手のペナルティーキックによりゲーム再開(ゴールを狙える)
オーバーザトップ
モールやラックが形成された状態で、ボールの相手側に倒れこみ、ボールが出るのを妨げたとき。
ボール争奪戦でプレイヤーがボール上、もしくはボールを超えて倒れこみ、相手プレイヤーを妨害することは反則です。
相手ボールのペナルティキックになります。
ラックなどで相手側に倒れ込んでボールが出るのを妨げる反則。相手チームにペナルティーキックが与えられます
モールやラックになった状態で、相手側に倒れこんでボールが出るのを妨げる反則を言い、相手チームにペナルティキックが与えられます。
オフサイド
ボールを持った味方やボールをキックした味方より前方にいる者が、その味方より後方に下がることなくゲームに参加したとき。スクラム、ラック、モール、ラインアウトなど、プレー毎に決められたオフサイドラインより前方にいる者も、味方より後方に下がることなくゲームに参加できない。
ボールを持っているプレーヤーより前にいるプレーヤーは、プレーに参加できません。ボールに触れることはもちろん、ボールより前で相手チームの妨害をしたりすることも禁止です。このように、ボールのある位置より前からプレーに参加した場合の反則を言い、相手チームにペナルティキックが与えられます
基本的にボールよりも前方にいる選手がプレーに参加するとオフサイドの対象になります。例えば、以下のようにモールを組んだ際に、ボールより前方からプレーに参加することは反則となります。
ボールより前にいるプレーヤーがプレーに参加した際の反則。相手チームにペナルティーキックが与えられます。
ボールを持っているプレーヤーより前にいるプレーヤーは、プレーに参加することが禁じられています。ボールに触れることはもちろん、ボールより前で相手チームの妨害をしたりすることも禁止されています。このように、ボールのある位置より前からプレーに参加した場合の反則を言い、相手チームにペナルティキックが与えられます。
オブストラクション
ボールを持っていない相手プレーヤーの動きを妨害したとき。
攻撃側のボールを持っていない選手が、守備側の選手を妨害することは反則となります。
相手ボールのペナルティキックになります
ボールを持っていない相手プレーヤーの動きを妨げたり、タックルをしようとしているプレーヤーの動きを妨げたりした場合の反則。相手チームにペナルティーキックが与えられます。
コラプシング
モールやラックが形成された状態で、故意にモールやラックを潰したとき。
故意にスクラム・モールを崩すことは反則です。
相手ボールのペナルティキックになります。
ノットリリースザボール
ボールを持っているプレーヤーが、タックルで倒されたにも関わらず、ボールを放さずに持ち続けたとき。
タックルを受けて倒されたプレーヤーが、ボールを手放さなかった時にとられる反則。これを犯すと、相手チームにペナルティキックが与えられます
攻撃側のボールを持っている選手が、タックル成立後にボールを離さないことは反則です。
相手ボールのペナルティキックになります
タックルを受けて倒されたプレーヤーが、ボールを手放さなかった場合の反則です。タックルを受けたプレーヤーはプレーの続行が禁止されているので、ボールは速やかに手放さなければなりません。この反則を犯せば相手チームにペナルティキックが与えられます。
ノットロールアウェイ
タックルをしたプレーヤーが、倒れたプレーヤーと共に倒れこみ、次のプレーの障害となったとき。
タックルしたプレイヤーがその場から離れず、相手プレイヤーの妨害をすることは反則です。
相手ボールのペナルティキックになります
ハンド
スクラムやラックの中にあるボールを拾い上げたとき
反則
ノックオン
ボールを前に落としてしまうこと
スローフォワード
ボールを前にパスしてしまうこと
ノットロールアウェイ
タックルした選手、またはタックルされた選手が地面に倒れ、ボールから離れないこと
ノットリリースザボール
タックルされた選手がボールを離さないこと
オフサイド
プレーをしていけない場所からプレーに加わること
ハイタックル
相手プレイヤーの肩より上にタックルすることは反則の対象です。ラグビーといえばタックルですが、一歩間違えると危険なため様々な規則があります。
相手ボールのペナルティキックになります
タックルでの反則
- ノットリリースザボール
- タックルを受けて倒されたプレーヤーがボールを手放さなかった時の反則。相手チームにペナルティーキックが与えられます。
- ノットロールアウェー
- タックルをして倒れたプレーヤーがその場から速やかに離れなかった場合の反則。相手チームにペナルティーキックが与えられます。
- 危険なタックル
- ハイタックル、ボールを持つ前のタックル(アーリータックル)、ボールを手放した後のタックル(レイトタックル)、相手の首に腕を引っかけるタックル(スティフアームタックル)は禁止され、重い反則となります
セットプレーでよく起こる反則
セットプレーとは、「スクラム」「ラインアウト」「キックオフ(ルール解説1の動画参照)」のことをいいます。プレーが止まったところから試合を再開させるプレーになります。セットプレーで良く起こる反則は下記になります
- コラプシング
- 故意にスクラムを崩す反則(モール・ラックも同様)。相手チームにペナルティーキックが与えられます。
- ノットストレート
- ラインアウトでボールを投げ入れるプレーヤーが両チームの間にまっすぐ投げ入れなかった場合の反則。相手ボールのスクラムやラインアウトとなります。
ペナルティー
- シンビン
- 不正なプレーや危険なプレー等で反則を犯した(繰り返した)プレーヤーに対し、一時的に10 分間退場させることをいいます。
反則とペナルティ
! 重い反則
相手チームにペナルティキックの権利。反則を犯したチームはその地点より10m下がらなくてはいけません。
※相手チームの選択により、スクラムやラインアウトから再開する場合もあります。
× やや重い反則
相手チームにフリーキックの権利。反則を犯したチームはその地点より10m下がらなくてはいけません。
※相手チームの選択により、スクラムやラインアウトから再開する場合もあります。
△ 軽い反則
相手チームのスクラムから再開
ピックアップ
スクラムやラックになった状態で、ボールを拾い上げてしまうことを言い、相手チームにペナルティキックが与えられます。
してはいけないプレー【その2:不正な行為】
ミスに関する反則はプレーをしている上で仕方のないものですが、ラグビーでは故意に相手を傷つけたり、スポーツマンシップに背くような行為も残念ながら行われてしまうことがあります。これらの反則を総称し、不正な行為と言います。不正な行為は大きく4種類に分けられ、基本的にはペナルティキック、ペナルティトライなどの重い罰が課せられます。その中でもあまりにも悪質な反則行為に対しては、イエローカード(10分間の一時的退場:シンビン)、レッドカード(退場)が出される場合もあります。これら不正な行為について、4つに分けて説明します。
- 妨害プレー
- ボールを持っていないプレーヤーの前を、壁のように立ちふさがって進路を妨害したり、体やジャージなどをつかんで動きを妨げる行為などを言います。また、ボールを持っている味方プレーヤーの前を走ることも妨害プレーになります。
- 不当なプレー
- わざと反則をしたり、ボールをフィールド・オブ・プレーの外に放り出すこと、時間稼ぎをすることなどを言います。
- 反則の繰り返し
- 同じチーム、同じプレーヤーが同じ反則を繰り返した場合を言います。わざとじゃなくても同じ反則であれば適用されます。2回目の場合は相手チームにペナルティキックが与えられるだけで済む場合もありますが、悪質だと判断された場合はイエローカードやレッドカードが出される場合があります。3回目にはイエローカードかレッドカードが出されます。
- 危険なプレー
- タックルに関する禁止項目や、殴る、蹴る、踏みつける、投げ(突き)飛ばすなど、相手プレーヤーに対しての暴力的な行為を言います。また、反則を受けた後の報復行為や、スポーツマンシップに反する行為も含まれます。
基本原則
目的
ラグビーというゲームの目的は、競技規則、スポーツ精神、および、フェアプレーに則り、
ボールを持って走り、パスやキック、また、グラウンディングをして、相手チームに対して
できる限り多くの得点を挙げることである。
ボールの争奪と継続
ボール獲得のための争奪は、ラグビーの重要な特徴の一つである。この争奪は、ゲーム中に
いろいろな形で発生する:
• コンタクトにおいて
• 一般のプレーで
• スクラムやラインアウトでプレーが再開されるとき、キックオフ、および、試合再開の
キックにおいて
ボールを保持しているチームの目的は、相手にボールを獲得させないで継続を維持し、スキ
ルに富んだプレーで前進し、得点を挙げることである。これに失敗するということは、ボー
ルを支配しているチームの側の能力不足の結果として、あるいは、相手側の防御が優れてい
たために、相手にボールを渡してしまうことを意味する。 つまり、争奪と継続、利益と損失
ということである。
一方のチームがボールの保持の継続を維持しようとし、相手側のチームはボールを争奪しよ
うとする。このことがプレーの継続とボールの保持の継続の必要不可欠なバランスをもたら
す。この争奪性と継続のバランスは、セットプレーと一般のプレーの両方に当てはまる。
アドバンテージ
一方のチームが相手の反則により利益を得た場合 、レフリーは 、競技が流れるようにするた
めにプレーを継続させることができる 。
1. アドバンテージは :
a. 戦術的なものの場合 。反則をしていないチームは 、ボールを好きなように自由に
プレーできる 。
b. 地域的なものの場合 。プレーが 、反則をしたチームのデッドボールラインの方へ
移動する 。
c. 戦術的なものと地域的なものの組み合わせの場合もある 。
d. 明白で実際的なものでなければならない 。ただ単に利益を得る機会があるだけで
は 、不十分である 。
2. アドバンテージが終了するのは :
a. レフリーが 、反則をしていないチームが利益を得たとみなした場合 。レフリーは
プレーを継続させる; または 、
b. レフリーが 、反則をしていないチームが利益を得そうにないとみなした場合 。レ
フリーは競技を停止し 、アドバンテージを適用した原因の反則に対する罰を適用
する;または 、
c. 反則をしていないチームが 、自分達が利益を得る前に反則を犯した場合 。レフリ
ーは競技を停止し 、最初の反則に対する罰を適用する 。いずれかの反則が 、また
は 、どちらの反則も不正なプレーである場合 、それらの違反に対し 、レフリーは
適切な罰を適用する;または 、
d. 反則をしたチームが 、アドバンテージが生じない2つ目 、または 、前の反則に続く
反則を犯した場合 。レフリーはプレーを停止し 、反則をしていないチームのキャ
プテンにジョットの利益のある罰を選択させる 。
3. 以下の場合 、アドバンテージが適用されてはならず 、レフリーはただちに笛を吹かなけ
ればならない :
a. ボール 、または 、ボールを保持しているプレーヤーがレフリーに触れ 、いずれか
のチームに利益が生じた場合 。
b. ボールがスクラムのトンネルのいずれかの端から出た場合 。
c. スクラムが90度以上回転した場合 。
d. スクラムの中にいるプレーヤーが宙に浮いて 、または 、上に押し出されて 、地面
に足がついていない状態の場合 。
e. クイックスローイン 、フリーキック 、または 、ペナルティが正しく行われなかっ
た場合 。
f. ボールがデッドになった場合 。
g. プレーを続けさせるのが危険な場合 。
h. プレーヤーが重大な負傷を負ったと疑いがある場合 。
原則
競技は 、立っているプレーヤーによってのみプレーされる 。
1. ボールを獲得しようとして地面に倒れた 、または 、ボールを持って地面に倒れたプレー
ヤーは 、ただちに以下のことをしなくてはならない :
a. ボールを持って立ち上がる;または 、
b. ボールをプレーする(ただし 、蹴らない); または 、
c. ボールを放す
罰 :ペナルティ
2. ボールがプレーされた 、または 、放されたら 、地面に横たわっているプレーヤーは 、た
だちにボールから離れるか 、立ち上がらなければならない 。 罰 :ペナルティ
3. ボールがないのに地面に横たわっているプレーヤーはプレーできず 、以下のことをしな
ければならない :
a. 地面に横たわっていない相手側に 、ボールをプレーさせる 、または 、獲得させる
b. ボールをプレーしない
c. 相手にタックルをしたり 、しようとしたりしない
罰 :ペナルティ
4. 立っていてボールを持っていないプレーヤーは 、ボールを持ちながら 、または 、ボール
の近くで地面に横たわっているプレーヤーの上に 、または 、そのプレーヤーに被さって
倒れ込んではならない 。 罰 :ペナルティ
基本ルール
タックル
1. タックルが起きるには 、ボールキャリアーが一人 、または 、複数の相手プレーヤーに捕
まり 、地面に倒される 。
2. 地面に倒されるということは 、ボールキャリアーが横たわる 、腰を下ろしている 、また
は 、少なくとも一方の膝が地面についているか横たわっている他のプレーヤーの上に乗
っているということをいう 。
3. 捕まるということは 、タックラーがボールキャリアーのことを地面に倒れるまで捕まえ
続けていることをいう 。
タックルにおけるプレーヤー
4. タックルにおけるプレーヤーとは :
a. タックルされたプレーヤー
b. タックラー
c. その他は :
i. タックルの間にボールキャリアーを捕まえ 、地面に倒れていないプレーヤー
ii. タックルにおけるボールの争奪に到着したプレーヤー
iii. すでに地面に倒れているプレーヤー
プレーヤーの責任
5. タックラーは 、以下のことをしなくてはならない :
a. 双方のプレーヤーが地面に倒れたら 、ボールとボールキャリアーをただちに放
す 。
b. タックルされたプレーヤーから 、また 、ボールからただちに離れるか 、立ち上が
る 。
c. 立ってからボールをプレーする 。
d. タックルされたプレーヤーがボールを放すかプレーできるようにする 。
e. タックルされたプレーヤーがボールから離れられるようにする 。
罰:ペナルティ
6. タックラーは 、前述の責任を果たしていて 、ラックが形成されていなければ 、自陣ゴー
ルラインの方向からボールをプレーしてよい 。
7. タックルされたプレーヤーは 、ただちに以下のことをしなくてはならない :
a. ボールを放す 、パスする 、または 、前方以外の方向へ押し動かすことでボールが
プレーできるようにし 、プレーが継続されるようにする 。どの方向にボールを置
いてもよい 。
b. ボールから離れるか 、立ち上がる 。
c. ボールの上に 、または 、ボールに被さって 、あるいは 、ボールの近くに横たわっ
て 、相手側のプレーヤーがボールを獲得するのを妨げないようにする 。
罰:ペナルティ
8. 他のプレーヤーは 、以下のことをしなくてはならない :
a. 立ったまま 、ボールとボールキャリアーをただちに放す 。
b. ボールをプレーする時は 、立ったままでいる 。
c. ボールをプレーする前に 、自チームのゴールラインの方向からタックルに到着す
る 。
d. タックル付近の地面に倒れている間は 、ボールをプレーしない 、または 、相手側
のプレーヤーにタックルしようとしない 。
罰:ペナルティ
9. ボールを獲得したプレーヤーは :
a. 離れるか 、ボールをパス 、または 、キックすることで 、ボールをすぐにプレーし
なければならない 。
b. 相手側にタックルされない限り 、立ったまま 、タックル付近の地面に倒れてはな
らない 。
c. タックラーが自チームのゴールラインの方向から来たら 、タックルされることが
ある 。
罰:ペナルティ
ラック
ラックの目的は 、プレーヤーに地面にあるボールを争奪させることである 。
1. ラックは 、フィールドオブプレー内でのみ行われる 。
2. ラックは 、各チームから少なくとも1名ずつのプレーヤーが接触しており 、立ったままの
状態で 、地面にあるボールに被さっていることで形成される 。
3. ラックのあらゆる段階において参加するプレーヤーは 、頭と肩を腰よりも低くしてはな
らない 。 罰:フリーキック
モール
モールの目的は 、プレーヤーに地面についていないボールを争奪させることである
1. モールは 、フィールドオブプレー内でのみ行われる 。
2. モールは 、ボールキャリアーと各チームから少なくとも1名ずつのプレーヤーが互いにバ
インドし 、立ったままの状態になることで成立する 。
3. 形成されたモールは 、ゴールラインの方向へ前進していかなくてはならない
マーク
相手側がキックしたボールを直接キャッチすることによって 、プレーヤーの自陣22メートル
区域内でプレーを止める方法 。
1. マークを行うためには 、プレーヤーは以下のことをしなくてはならない :
a. ボールをキャッチする 、あるいは 、空中でキャッチして着地する時 、少なくとも
片方の足を 、自陣22メートルライン上 、または 、その後方に置いておく; そして 、
b. 相手側が蹴って22メートルラインの立平面に達したボールを 、地面 、または 、他
のプレーヤーに触れる前に直接キャッチする; そして 、
c. 同時に「マーク」と叫ぶ 。
2. ボールが 、キャッチの前にゴールポスト 、または 、クロスバーに当たっても 、マークを
行うことができる 。
3. マークが正しくコールされたら 、レフリーはただちに競技を止め 、ボールを保持してい
るチームにフリーキックを与える 。
4. キックオフ 、または 、得点後の試合再開のキックから 、マークを行うことはできない 。
5. マークを行ったプレーヤーが 、フリーキックを行う(第20条に従って) 。
6. そのプレーヤーが1分以内にフリーキックを行うことができない場合 、ボールを保持して
いるチームにスクラムが与えられる 。
7. フリーキックは 、以下の位置で行われる
マークの地点 フリーキックの位置
22メートル区域内 マークの地点であるが、ゴールラインから
少なくとも5メートル離れ、マークの位置と一直線上。
インゴール内 マークの位置と一直線上の5メートルライン上
タッチ、タッチインゴール
フィールドオブプレーには 、各サイドにタッチラインと呼ばれる境界線がある 。プレーがタ
ッチラインに至った場合 、ボールはタッチであり 、デッドとなる 。
クイックスロー 、および 、ラインアウトは 、ボール 、または 、ボールキャリアーがタッチと
なった後に 、ボールの投入により競技を再開する方法である 。
1. 以下の場合 、ボールはタッチ 、または 、タッチインゴールにある :
a. ボール 、または 、ボールキャリアーがタッチライン 、タッチインゴールライン 、
または 、その先にあるものに触れた 。
b. タッチライン 、タッチインゴールライン 、または 、その先にあるものにすでに触
れているプレーヤーが 、ボールをキャッチした 、あるいは 、つかんだ 。
i. ボールがキャッチされたときにタッチ上の立平面に達している場合 、ボール
をキャッチしたプレーヤーは 、ボールをタッチに出したとはみなされない 。
ii. ボールがキャッチされた 、または 、拾い上げられたときにタッチ上の立平面
に達していない場合 、ボールが動いていても止まっていても 、ボールをキャ
ッチしたプレーヤーはボールをタッチに出したとみなされる 。
2. 以下の場合 、ボールはタッチ 、または 、タッチインゴールラインにはない :
a. ボールがタッチ上の立平面に達したが 、キャッチされた 、または 、競技区域にい
るプレーヤーによってキックされた 。
b. プレーヤーが 、ボールがタッチ上の立平面に達していてもいなくても 、競技区域
の中 、または 、外から跳び上がり 、ボールをキャッチし 、競技区域内に着地し
た 。
c. プレーヤーが競技区域から跳び上がり 、タッチ 、または 、タッチインゴールに着
地する前に 、ボールがタッチ上の立平面に達していてもいなくても 、そのボール
を競技区域へ跳ね返した(または 、キャッチして競技区域へと放した) 。
d. タッチにいるプレーヤーが 、ボールを蹴った 、または 、ノックしたが 、つかまな
かった 。ただし 、ボールがタッチ上の立平面に達していなかった場合に限る 。
クイックスロー
3. ボールをタッチへ持ち込んだプレーヤーは 、ただちにボールを放し 、クイックスローが
行えるようにしなくてはならない 。 罰:ペナルティ
4. クイックスローでは 、以下のようにボールを投入する :
a. マークオブタッチとスローワーの自陣のゴールラインの間; および 、
b. スローワーの自陣のゴールラインに平行に 、または 、向かって; および 、
c. 地面に触れる 、または 、プレーヤーに当たる前に5メートルラインに達するように;
および 、
d. 両方の足がフィールドオブプレーの外にあるプレーヤーによって 。
ラインアウト
9. ラインアウトは 、マークオブタッチ上で形成される 。
10. 各チームが 、ラインアウトの自陣側のマークオブタッチと平行に 、また 、そのマークオ
ブタッチから0.5メートル離れ 、かつ 、5メートルラインと15メートルラインの間に 、一
列に並ぶ 。列と列の間の距離は 、ボールが投入されるまで保たれなくてはならない 。 罰
:フリーキック
11. ラインアウトの形成は 、各チーム最低2名のプレーヤーが必要となる 。
12. 各チームは 、遅延なくラインアウトを形成する 。 罰:フリーキック
13. ボールを投入する側のチームが 、各チームがラインアウトに並ばせることのできるプレ
ーヤーの最大人数を決める 。
14. ラインアウトが形成されてすぐにボールの投入が行われない限り 、ボールを投入しなか
った側のチームは 、ボールを投入する側のチームより多くの人数のプレーヤーをライン
アウトに並ばせることはできない(より少ない人数になるのはよい) 。 罰:フリーキック
15. ボールを投入しなかった側のチームは 、タッチラインと5メートルラインの間に1名のプ
レーヤーを並ばせなければならない 。プレーヤーは 、自チーム側のラインアウトのマー
クオブタッチから2メートル 、また 、5メートルラインから2メートル離れて立つ 。 罰:
フリーキック
16. 一方のチームがレシーバーを用いることにした場合 、そのレシーバーは 、5メートルライ
ンと15メートルラインの間に 、ラインアウトに参加している味方から2メートル離れて立
つ 。各チームが置いてよいレシーバーは1名である 。 罰:フリーキック
17. ラインアウトが形成されたら 、プレーヤーは :
a. ボールを投入する側のチームなら 、他に参加しているプレーヤーと位置を替わる
以外に 、ラインアウトを離れてはならない 。
b. ボールを投入しない側のチームなら 、相手より多い人数のプレーヤーを並ばせて
いなければ 、ラインアウトを離れてよい 。
罰:フリーキック
18. 参加しているプレーヤーは 、ボールが投入される前に 、位置を移動することができる 。
19. ラインアウトの中で 、ボールに向かってジャンプする味方のプレーヤーをリフト 、また
は 、サポートしするプレーヤーは 、後方からパンツよりも下を 、あるいは 、前から太腿
より下をグリップしない限り 、味方のプレーヤーをプレグリップすることができる 。 罰
:フリーキック
20. プレーヤーは 、ボールを投入するプレーヤーの手からボールが離れる前に 、ジャンプし
たり 、持ち上げられたり 、または 、サポートされてはならない 。 罰:フリーキック
21. プレーヤーは 、ボールが投入される前に 、相手に触れてはならない 。 罰:ペナルティ
スクラム
スクラムの目的は 、軽度の反則や競技の中断があった後に 、ボール獲得のための争奪でプレ
ーを再開することである 。
2. スクラムは 、レフリーが示したマークにあるスクラムゾーンの中で形成される 。
3. レフリーは 、ゴールラインと平行に伸びるスクラムの中心線を作るマークを示す 。
4. 両チームは 、マークが示されてから30秒以内にスクラムを形成する準備をしなければな
らない 。 罰:フリーキック
5. 両チームに15名いる場合 、図に示したようなフォーメーションで各チーム8名がバインド
する 。各チームとも 、フロントローにプロップ2名 、フッカー1名 、セカンドローにロッ
ク2名がいなくてはならない 。最後に各チームのバックロープレーヤー3名が入りスクラ
ムが完成する 。 罰:ペナルティ
6. 何らかの理由により 、一方のチームが15名より少ない人数になってしまった場合は 、ス
クラムにおける各チームの人数も同様に少なくなる 。一方のチームが認められた上で人
数を減らした場合 、もう一方のチームも同様に減らす必要はない 。ただし 、どちらのチ
ームもスクラムの人数が5名以下になってはならない 。
7. スクラムの中のプレーヤーは 、以下のやり方でバインドする :
a. プロップは 、フッカーにバインドする 。
b. フッカーは 、両腕でバインドする 。両側にいるプロップの腕の上からでも下から
でもよい 。
c. ロックは 、自分の目の前にいるプロップ 、および 、ロック同士でバインドする 。
d. スクラムの中にいるその他のプレーヤーは 、少なくとも片方の腕を使ってロック
の体にバインドする 。
罰:ペナルティ
8. 2つの集団が、中心線の両側から、中心線と平行に、向かい合う。
9. 双方のフロントローが、腕の長さより遠く離れないように立ち、フッカーはマークの位
置。
10. 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「クラウチ」とコ
ールする。
a. その後、フロントローは、まだクラウチの姿勢をとっていなければとる。頭と肩
を腰よりも低くせず、スクラムの間ずっと維持できる姿勢。
b. フロントローは、クラウチして、頭は自分の目の前の相手の左側に付けて、どの
プレーヤーの頭も相手プレーヤーの首または肩に触れないようにする。
罰:フリーキック
11. 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「バインド」とコ
ールする。
a. 各ルースヘッドプロップは、相手側のタイトヘッドプロップの右腕の内側に自分
の左腕を置いてバインドする。
b. 各タイトヘッドプロップは、相手側のルースヘッドプロップの左上腕の外側に自
分の右腕を置いてバインドする。
c. 各プロップは、相手のジャージの背中か脇をつかんでバインドする。
d. すべてのプレーヤーのバインドが、スクラムの間ずっと維持されるようにする。
罰:ペナルティ
12. 両チームとも、まっすぐ、安定して、動かなくなったら、レフリーが「セット」とコー
ルする。
a. その上で初めて両チームが組み、スクラムの形成が完了し、ボールが投入される
トンネルができる。
b. プレーヤーは必ず全員、位置について前へ押す準備ができているようにするこ
と。
c. 各フロントロープレーヤーは、両足を地面につけ、少なくとも片方の足に自分の
体重をしっかりと乗せる。
d. 各フッカーの足は、味方のプロップの一番前の足に沿って、または、その後ろに
なければならない。
13. スクラムハーフは 、スクラムのどちら側からボールを投入するか決める 。
14. スクラムハーフは 、図のようにボールを持つ 。
15. 両チームとも 、まっすぐ 、安定して 、動かなくなったら 、スクラムハーフがボールを投
入する 。
a. 選んだ側から
b. トンネルの外から
c. 遅延なく
d. 1回だけ前へ出す動きで
e. すばやく
f. まっすぐ 。スクラムハーフは 、スクラムの中心線に自分の肩を合わせ 、自分の肩
幅の分だけスクラムの自陣よりに立ってよい 。
g. トンネルの中でまず地面に触れるように
人数
各チーム 、プレー中に競技区域内にいるプレーヤーの人数が15名を超えてはならない
試合主催者は 、各チーム15名未満のプレーヤーによる試合を許可することができる
スコッドの人数 スコッドにおけるフロントローの最低人数 最初の交替のとき、以下と交替
できる者であること
15名、または、それ未満 3名 –
16~18名 4名 プロップ、または、フッカーのどちらか
19~22名 5名 プロップとフッカーの両方
23名 6名 ルースヘッドプロップ、
タイトヘッドプロップ、フッカー
フロントローの交替要員は 、他のポジションで試合に出場してもよい 。
フロントロープレーヤーとフロントローの交替要員の全員が 、適切に訓練され経験があ
るようにするのは 、チームの責任である
一方のチームが適切に訓練されたフロントローを出すことができない 、または 、レフリ
ーが指示した場合 、スクラムはアンコンテストスクラムとなる
退場 、一時的退出 、または 、負傷によるアンコンテストスクラムは 、両チーム8名ずつで
行われなければならない 。
フロントローの交替要員がいない場合のみ 、他のプレーヤーがフロントローとしてプレ
ーすることが認められる
交替
国際試合においては 、協会が指定する交替/入替えのプレーヤーの数は8名以内とする
その他の試合においては 、交替/入替えのプレーヤーの数は最大8名までの範囲で試合主
催者が決定する
交替は 、ボールがデッドになったときにのみ 、レフリーの許可を得て行う
正式な交替
21. プレーヤーが負傷した場合には交替してよい 。負傷したプレーヤーは 、一度交替したら
試合に再び加わってはならない 。
22. プレーヤーが負傷したとみなされるのは 、以下の場合である :
a. 国の代表レベルでは 、そのプレーヤーがプレーを続けない方がよいと医師が意見
した場合 。
b. その他の試合については 、試合開催者が明確な許可を与えた場合に限り 、そのプ
レーヤーがプレーを続けない方がよいと医務心得者が意見した場合 。医務心得者
不在の際は 、レフリーの同意があれば 、そのプレーヤーの交替が可能である 。
c. レフリーが 、そのプレーヤーがプレーを続けない方がよいと判断した場合(医療的
な意見のあるなしにかかわらず) 。レフリーは 、そのプレーヤーを競技区域から離
れるよう命ずる
試合時間
試合時間は80分間以内(前・後半各40分ハーフに失われた時間を加えたもの)だが 、試合
開催者が勝ち残り式の大会において引き分けの試合があり延長戦の実施を認めた場合を
除く 。
ハーフタイムは 、試合主催者が決める15分を超えない休憩時間から成る 。休憩時間の
間 、両チームとマッチオフィシャルは 、競技場を離れてもよい 。
国際試合でなければ 、試合主催者が試合の長さの短縮を決定してもよい 。試合主催者が
決定しない場合 、両チームにて試合の長さについて同意する 。同意に至ることができな
い場合は 、レフリーが決定する
レフリーは 、プレーを停止して以下の時間を与えてよい :
a. プレーヤーの負傷対応のための時間として 、1分間 。プレーヤーが重傷の場合 、レ
フリーは 、そのプレーヤーを競技区域から出すために1分間以上の時間を与える権
限も持っている 。
b. 他のマッチオフィシャルと協議を行うための時間
ボールがデッドになったら 、レフリーは以下の時間を与えてよい :
a. プレーヤーの交替のための時間
b. プレーヤーの服装の交換 、または 、修復
c. 靴ひもを結び直す時間
d. ボールを回収する時間
残り時間がなくなった後にボールがデッドになったら各ハーフは終了するが 、以下の場
合を除く :
a. トライ 、または 、タッチダウンの後 、残り時間がなくなる前に与えられたスクラ
ム 、ラインアウト 、または 、試合再開のキックが終了しておらず 、ボールがオー
プンプレーに戻っていない場合 。スクラム 、ラインアウト 、または 、試合再開の
キックが正しく行われなかった場合を含む 。
b. レフリーがフリーキック 、または 、ペナルティを与えた場合 。
c. ペナルティキックが 、ボールが初めにタップキックされることなく 、かつ 、他の
プレーヤーに触れることなく 、直接タッチに蹴り出された場合 。
d. トライが得られた場合は 、レフリーがコンバージョンキックのための時間を与え
る 。
レフリーは 、以下の場合にボールがデッドになったとみなす :
a. ボールがタッチ 、または 、タッチインゴールになった場合
b. ボールがインゴールにグラウンディングした場合
c. コンバージョンキックが蹴られた場合
d. トライ 、ペナルティ 、または 、ドロップゴールが決まった場合
e. ボール 、または 、ボールキャリアーが 、デッドボールライン 、または 、その先の
何らかのものに触れた場合
f. ボールが 、競技区域の外側の何らかのものに当たった場合
用具
ボールは楕円形で、4枚張り
・楕円の長辺の長さは280~300mm
・重さは、410~460g
レフリー
試合はすべて 、1名のレフリーと2名のタッチジャッジ 、または 、アシスタントレフリーから
成るマッチオフィシャルの支配下で行われる
アシスタントレフリー 、および 、タッチジャッジは 、タッチのシグナル 、タッチインゴー
ル 、キックによるゴールの成否に責任を持つ 。加えて 、アシスタントレフリーは 、レフリー
の指示に従い 、不正なプレーの報告を含めて 、レフリーの補佐を行う 。
試合開始・試合再開の方法
レフリーはトスを行わせる 。一方のキャプテンが硬貨を投げ 、他方のキャプテンが表裏
を当てる 。トスの勝者は 、キックオフか 、サイドかのいずれかを選択する 。トスの勝者
がサイドを選択した場合 、相手側はキックオフを選択しなければならない 。逆もまた同
様である 。
キックオフは 、試合の各ハーフ 、または 、延長時間の開始時に用いられる 。
1. キックオフと試合再開のキックはすべて 、ドロップキックである
2. キックオフは 、ハーフウェイライン上の中央 、または 、その後方から行われる 。 罰:キ
ックした側ではない方のチームに、キックのやり直し、または、スクラムの選択肢が与
えられる。
3. 試合開始時にキックオフを行った相手側のチームが 、後半を開始する 。
4. 一方のチームが得点した後 、相手側は 、ハーフウェイライン上の中央 、または 、その後
方から行われる 。 罰:キックした側ではない方のチームに、キックのやり直し、または
、スクラムの選択肢が与えられる。
5. ボールがキックされたら:
a. キッカーの味方は 、ボールの後方にいなくてはならない 。 罰:スクラム
b. 相手側のプレーヤーは 、10メートルライン上 、または 、その後方にいなくてはな
らない 。 罰:キックのやり直し
6. ボールは 、10メートルラインに達しなくてはならない 。 罰:キックした側ではない方の
チームに、キックのやり直し、または、スクラムの選択肢が与えられる。
7. ボールが10メートルラインに達したが風で吹き戻された 、または 、10メートルラインに
達する前に相手側がボールをプレーした場合 、プレーは継続される 。
8. ボールが直接タッチになった場合 、ボールを蹴らなかった側のチームが 、以下のいずれ
かを選択する:
a. キックのやり直し
b. スクラム
c. ラインアウト
d. クイックスロー
9. 蹴られたボールが 、プレーヤーに触れることなく相手側のインゴールに入り 、相手側の
プレーヤーがそのボールを遅滞なくグラウンディングした 、または 、インゴールを通っ
てデッドとなった場合 、ボールを蹴らなかった側のチームがキックのやり直しかスクラ
ムの選択肢を与えられる 。
10. 蹴られたボールが 、蹴った側のチームのインゴールに入り 、防御側のプレーヤーにより
デッドとなった 、または 、インゴールを通ってデッドとなった場合 、ボールを蹴らなか
った側のチームに5メートル地点でのスクラムが与えられる 。
11. キックオフ 、または 、試合再開のキックを除き 、攻撃側のプレーヤーによってボールが
プレーされた 、または 、インゴールに入れられ 、相手側のプレーヤーによってデッドに
された場合 、22メートル地点でのドロップアウトによってプレーが再開される 。
12. 22メートル地点でのドロップアウトは:
a. 防御側のチームの22メートルライン上 、または 、その後方の任意の地点から行
う 。 罰:スクラム
b. 遅滞なく行われなくてはならない 。 罰:フリーキック
c. 22メートルラインを越えなければならない 。 罰:キックした側ではない方のチー
ムに、キックのやり直し、または、スクラムの選択肢が与えられる。
d. 直接タッチになってはならない 。 罰:相手側のチームが、以下のいずれかを選ぶ:
i. ドロップアウトのやり直し; または、
ii. スクラム; または、
iii. ラインアウト; または、
iv. クイックスロー
13. 相手側のプレーヤーは 、ボールが蹴られる前に22メートルラインを越えてチャージして
はならない 。 罰:フリーキック
14. キッカー側の22メートルラインの内側にいる相手側のプレーヤーは 、ドロップアウトを
遅らせたり 、妨害したりしてはならない 。 罰:ペナルテ
得点
得点の方法と点数 :
a. トライ 5点
(インゴールへのグラウンディングなど)
b. コンバージョン 2点
(トライ 、または 、ペナルティトライが得られた場合 、そのチームにコンバージョンを行
う権利が与えられる 。プレースキックでもドロップキックでもよい 。)
c. ペナルティトライ 7点
(相手チームによる不正なプレーが 、トライが得られる 、または 、
より有利な位置にて得られるのを妨げた場合に 、ゴールポストの中間に与えられる。 コンバージョンは、行わない)
d. ペナルティゴール 3点
(ペナルティゴールは 、ペナルティキックからのゴールによって得られる)
e. ドロップゴール 3点
(オープンプレーの中で 、ドロップゴールからゴールすることでドロップゴールとなる)
(2019年時点)
不正なプレー
不正なプレーを行ったプレーヤーは 、注意を受けるか 、一時的退出 、または 、退場となる 。
妨害
1. プレーヤーと相手プレーヤーがボールに向かって走っているとき 、どちらのプレーヤーも 、
互いに肩と肩で触れあう以外に相手をチャージしたり 、押したりすることはできない 。
2. オフサイドのプレーヤーは 、相手を故意に妨害したり 、プレーを妨げたりしてはならない 。
3. プレーヤーは 、相手がボールキャリアーをタックルする 、または 、タックルしようとす
るのを故意に妨害してはならない 。
4. プレーヤーは 、ボールの争奪以外で 、相手のボールをプレーする機会を故意に妨害して
はならない 。
5. ボールキャリアーは 、相手を妨害しようとして 、故意にオフサイドの位置にいる味方の
方へと走り込んではならない 。
6. プレーヤーは 、ボールがデッドになったとき 、相手プレーヤーに対し 、妨害したり 、い
かなる方法でも相手の邪魔をしたりしてはならない 。
10. 同一チームの複数のプレーヤーが同じ違反を繰り返す場合 、レフリーはチーム全体に対
して注意を与え 、その後また違反を繰り返した場合には 、反則を犯したそのプレーヤー
に一時的退出を命じる 。
イエローカードとレッドカード
29. レフリーは 、注意を与えて10分間の一時的退出を命じたプレーヤーに対し 、イエローカ
ードを示す 。同じプレーヤーがその後 、別のイエローカードに相当する反則を犯した場
合 、そのプレーヤーは退場しなければならない 。
30. レフリーは 、退場となったプレーヤーに対しレッドカードを示し 、そのプレーヤーは試
合の残りの部分には参加できない 。退場となったプレーヤーについて交替や入替えはで
きない 。
オンサイドとオフサイド
競技は 、オンサイドの位置にいるプレーヤーのみでプレーされる
1. オープンプレーでは 、ボールを持っている 、または 、最後にプレーした味方の前方にい
るプレーヤーはオフサイドである 。オフサイドのプレーヤーは 、プレーを妨げてはなら
ない 。これには 、以下を含む :
a. ボールをプレーする 。
b. ボールキャリアーをタックルする 。
c. 相手がしたいと思うプレーをさせない 。
ノックオン
1. ノックオンは 、競技区域内のどの場所でも起こりうる 。
2. プレーヤーが 、相手側のプレーヤーにタックルをしている 、または 、しようとしている
時にボールに触れ 、ボールが前に落ちたら 、ノックオンである 。 罰 :スクラム(ボールが
タッチに出た場合 、反則をしていないチームが 、クイックスロー 、または 、ラインアウ
トの代わりに選択できる) 。
3. プレーヤーは 、手や腕を使って故意にボールを前にノックしてはならない 。 罰 :ペナル
ティ
4. プレーヤーがボールをキャッチしようとした際にノックオンした場合 、そのプレーヤー
がボールを獲得できたであろうという合理的な予測があったのであれば 、故意のノック
オンとはならない 。
5. 以下の場合はノックオンではなく 、プレーは継続される :
a. プレーヤーが 、相手側のプレーヤーがボールをキックした直後にボールを前方へ
ノックした(チャージダウン) 。
b. プレーヤーが相手側のプレーヤーからボールをもぎ取ったりノックしたりして 、
ボールがその相手側プレーヤーの手 、または 、腕から前方に転がった 。
スローフォワード
6. スローフォワードは 、競技区域内のどの場所でも起こりうる 。 罰 :スクラム
7. プレーヤーは 、ボールを故意に前方へ投げたり 、パスしたりしてはならない 。 罰 :ペナ
ルティ
ペナルティキック・フリーキック
ペナルティ、および、フリーキックは、反則の後にプレーを再開するために与えられる。
1. ペナルティ、または、フリーキックのマークは、必ずフィールドオブプレーの中とし、
また、ゴールラインから5メートル以上近くにあってはならず、以下の表のとおりであ
る
2. ペナルティ、または、フリーキックは、与えられた地点、または、その後方でマークを
通りタッチラインと平行な線に沿ったいずれかの場所から行われる。ペナルティ、また
は、フリーキックが間違った場所から行われた場合はやり直さなければならない。
ペナルティ、または、フリーキックにおける選択肢
3. ペナルティ、または、フリーキックを与えられたチームは、スクラムを選択することも
できる。
4. ラインアウトにおいてペナルティ、または、フリーキックを与えられたチームは、同じ
マークでのラインアウト、または、スクラムを選択することもできる。
ペナルティ、または、フリーキックを行う罰 :スクラム
5. ペナルティ、または、フリーキックは、遅延なく行われなければならない。
6. マークに対して与えられたフリーキックを除き、反則をしていないチームのどのプレー
ヤーが行ってもよい。
7. レフリーが適当ではないと認めない限り、キッカーは、それまでプレーされていたボー
ルを使わなければならない。
8. キッカーは、ボールをパント、ドロップキック、または、プレースキック(タッチを除く)
で蹴ってよい。
9. キッカーは、ボールをどの方向へ蹴ってもよい。
10. プレースキックにおけるプレーサーを除き、キッカー側のチームはキックが行われるま
でボールの後方にいなくてはならない。
11. ボールは、目に見える距離を蹴り進められなければならない。キッカーがボールを持っ
て蹴る場合、両手からボールがはっきりと離れなければならない。地面に置いて蹴る場
合は、マークからはっきりと離れなければならない。キックがきちんと行われたら、キ
ッカーは再びボールをプレーしてよい。
ペナルティ、または、フリーキックにおける相手チーム
12. ペナルティ、または、フリーキックが与えられたら、相手チームはただちに自陣のゴー
ルラインの方向へ10メートル、または、10メートルの距離がない場合は自陣のゴールラ
インまで、後退しなくてはならない。
13. ペナルティ、または、フリーキックがすばやく行われ、キッカーのチームがボールをプ
レーしたとしても、相手側のプレーヤーは、必要な距離を後退したままでいなければな
らない。
14. 相手側が後退する間もないほどすばやく行われた場合は、罰せられない。ただし、マー
クの地点から10メートル後退するまで、または、マークから10メートル離れていた味方
のプレーヤーが自分達の前に動いてくるまでは、競技に参加することはできない。
15. 相手チームは、キックを遅らせたり、キッカーを妨害したりしてはいけない。ボールを
故意に取って、投げて、または、蹴ってペナルティを与えられたチームから遠ざけるこ
とを含む。罰 :2回目のペナルティキック、または、フリーキック。最初のマークの地
点よりも10メートル前で行う。2回目のペナルティキック、または、フリーキックは、レ
フリーがマークを示すまで行ってはならない。
フリーキックにおける相手チーム
16. 相手チームは、キッカーがキックの動きを始めたらすぐに、チャージして、キッカーを
タックルしてフリーキックが行われるのを阻止したり、キックをブロックしたりしよう
としてよい。
17. 相手チームが正しくチャージを行い、フリーキックが行われるのを防いだ場合、キック
は認められない。マークの地点において、相手チームが投入するスクラムでプレーを再
開する。